メタフレームで個人情報はセンターに

全国の営業店には商品発注や入金データの入力などに使用するクライアントPCがそれぞれ3台ずつ配布されている。また、各地方には営業店を統括する支部が20数カ所置かれているほか、協力工場、物流センター、データセンターと大阪市中央区の本社を合わせると、クライアントPC台数は約1300台にも登り、取り扱うIT資産やその情報量は相当な規模である。

専用サーバと各クライアントPCはインターネットVPNで接続、メインのシステムはデータセンターに置かれ、メタフレームで構成しているため、各クライアントPCには個人情報のデータなどが保存されない仕組みになっている。

内部統制の観点からこれらの資産情報を管理する必要性が高まっていた。AssetView GOLD導入以前もエクセルを使った台帳管理は行っていたが、1300台あるクライアントPC１台１台をチェックし、どんなソフトウェアがインストールされているかを確認することは現実問題として困難であった。そこで、情報資産を管理するとともに内部統制や情報セキュリティを強化するため、2008年5月ごろから管理ソフトウェアの導入を検討し始め、AssetView GOLD の導入に至る。その経緯について同社総務部電算システムグループグループ長の渡邊修二様にお話を伺った。

現場での使いやすさを重視

製品の選定にあたっては管理ソフトウェアのトレンドや他社の使用しているソフトウェア、信頼性、自社の業務に適しているかどうかといったことに着目して検討を進めたという。最終的に残った４社のデモ機を借り受け、同条件のもとで約１カ月をかけてそれぞれのメリットやデメリットを評価、担当者で検討を加えた結果、AssetView GOLD の導入が決定した。

検討段階で最も重視したのは操作性だという。難しい操作を求められるソフトウェアでは現場での使用が長続きせず、実用に耐えないと考えたからだ。そういった問題を避けるため、最も操作が簡単だったAssetView GOLD が選ばれた。

と渡邊氏は当時を振り返る。

メッセージの表示で注意喚起

AssetView GOLD は、PC稼働監視／不正操作対策機能のM、重要ファイル監査機能のI、PC資産管理機能のA、ファイル配布／自動インストール機能のDから、必要な機能だけを選択して購入・利用できるのが最大の特徴である。マルコ株式会社ではM、A、Dに加えリモートコンソール機能を持つAssetView HYPER Oを導入した。

AssetView GOLD Mは操作ログを管理することによってデータの流出などがないか監視するために、AはアプリケーションやPCといったIT資産管理とアンケート機能を使った情報収集のために、AssetView GOLD Dは効率的にインストールできる配布機能に期待して導入を決めた。AssetView HYPER OはPCに関して営業店から問い合わせ等を受けた場合、先方のPCをこちらで操作しながら対応できる点にメリットがあったという。必要な機能のみを選択することで、コスト面でもメリットを感じられたことが導入を決定した理由のひとつでもある。

各営業店や本社内のクライアントPCすべてに AssetView GOLD の導入が終了したのは2008年8月だったが、その効果は思った以上に早く現れた。社内に内部統制の観点から管理ツールによる監視を始めることを告知した後、AssetView GOLDインストール前から社員が自発的に問題のあるサイトの閲覧をしなくなったり、ゲームソフトなどを削除するなど、不適切な行動への抑止力となることが示された。

ただ、ウェブサイトへのアクセスを一律に禁じることはできないのが現状だ。

と渡邊氏。

そこで同社ではウェブサイトへのアクセスを禁止するのではなく、業務上不適切と考えられるサイトに接続した場合、アクセス履歴を記録していることと業務に戻るよう促すメッセージが表示されるよう設定し、社員の注意を喚起して抑止力の向上に努めている。また、

とこれからの取り組みについても語っていただいた。

今後の課題は外部PC検知

また、外部から持ち込まれたPCの検知も今後の課題となっている。
この課題解決に最適なのが、外部PC接続対策には不正PC遮断・検知機能を持つAssetView GOLD S（2009年3月発売）である。この製品のモジュールが導入されたPCは他のPCを監視し、外部からの持ち込みPCを検知し、遮断することが可能だ。

ハンモックとAssetView GOLD は、今後もお客さまのニーズに応じて一層機能を充実させ、企業のセキュリティや生産性向上をサポートする製品作りに取り組んでいく。