株式会社弘電社様
interview 株式会社弘電社様
Date 2008 . 09 . 04
電力を安定的に供給するために欠かせない発電所や送電線路をはじめ、高層ビル、学校、工場などの電気設備工事を中心に、情報通信関連工事やプラントエンジニアリングなど、幅広い事業を展開している株式会社弘電社。明治43年の創業以来、基幹産業を支えるさまざまな電気設備工事に従事しながら、汎用電気機器や産業用電気・電子部品などの販売を手掛けるトータルエンジニアリング企業として成長を続けている。
さらに、バッテリーのリユースシステムや風力・太陽光など自然エネルギーを活用した発電に代表される環境事業にも進出し、時代に即応した積極的な事業展開も行っている同社。「創造する喜びを通して、豊かな人間社会の実現に貢献する」という企業理念のもと、時代の要請に即応できる施工力・技術力の向上に努めている。
そんな同社に導入されたIT統合管理ツール「AssetView GOLD」がどのように活用されているのか、情報システム部部長の勝又 誠様と情報システム部システム課主事の鈴木 晃之様にお話を伺った。
勝又 誠 様
情報システム部 部長
鈴木 晃之 様
情報システム部システム課主事
電気設備事業を中核とした事業展開を行っている同社は、日本全国に営業網を展開しており、現在、全国26箇所の支店と営業所を持っている。さらに、工事の施工を行っている現場事務所は250箇所あまり、全社で使っているPCの数はおよそ800台にものぼるという。ただ、工事終了後は現場事務所を撤去し、新たな現場へ移転することになる。同社のビジネスが電気設備工事を扱っているために、すべてがLAN・WAN環境で接続できるPCばかりではないのだ。そんな中で課題として挙げられていたのが、モバイルPCの資産管理だったという。
鈴木氏
PCの資産管理は、これまで手書きによるコンピュータ管理台帳によって行ってきました。しかし、ユーザーが後から追加したソフトウェアなど、詳細な資産情報まで追い切れていなかったのです。
と鈴木氏は当時を振り返る。
鈴木氏
全PCの6割を締めるモバイルPCは、現場事務所から社内ネットワークに接続する際に、一般のインターネット網からIPsecによるVPNを使用し、仮想的な閉域網を構築しています。そのため、セッションが確立したタイミングでモバイルPC内のインベントリ情報を効率よく収集可能でること、また手書きの紙媒体からデータ化することで効率的な資産管理を行うことができる製品を探していました。
と鈴木氏。
そこで、インベントリ情報を収集できる資産管理ツールを検討することになるが、多くの製品が機能過多に陥ったものばかりだったという。結局、実際に4社の製品を選んでテストを重ねた結果、同社の要件を満たしていたのが AssetView HYPERだったのだ。
勝又氏
一般的な資産管理ツールだと、PCにエージェントを常駐させなければなりません。メールだけ見てすぐモバイル接続を解除するユーザーもいて、常駐タイプではインベントリ情報が効率よく収集できなかったのです。また、多くの製品がログ収集までの機能が含まれてしまっていたため、機能を細かく選択できる製品が必要でした。
と勝又氏。AssetView HYPERならインベントリ収集機能やファイル配布機能などが細かくメニュー化されており、同社が求める仕様に合致したのだという
また、資産管理用のサーバー環境を構築する際にも、単なるFTPサーバーとして動作する AssetView HYPER は、環境構築の手間もなく、導入しやすかったという部分もポイントだったという。「他社のツールでは、サーバー内にDBを構築しなければならないものもあり、環境設定に手間と時間をかけなければなりませんでした。」
そして2004年11月から本格的に AssetView HYPER が稼働し、現在では AssetView GOLDにバージョンアップを行い、効率よくインベントリ収集を行っている。
AssetView GOLDに移行した現在では、当初導入したPC資産管理機能とファイル配布/自動インストール機能のほかにも、新たにPC稼働監視/不正操作対策機能も導入している同社。昨今の個人情報漏洩事件などに端を発したセキュリティ強化の流れの中で、P2Pソフトの使用を禁止する目的で新たな機能を追加している状況だ。そのため、エージェントを常駐させてログを収集する運用に切り替えている。
AssetView GOLD の効果について鈴木氏は
鈴木氏
まず、コンピュータ管理台帳を廃止できたことで、ファイル棚から資産台帳を取り出して調べる手間はなくなりました。ドリルダウンで細かなインベントリ情報が確認できるため、資産状況を確認する際に現場にお願いしていた棚卸作業も軽減することに役立っています。また、社内規定で新たに定めたP2Pソフトを使用禁止にできたことも大きな効果です。
と製品を高く評価している。
エージェント常駐型の運用についても、特にレスポンス低下もなく快適に動作しているという。
勝又氏
当社のポリシーとして、セキュリティを強化することによって利便性を犠牲にすることは考えていません。使い勝手が低下するツールでは意味がない。可能な限り利便性を損ねることなく、セキュリティを高めていきたいと考えています。
と勝又氏。この考え方は、AssetView GOLD の製品コンセプトとも合致する部分だ。
また、AssetView GOLDに代わってからのファイル配布機能の使いやすさも評価のポイントとして挙げている。「配布したいファイルとPCが一覧で 並んでおり、直観的なUIですぐに配布設定ができるようになっているところが使いやすいですね。」
さらに、ハンモックの対応についても、個別の案件で発生した修正モジュールの提供が迅速に行われるなど、サポート面でも高い評価につながっている。
今後の展望について鈴木氏は、
鈴木氏
社内ネットワークに接続することがないスタンドアロンのPCについては、今はツールによる資産管理が実施できていません。今後はこれらのPCをどのように管理していくかを検討していきたい。
と語る。また、現在はフリーメールなど社内規定で使用禁止にしているWebサイトがあるが、プロキシで制御しているLAN・WAN環境に対して、モバイル環境については AssetView GOLD の警告メッセージ機能を活用し、抑止効果を最大限発揮できるようにしたいと今後の展望を語っていただいた。
概要:電気設備工事を中心に、情報通信関連工事、プラントエンジニアリング、さらには汎用電気機器、産業用電気・電子機器、昇降機、冷熱住設機器の販売を行う。バッテリーの再生や風力発電、太陽光発電などの環境事業に進出にも新たに進出。