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2013年6月アーカイブ

石榴

石榴

玄関を おおいつくして 石榴ざくろ咲く

母が他界して一年になろうとしている。

母の住んでいた家はたぶんこの秋にはとり壊されて、

新しい家が建ち、新しい家族が住むことになるのだろう。

母が植えた石榴は枝を伸ばし、今にも玄関をおおい隠そうとしている。

オレンジ色の石榴の花は緑の中で精一杯咲こうとしている。



どんな日も

どんな日も

どんな日も 普通の日なり ひきがえる

ひきがえるをよく見かけるようになった。

ひきがえるは動きがにぶく、そばに近よっても、カメラのフラッシュをたいても、

微動だにしない。

こんなににぶくて生きていけるのだろうかと心配になるほどだが、

毎年梅雨になると大量に発生する。

ひきがえるを見ていると、人間界の出来事や自然界の天変地異など全く、

無縁の存在に思えてくる。

かれらにとっては、どんな日も、普通の日なのではないだろうか。

そして、どんな日でも普通の生活をしつづけるのではないだろうか。



まっすぐ

まっすぐ

気取らずに まっすぐ咲いた 葵かな

葵の花が目立つ季節になった。

葵の花は街角に咲いていることも多い。

花畑で栽培される花ではなく、やせた土地でもすくすく伸びる強い花だ。

あまり美しいとはいえない葉も、気取らない下町を感じさせる。

まっすぐ、素直に、強く生きる、親しみのもてる花だ。



風流

風流

真夏日や 涼しさ運ぶ 夜の河

東京もいよいよ暑くなってきた。昨日は今年初の真夏日となった。

しかも湿度が高く、夜になってもなかなか涼しくならない。

ついこの間の高校の同窓会で、懐かしい友人の訃報をきき、

昨日もまた友人の妹の逝去の知らせに驚き、この世のはかなさを思い知らされた。

同時に「今」に向き合い、「今」を楽しむ心境になりたいものだとも思った。

ベランダに出ると夜の河をつたって、涼しい風が吹いてきた。

「風流」を感じた瞬間だった。



七色

七色

七色の 梅雨の訪れ 煙る街

梅雨の風物詩のあじさいが、街のいたるところで花を咲かせている。

青むらさきの柔らかな花びらが、雨に煙っているのを見ると、

うっとおしい梅雨さえ、少しは心が和む。

また街角に赤やピンクのめずらしい色のあじさいが咲いていれば、

この一瞬がとても貴重でいとしいものに思える。



クスノキ

クスノキ

クスノキの 緑濃き日や 入梅す

クスノキは春になると柔らかな若葉が顔を出す。

そよ風が若葉を揺らし、春の光が揺れる葉をやさしく包む。

若葉は徐々に力強く育ち、葉脈は太く、緑も濃さを増してくる。

初夏が過ぎて、空がどんより曇り、灰色が世の中をおおいつくす頃、

クスノキの葉は若葉から大人の葉に変わり、梅雨が始まる。



夏みかん

夏みかん

人気ない 家に残った 夏みかん

ふと一軒の家に目がとまった。

シャッターを下ろした人気のない庭に夏みかんが一個だけ残されていた。

この家の住人は引越したのか、旅行に行っているのか不明だが、

夏みかんが一個だけ残っているのが何だか妙な感じがした。

あの夏みかんはこのまま朽ちはててしまうのだろうか。

それとも誰かが食べるのだろうか。



横断歩道

横断歩道

むきだしの 横断歩道の 照り返し

入梅宣言から早や10日、雨が降らない。

いったい梅雨はどこに行ってしまったのか。

まだ湿度は高くなっていないし、昼過ぎには真夏のような太陽が照りつける。

さすがに、朝晩は涼しいが、昼間の日差しの強さは初夏のものとは思えない程だ。

横断歩道の巾の広い白線が、太陽の光を反射してまぶしいやら暑いやら。

暑さで白線さえもゆがんで見える。



江奈干潟

江奈干潟

うぐいすや 干潟のほとり 風の中

江奈干潟は三浦半島に残された前浜干潟で、

波が静かで、ヨシが群生し、シギや千鳥などの野鳥をよく見かける。

この干潟のほとりで、今の季節にはめずらしいうぐいすの鳴声が聞こえてきた。

干潟の上を通り抜ける風にのって「ホーホケキョ」とのどかな声が耳に届く。

このあたりの気候は少し遅れているのだろうか。

風の中で、懐かしい鳴声にいつまでも聞き入っていた。



菜の花(2013年)

菜の花

菜の花や 岬に向かう 七曲り

季節はずれの菜の花がまだ一面黄色に咲いていた。

三浦半島の松輪から江奈湾へ向う曲りくねった道の途中に、

突然、菜の花畑があらわれたのだった。

このあたりは海風が強く、朝夕は気温もあまり高くないので、

まだまだ菜の花はすごしやすいのだろうか。

岬めぐりの旅にとって、思いがけない出会いであった。



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