2015年3月アーカイブ

しだれ桜

しだれ桜

春風や しだれうらやむ けやきかな

気温が上がり、春風が吹き、いっぺんに春となった。

しだれ桜が咲いたあと、追いかけるようにそめいよしのが咲き始め、

東京中がピンク色に染まった。

しかし、しだれ桜のうしろには、若葉すら出ていないけやきの裸木が、

少しうらめしげに立ちつくしていた。



神田川

神田川

水ぬるみ 鴨飛び来たる 神田川

近くを流れる神田川に目を遣ると真鴨がゆっくり泳いでいた。

水がぬるみ、神田川も彼らのすまいとみなされたのであろうか。

餌は十分あるんだろうか。水は汚れていないのだろうか。

鴨は悠々と泳いでいた。



春宵

春宵

春の宵 ぼんやりけぶる 酒場の灯

いよいよ春本番の季節が到来した。

夕方から夜にかけて吹く冷たい風もなんとなくなまめかしく感じられ、

まさに春宵値千金。

少し浮ついた気分で街を歩くと酒場の灯がぼんやり煙って、

何かいいことがあるのではという気になってしまう。



蕾(2015年)

蕾

ふくらんだ 蕾あきずに 眺めおり

いよいよ桜が開花しそうな雰囲気になってきた。

蕾が柔らかさを増し、いまにもほころびそうになっている。

その蕾を下から見上げ、どの蕾が早く開きそうか、この蕾はまだまだ先か、

などと想像していると、どんどん時間が過ぎてしまう。

青空をバックに、蕾を眺めるのも結構楽しいものだ。



空念仏

空念仏

桃咲きて から念仏の 浄土寺

浄土宗の寺の門に大きな桃の木が花をつけた。

門を見おろすほどの大きな桃の木で、満開の花は春の到来を告げている。

桃の花を眺めていると、現実世界の美しさが心を打ち、

念仏をとなえれば極楽浄土に行けるという浄土宗の教えも色あせてしまうほどだ。



青空

青空

青い空 雲悠々と 春が行く

春の陽気に誘われて、近くのお寺のそばを通り、公園まで散歩を楽しんだ。

お寺の上に広がった真青な空に白い雲が浮かび、悠久の趣きを醸し出していた。

春はこうして春となってゆく。



花影

花影

紅梅の 花影求め 回り道

駅までの道には、ところどころ梅の木が花をつけている。

いつもの道からはずれたところに風情のある梅の木を見つけた。

つい回り道をして、梅を見に行ってしまった。

その梅の木のまわりにはやさしい風が吹いていた。



紅梅

紅梅

梅散りて 大地を紅く 染めにけり

紅梅が散り始めて何日もたたないうちに

梅の木のまわりは紅く染まってしまった。

紅い花びらのそばには緑が芽ぶいて、春の彩りを演出している。

もうまもなく桜が咲き始めるに違いない。



鳩の森

鳩の森

鳩の森 春待つ群は 濡羽色

たくさんの鳩が群をなし、木々にとまっている森があった。

曇天の三月の空は暗く、鳩の群はまっくろな鳥のような濡羽色をしていた。

今にも雨が落ちてきそうな空模様の下、

鳩の群は静かに春の到来を待っているようだった。



新芽

新芽

柔らかく 紅き新芽や 春の風

樹々は動けない。根づいた場所で、一生をすごす。

たいくつだとも、きゅうくつだとも、文句を言わず、季節に従い葉を揺らす。

3月になれば、新芽がでて、春風に身をまかせる。



アイビー

アイビー

アイビーや 手製の花器に 春が来た

玄関のそばにアイビーが弦を伸ばしていた。

ヨーグルトの空箱をアルミフォイルで包んだ手製の花器を作り、

何本か手折ってきたアイビーを飾って部屋の隅に置くと、

何だか春が近くなったような気分になった。



青葉萌ゆ

青葉萌ゆ

青葉萌ゆ 見上げる先に 青い空

三月に入って、今日は春らしい晴天となった。

ビルの谷間から見上げた空は真青で、春風らしいやさしい風も吹きはじめた。

ビルのまわりの常緑樹にも瑞々しい緑が萌え始めた。