
駅裏の 山茶花白く 匂いけり
西武新宿線の高田馬場駅の裏はさびれた通りだ。
表通り程人通りも多くないし、食べ物屋も少ない。
そんなわびしい駅裏の壁ぞいに山茶花が咲いている。
白い見事な山茶花で、一瞬見とれてしまう。
さびれた通りだからこそかえって目立つのかもしれない。
株式会社ハンモック会長による、写真俳句ブログです。
駅裏の 山茶花白く 匂いけり
西武新宿線の高田馬場駅の裏はさびれた通りだ。
表通り程人通りも多くないし、食べ物屋も少ない。
そんなわびしい駅裏の壁ぞいに山茶花が咲いている。
白い見事な山茶花で、一瞬見とれてしまう。
さびれた通りだからこそかえって目立つのかもしれない。
芽を吹いた アボカド愛でる 年の暮
アボカドを食べたあと、種を水につけておいたら、芽がでてきた。
そのうち茎が育ち、みるみる伸びて、葉もつけ始めた。
大きくなったアボカドを植木鉢に植えかえて、水をやり、陽にあてていると、
なんだか愛着が湧いてきて、アボカドの成長が一つの楽しみになってきた。
散り際も 美しきかな 大銀杏
東京には銀杏並木が多い。そして大きな気も多い。
銀杏は黄金色の散り際が美しい。
今日は大きな銀杏の木が黄金色の葉を美しく散らす様に見惚れていた。
バスを待つ おもいおもいの 師走かな
師走はそれぞれの想いが交叉する月だ。
忙しかったり、悲しかったり、楽しかったり、
人それぞれ年末に向けて何かをしようとする。
バス停でバスを待つ人も、去来する思いを胸に秘めている。
鍋料理 隣家のゆずに 手を伸ばし
隣の家のゆずが黄色く、たわわにみのっていた。
12月に入って急にゆずらしくなったような気がする。
今年も変らず実をつけたゆずを見ると、鍋料理の季節がきたなぁと実感を覚える。
木枯しや ぼんやりともる
12月は木枯しの季節だ。特に夜の風は身にしみる。
そんな夜に居酒屋や食べ物屋の灯が見えかくれすると、
ほっとしてあたたかい気分になる。
陽のあたる 山茶花朽ちて 時を知る
駐輪場の先に山茶花が咲いていた。
この花の咲く季節かと思っていたら、もう花が落ちはじめていた。
陽あたりの良い場所で成長が早すぎたのか。
時の早さをあらためて知らされた日であった。
楽しげに 落葉の上を 歩く君
冬は憂鬱な季節だ。特に黄昏は気が滅入る。
人生も初老にさしかかった君は、そんな冬にもかかわらず、
銀杏の落葉の上をシャリシャリと楽しげに歩く。
線香の 煙ゆかしき 冬の華
12月1日は父親の命日で、線香と花を持って墓参りに行く。
墓を洗い、線香を焚くと、煙の中に父母の顔が浮かぶ。
今日の花はやさしい色にした。
青い葉を まだ残しけり 師走かな
銀杏並木を歩いた。
殆んどの木は黄金色に色づき、初冬の趣きを伝えていたが、
中に未だ緑が強く残っていたり、かたや全く葉が落ちてしまっていたり、
同じ並木でもさまざまであった。
これも自然のさがなのか。