どんな日も

梅の香や植えし頃のことごと運び来る

以前住んでいた家に立ち寄った。

庭の隅に植えた蝋梅が微かに香ってきた。

思わずそばに行き匂いを嗅ぎ写真を撮った。

この香りと蝋のような黄色い花が

あの頃の懐かしいことごとを運んできた。

ふじ食めば我が若き日が匂い立つ

松本に住む若いころからの友人からリンゴが届いた。

芳醇な香りと甘酸っぱい果汁を味わいながら、

信州に住んだ三年間の若き日の姿や

思いが広がって感慨に浸ってしまった。

シュワッシュワッ　冬はウィスキーソーダ

冬の夜はお酒の時間。

熱燗、冷酒、生ビールにハイボール。

つまみに合わせ夜長を楽しむ。

今夜は香ばしいウインナーソーセイジに

バーボンのソーダ割。

冬の夜や不眠憂うるウィスキー

不眠症に悩んでいる。

といっても入眠はするのだが短時間で目が覚めてしまう。

そのあとはなかなか眠れないので、

ウィスキーや睡眠薬のお世話になってしまう。

今日も夜半に目が覚めて、

ドライイチヂクとジャックダニエルと付き合う羽目になってしまった。

求めない心に滲みる秋の風

何かに追い立てられるように、

何かを求めて気ぜわしく過ごしていると、

見えるものまで見えなくなってしまう。

そんな日常から逃れて、何も求めず何も考えずに過ごす

秋のひと時は格別な時間であった。

受け入れて受け入れて夜明け

全ての存在は受け入れることから始まる。

どんなにあがこうと受け入れなければならないものは

受け入れるしかない。

受け入れればそこから何かを始めることも可能かもしれない。

氷雨の後はキット日本晴れ

昨夜は冷たい雨が降り続いた。

身も心も凍えるような雨。

でも今日は青空が広がり気持ちの良い日が始まった。

悪い日ばかりではない。

必ず日本晴れの日がくる。

憤懣をぐいと飲み干す年の暮れ

世の中はなかなか思い通りにはいかないものだ。

仕事や人間関係、コロナ自粛の不自由さ、

いろいろなものが鬱積する。

そんな時、熱燗をぐいと飲み干す。

甘く熱い液体が憤懣を洗い流してくれる。

そして静かに眠りに就く。

振り込める冷たい雨や年の暮れ

いよいよ年の暮れが迫ってきた。

今日のような朝から冷たい雨の日は気が滅入る。

さすがにコロナ禍の一年もようやく押し詰まってきた。

早くこの憂鬱な日々から解放されたいものだ。

バックミラーの中にも冬の訪れ

窓を開けて換気しながら走っていた。

冷たい冷気が車中に充満して思わず窓を閉めようとした。

バックミラーの中には寒そうに

コートの襟を立てて歩く人々の姿が映っていた。

朝寒や吹き抜けてゆく冬の風

朝晩が寒くなってきた。

起き抜けに窓を開けると冷たい冬の風が部屋を吹き抜けてゆく。

思わず首をすくめてしまうほどの冷たさだが

一方では身の引き締まるようなキリリとした冷気でもある。