奥山の アジサイ揺らす 秋の風
東京から少し北上した山のそばには、
九月末というのにまだアジサイが咲いている。
冷たい秋風が紫色のアジサイをゆらゆら揺らしている。
株式会社ハンモック会長による、写真俳句ブログです。
奥山の アジサイ揺らす 秋の風
東京から少し北上した山のそばには、
九月末というのにまだアジサイが咲いている。
冷たい秋風が紫色のアジサイをゆらゆら揺らしている。
名月を 井戸に入れたり 虫の声
今夜は仲秋の名月。
その満月が古井戸の中に映り、水の振れの中にゆらゆら動いている。
かたわらでは、すず虫がリーンリーンと鳴いている。
秋風や 心地良し されどさみしき
さわやかな秋風が吹いてきた。
秋風は夏のむしあつさをぬぐいさり、気持ちがいい。
ただ秋風は同時に心を寂しくさせる。
冬に向かっていくせいでもあるのだろうか。
寒さを予感させるせいでもあるのだろうか。
心地良い風はすぐあとにさみしい気持ちを起させる。
長月の
九月に入り、ようやく秋めいた風と雨が東京にも戻ってきた。
酷暑の続いた夏にひからびそうになった木槿の花も、
やわらかい雨と風にひと息つくことができた。
地下鉄の 駅を
地下鉄の電車を降りて、階段を昇り、地上に出ると、
秋らしい風が吹き抜けていた。
いよいよ秋。
秋来たる 神輿に風を 入れにけり
いよいよ秋祭りの季節だ。
夏の間、部屋の中に置かれていた神輿に風を入れて、祭りの準備をしよう。
皆で楽しく神輿を担ごう。
神輿は皆で担いでこそ、楽しさが分かるものなのだ。
レースのカーテン揺れて 秋の匂いする
9月に入ってようやく暑さも落ち着きを見せてきた。
柔らいだ陽の光の下、レースのカーテンが揺れて、
風が秋の匂いを運んできた。
台風が ひりつく暑さを
強力な台風が列島を横断し、北上していった。
各地で相当な風の被害をもたらしたようだが、
異常な暑さも吹きとばしてくれたらすこしはありがたいと感じられるのだが。
秋風や 凋落一途の 煙草店
下町の裏通りにある料理店を訪れた。
人影もまばらな通りに昭和の面影を残す「たばこ屋」が目についた。
今の時代にそぐわない古い看板に凋落一途の煙草産業の一端を見た思いがした。