2016年1月アーカイブ

花束

花束

三日目の 春の花束 なじみけり

近くの花屋で、春に咲く花を集めた花束を買ってきた。

花びんに差した当初は部屋になじめなかった花達も、

三日目になる今日はすっかりなじんで、部屋の一部になっていた。

ただ、あとどれくらい目を楽しませてくれるのだろうか。



雪雲(2016年1月)

雪雲

雪雲が 鬱々として 襲いくる

日本を何十年ぶりの寒波が襲ってきた。

東京も今夕から雪になるという。

空を見上げると不気味な雪雲が筋をなして空をおおっていた。

また雪になるのは憂鬱なものだ。



夕暮

夕暮

人恋し 灯ともし頃の 冬の風

電車の踏切で信号が鳴り出した。

街灯に灯がともり、あたりは暗くなりつつあった。

冬の冷たい風が吹きつけて、人が恋しい気持になった。

今日は熱々のおでんが食べたいものだ。



おみくじ

おみくじ

おみくじや 今年の運を ゆだねたり

初詣のあとどうしてもおみくじをひいてしまう。

大吉だ、小吉だと騒いで、そのあと神社のきめられた場所にゆわいてしまう。

何だか庶民の夢のあとが連なり重なりあって、流れていってしまうように見えた。



重機

重機

北風や 槌音高く 重機行く

至る所でビルの建て替えや、新しい建築の息吹が聞こえる。

通りかかった上智大学も旧校舎を壊し、新しい建物をつくっていた。

東京はどんどん変貌する。



紅葉

紅葉

散りし葉の 思い出たどる もみじかな

紅葉の葉が一枚道路に落ちていた。

白く塗装された部分と黒いままの道路の丁度まん中に、

紅い葉があざやかに残っていた。

紅葉にまつわる思い出が去来する中、北風に吹かれながら歩いていた。



楠

生まれ来て ただ生きにけり 春うらら

神社のそばに楠の大木が何本もそびえたっている。

何に文句を言うわけでもなく、ただただ生き続けている。

生まれた意味も死んでゆく意味も知ることもなく、知りたくもなく。



厚顔無恥

厚顔無恥

だいだいの ぶ厚き皮の 恥知らず

家の近くのだいだいの木が橙色の実をつけた。

だいだいの皮は厚く、実は酸っぱくて食用には適さない。

ただ、実をつけたまま2年も3年もそのまま朽ちずに残っている。

恥を知らない木である。



歌舞伎町

歌舞伎町

歌舞伎町 冬に華咲く イリュージョン

日本一の歓楽街、歌舞伎町に面している靖国通りを走りすぎることが多い。

華やかなネオンが冬の冷たい夜をきらびやかに彩る。

このネオンはまるで誘蛾灯のように寂しい人々の心に誘いをかける。

人々はそれを幻想と知りながらもふりむかずにはいられない。

弱きもの汝の名は人間。



初詣

初詣

初詣 我関せずと 枯銀杏

近くの神社に初詣に行ってきた。

好天に恵まれ、暖かな参道を歩いていくと、

真青に澄み渡った空に大きな銀杏の木が何本も、葉を落とした枝を広げていた。

初詣などという人間の行事にはなんの関心もなさそうに、

すっくとそびえたっていた。