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2015年4月アーカイブ

つつじ(2015年)

つつじ

純潔の 白きつつじの 花咲けり

駐車場の隣につつじの生け垣があった。

白いつつじの花はまるで白百合のように何ものも寄せつけない真白な花を咲かせ、

純潔とはこのようなものだと言わんばかりの気高さを漂わせていた。

春は気高さも運んでくる。



花水木(2015年)

花水木

讃美歌の 流れる庭に 花水木

信徒でないにもかかわらず、好んで教会や寺院を訪れることにしている。

歳のせいなのか、敬虔な雰囲気にあこがれているせいなのか、

日曜の朝、近くの教会にお説教を聞きに行った。

讃美歌の歌声が庭づたいに青空に消えていった。

教会の庭には今年も花水木がきれいな花を咲かせていた。



青葉

青葉

夕暮や 生命滴る 青葉かな

春の夕暮が訪れた。

花の後に青葉が芽ぶき、瑞々しくいきづいている。

夕暮の薄闇の中に緑が滴りおちて、季節の移ろいを繰り返す生命の鼓動を感じる。



茶樓

茶樓

春雨や 濡れて佗しき 茶樓かな

台北からバスで30分の九分の街には、

アニメ「千と千尋の神隠し」の一場面のモデルとなった茶樓がある。

赤い看板と紅い提灯で飾られた派手な建物なのに、

冷たい春の雨に濡れそぼって、寒々しく佗しい思いにとらわれた。

台湾は亜熱帯のはずなのに、こんなに寒い春があるとは信じがたい感じがした。



老犬

老犬

九分きゅうふんの 春を彷徨さまよう 老いた犬

九分の街は台北から30分ほどバスに乗ったところにある旧金山の街だ。

山の中腹に古い街並が連なり、大勢の観光客が訪れている。

この街に生きる茶色の老犬は餌を求め、観光客の後をついてまわっている。

春がきても、今日も相変わらず、街をさまよい歩いている。



回廊

回廊

回廊を 吹き抜けてゆく 春の風

春風が心地よい季節になった。

お寺の回廊に鎮座している石灯籠にも

春風が吹きつけ、吹き抜けていった。

春の光はやわらかく、まさに春がここにあるといった風情だ。



椿

椿

行く春や 朽ちる椿に 咲く椿

木ヘンに春と書いて椿。椿は春の花だ。

春を察知して咲き始め、春のあいだ中、咲いては落ち、落ちては咲く。

朽ちてしぼんだ花の隣に、きれいな花が咲き誇っている。

まるで自然界を象徴しているかのようだ。



たんぽぽ

たんぽぽ

花散らす 風にたんぽぽ ゆ~らゆら

春は花の季節。桜が散れば、多くの花々が顔を出す。

桜の花びらが散り落ちた地面には、

黄色いたんぽぽが自分の番とばかりに花を咲かせていた。

桜を散らす風も、たんぽぽには心地良いのかもしれない。



花冷え

花冷え

花冷えや 桜は雪と なりにけり

東京ではさくらは殆んど散ってしまった。

散った花びらは吹き寄せられて、一帯を白く染め、

まるで雪が降ったかのような風情を見せていた。



鴨

鴨遊ぶ 水の上にぞ 桜散る

先週末には神田川の桜も散り始めていた。

大陸から飛んできた真鴨のつがいが水の上をとび回って遊んでいる中、

桜の花びらが舞い散って、水をピンク色に染めていた。

今年の桜は咲くのも散るのも早かったなあ。



旅館

旅館

古くさき 旅館の庭に 白き花咲く

時代遅れの赤い看板の旅館があった。

いったいどんな人が利用するのか、不思議に思うほど古くさい旅館だった。

しかし、この時代錯誤の旅館の庭にも、

春を告げる大きな白い花が平等に咲き誇っていた。



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