2016年6月アーカイブ

雲巌寺

雲巌寺

夕暮れて 奥山寂し の初め

芭蕉が奥州紀行をした際の那須雲巌寺に行ってきた。

黒羽からどんどん山奥に入り、うっそうとした杉に囲まれて、

寺は静かなたたづまいを見せていた。

人っ子一人いない山奥は夕闇が迫ってくると夏と言えども寂しいかぎりだ。

こんなところで修業するのもつらいものがある。



大手門

大手門

端然と 初夏の夕べの 大手門

皇居の前を通った。

大手門という交差点があり、江戸時代から続く日本の中心があった所だ。

大手門は初夏の夕暮の中、歴史の重みを伝えながら端然と座していた。



ホームレス

ホームレス

皇居前 芝生は夏の 我が寝床

皇居前に広がる芝生は、今の時期青々と気持が良い。

ホームレスにとって、この広々とした芝生全てを自分の寝室と見たてて

一夜をすごすことは天皇にもできないぜいたくかもしれない。



烏賊釣り舟

烏賊釣り舟

烏賊釣りの 漁火いさりび遠く 煌めけり

函館ではスルメイカの解禁は6月であり、

この頃になると湾に一列にならんだイカ釣り漁船が見られる。

漁火でイカを集めて漁をする風情がなんともいえず懐かしい。

朝港に戻ってきた舟はひと仕事終えてゆっくり停泊している。



雨音

雨音

水がめは 潤いにけり 雨の音

何日か前、首都圏の水がめが干あがりそうだとテレビのニュースが伝えていた。

数日後に本格的な梅雨の雨が降りだした。

雨音を聞きながら水がめは潤ったのだろうかと、

遠くのダムに思いを馳せた。



花菖蒲

花菖蒲

地味に咲き 質素に生きん 花菖蒲

道端に青い菖蒲の花が咲いていた。

華やかさのまるでない地味な花で、それでも一生懸命咲いている様子に、

少し心を動かされた。

生きとし生けるもの、どんなものも、

生きる意味を持っているはずだと主張しているようだった。



菩提樹

菩提樹

菩提樹の 花影に座し 狛犬しし笑う

近くの神社には大きな菩提樹がある。

菩提樹は仏教とゆかりのある木で、

お釈迦様は菩提樹の木の下で悟りをひらかれたといわれている。

日本の神社は何ものも拒まないのが特徴なのか、神社の守り神である狛犬が、

菩提樹の花の下で不敵な笑いを浮かべている。



やまほろし

やまほろし

やまほろし けさ新しき 花となる

近くのフレンチレストランの駐車場にやまほろしが咲いていた。

白と紫のきれいな花で、次から次に新しい花が咲き、

夏の間ずっと咲きつづけている。

毎朝見る花は多分新しい花のはずだが、前日の花と見分けがつかない。

すべての生物は同様に新しい個体がいれかわっていくのに、

ずっと同じものであるかのように見えるのかもしれない。



紫陽花

紫陽花

紫陽花や 雨にがれて 垣の外

梅雨が始まった。

梅雨の花 紫陽花が、梅雨のうさを晴らすかのように、

街のいたる所に大輪の花を咲かせている。

この家の紫陽花は、雨を待ち焦がれて堀の外までこぼれんばかりにはみ出している。



つつじ

つつじ

北の地の つつじ真白き 雪のよう

北国ではつつじが今や盛りと咲き誇っている。

北国のつつじは何故か東京のつつじより色白で、

満開になるとまるで雪のように純白となる。

不思議なものだ。



鈴蘭

鈴蘭

鈴蘭や 霧のかなたの 遠き日々

鈴蘭が道端に咲いていた。

白く控え目な花は何故かノスタルジーを運んでくる。

少年時代。初恋。希望に燃えた日々。

全ては今や霧のかなたに流れ去っていったのだろうか。