佐藤薬品工業株式会社
interview 佐藤薬品工業
Date 2022 . 03 . 01
佐藤薬品工業は1947年の創業以来、社是に謳(うた)う「事業を通じ国民の保健衛生に貢献する」を経営の第一義に、医薬品受託加工業界のリーディングカンパニーの地位を築いてきました。医療用医薬品及びOTC医薬品の受託製造を主に、OTC医薬品のOEM供給、製剤面・工業化面での研究開発や製剤・製品の工程管理、安定性確認等を実施する品質管理、製品企画、パッケージングなど製薬に関わる業務を幅広く扱っています。新工場の建設、経営の効率化、設備投資、国際認証取得なども積極的に展開し、新世紀の製薬企業として歩みを続けています。
目的
課題
効果
青山 寿行 様
システム部
佐藤薬品工業がAssetViewを導入したのは2004年。 PCが社会に普及し始め、多くの企業で紙の書類からPCを用いたデータへ社内インフラの変革が起き始めた時代のことでした。同社のシステム部でAssetView新規導入から運用まで全てを担当されてきた青山 寿行氏にお話を伺いました。
青山氏
2004年当時、当社に導入されていたPCは30台ほどでした。知らぬ間にソフトウェアをインストールされてしまうこともあり、なかなか目が届きにくい現場の実態把握やPC資産管理のため、IT資産管理ツールを導入することにしました。
とはいえ当時はPCの台数が少なかったこともあり、社内の書類は基本的に紙で管理。PCのセキュリティといえば、基本的に「悪いことをする人はいないだろう」という性善説に基づいたものだったといいます。
導入検討当時はITやセキュリティに関する情報があまりなく、ベンダーから取り寄せた資料を比較検討してIT資産管理ソフトを探しました。その中で出会ったのが、2000年にサービス提供開始していたAssetViewでした。
青山氏
最初は資産管理のみで導入したのですが、時代の変化に応じて少しずつ新たな機能を追加導入していきました。年間予算に応じて今年はウイルス対策をしてみよう、次はファイル暗号化を入れてみようといった具合で、その時々の時勢や会社の状況に合わせて機能を拡張していきました。
例えばデータの移行方法ひとつとっても、2004年まだまだ主流だったフロッピーディスクから、USBへ、クラウドへと18年間で大きく変化しています。コンピューターウイルスやマルウェア、データ流出や内部不正などITにおける問題も多様化・複雑化しています。IT資産管理ソフトにはある程度の費用が必要ですが、一方で費用を多くかけたからといって確実に守れるものでもありません。常に情報収集を行い、自社にとって必要な機能を補いながら運用をしていく他ありません。
青山氏
ライセンスを1シリーズ購入すれば、翌年はライセンスの保守運用の費用だけで利用できます。下がった費用分の予算を別機能の導入に利用すれば、コストを大きく増額しなくても時代に応じた適切な資産管理が展開できる。それが長年AssetView使い続けた理由として大きかったです。
同社ではAssetViewのスタンダードパッケージ(IT資産管理、PCログ管理などニーズの高い7つの機能)をベースに、予算に応じて機能を少しずつ追加導入してきました。ウイルス対策ソフトに関しては他社製のソフトを導入していましたが、インフラ環境の変化により社内でUSBが利用されるようになると、PCへのウイルス感染が多発。対応に追われたこともありましたが、AssetViewのデバイス制御を導入し、USBの使用を制限してからは収まったといいます。
青山氏
ウイルス対策を含めてAssetViewで一元管理するようになってからは、DATファイルの同期化も含めスキャン時間もCPUの負荷も少なく、ウイルス感染がゼロになりました。バージョンの更新管理もしっかりできますし、人がいない夜の時間にまとめて更新できる点も助かっています。
また、長年ログを蓄積してきたことで使いこなせるようになった機能もあります。例えば社内でPCが足りないと言われた際、稼働ログを元に、使われていないPCがあるので見直しをお願いしたことがありますね。他にもファイルの操作ログや印刷ログがあることで、情報漏洩の抑止にも繋がっています。
同社では620名の従業員ほぼ全員がPCを利用しており、青山氏を含むシステム部員6名でグループ会社のPC管理もすべて行っています。
青山氏
グループ会社の社員からもよく相談がくるのですが、電話で受けてしまうと相手の状況が見えず対応に時間がかかっていました。AssetViewのリモートコンソールを導入してからは、管理PCから社員PCを遠隔で操作できるようになり、情報が視覚化されたことでヘルプデスク対応のスピードが格段に上がりました。
コロナ禍では可能な部署のみ、最大で約30名がテレワークを行いました。同社ではもともとシステム管理者がトラブル時に AssetView RC(リモートコンソール)を使用して、VPN環境でのリモート管理の経験がありました。その経験があったおかげでテレワークの在宅環境のヘルプデスク対応にもスムーズに移行できました。
青山氏
事前のこうした取り組みがあったため、テレワークの環境を新たに構築することなく対応できました。新しいものを入れれば入れるほど、こんな偶然が起きやすくなるのでしょうが、その一方で業務を安定的に回さなければならないという使命もあります。すべてを一元管理が理想ですが、『もしも』という怖さも持ちながら、リスクを最小限に抑えつつ機能の導入を行ってきました。
直近ではAssetViewのファイル暗号化機能を50クライアントで試験運用し始めたので、精査・試行錯誤を繰り返して全クライアントPCに拡大させる予定です。
同社は今後グローバル化にも力を入れて行きたいと考えており、海外部署も新設。現地で製造から販売まで行うビジネスモデルを構想しています。
青山氏
今後はビジネスモデルのグローバル化に対応するため、さらなるセキュリティ対策が必要になってくると考えています。会社のIT資産は絶対に守らなければならないものであり、デジタル化がますます加速する世の中で情報リテラシーの向上は不可欠です。今後のIT環境においても、時代に合わせた機能を統合活用して、さらなる環境整備をしていきたいと考えています。