朝顔

朝顔

花一輪 垣の上なる 孤独かな

花の咲かない生垣の上に、朝顔が一輪だけ花を咲かせていた。

生垣の枝の間からつるをはわせ、ようやく花を咲かせる余地を見つけたのだろうか。

緑の中の白い花は孤独そのものであった。



簾

ラーメン店 席待つ列の すだれかな

福島県白河市の有名なラーメン店「とら食堂」にラーメンを食べに行ってきた。

暑さみなぎる田舎道を10分ほど走ると、

畑の真中に「とら食堂」が大きな看板とともに見えてきた。

すでに10人以上の先客が列をなしている。

その列の前には簾があり、簾ごしに夏の青空が広がっていた。



安積山

安積山

盆過ぎて あじさい青し 安積山あさかやま

安積山は325年前に芭蕉が訪れた小さな山で、

古くは万葉の時代から奥州の入口近くの景勝地であったらしい。

「安積山 影さへ見ゆる 山の井の 浅き心を わが思はなくに」

(万葉集巻16)



草いきれ

草いきれ

萩の花 少なくなりて 草いきれ

暑い日が続いている。

涼を求めて高い場所にある公園へ出掛けた。

むっとする草いきれの中、

おわりかけの萩の花が青息吐息で花をつけていた。



台風一過

台風一過

風吹いて 夏の出口を つくりけり

台風が風雨をつれて通りすぎていった。

青空がどこまでも青く高く広がって、

いよいよ夏の終わりを告げ始めたかのようであった。

まだまだ暑い日が続くであろうが、

近くの草むらからは虫の声が聞こえ、秋が静かに近づいてきた。



稲田

稲田

福島の 稲田や青き 風の道

福島県郡山市の温泉に宿泊した。

途中、福島の田園風景を見ることができた。

一面の平野に緑の稲田が広がり、豊かな米どころを思わせた。

ただ、原発事故以来、まだまだ風評被害をぬぐいさることはできない。

「福島の 稲田の果てに 発電所」では少し・・・・・。



はなかつみ

はなかつみ

世の人の 見付けぬ花や はなかつみ

芭蕉は「奥の細道」の中で「はなかつみ」という花を捜し求めて果たせなかった。

後世の人々は「はなかつみ」を「花菖蒲」の一種「ヒメシャガ」として、

郡山の市花に制定し、安積山公園では何株も育成している。

しかし、本当に「はなかつみ」は「ヒメシャガ」だったのだろうか。



蓮

軒の下 人に知られず 蓮一輪

芭蕉が東北地方の須賀川に立ち寄った際、

可伸庵で作った「世の人の 見付けぬ花や 軒の栗」にならって、一句。

軒の栗よりは軒の下の蓮の方がピンとくるのではないか。



白河の関

白河の関

千年杉 関を守りて 夏木立

奥州路の入口である白河の関を訪ねた。

西行や義経、芭蕉もここを基点として奥州へと旅立った。

関の中心の白河神社がうっそうとした杉の木におおわれ、

夏の陽差をさえぎるばかりか、

マイナスイオンを出して人々をやさしくつつんでいた。



夏雲

夏雲

夏雲や 高速道路を 運び去る

ようやく夏が訪れた。

夏雲が湧き出し、夏空が地球をとりかこむ。

高速を黄色いトラックが突っ走って、夏雲の元へ運び去るような気がしてくる。