Interview全農物流株式会社
Date 2022 . 10 . 17
全農物流は1971年に設立した全農の子会社で、国産農畜産物や農業関連資材の物流を主な事業とし、北海道から鹿児島までの全国68拠点で車両・船舶による輸送や倉庫保管事業などを行っています。設立50周年を迎えた2021年に、2030年ビジョン「日本の『食』を支え、農業物流のトップランナーとなります」を掲げ、新たな事業領域の開拓・提案力の強化・物流品質の向上などに取り組んでいます。
目的
課題
効果
Interviewed
今屋 修一 様
石川 あゆみ 様
国産農畜産物や農業関連資材の運搬・保管を主に担い、北は北海道、南は鹿児島まで、全国68拠点で物流事業を展開している全農物流株式会社。拠点の数が多く、物理的な距離も離れているために、情報の共有や平準化が積年の課題となっていました。同社事業改革課 専任課長の今屋 修一氏と、同課の石川 あゆみ氏に、ホットプロファイル導入の経緯を伺いました。
「きっかけは『名刺情報を起点に業務管理ができるサービスがある。これを当社にも導入できないか』という社員からの提案でした。当社は全国に拠点を展開する中で、全社的な情報共有や報告・連絡・相談が大きな課題となっていました。報告書のひな形自体はありましたが、しっかり記入している拠点もあれば、そうでない拠点もあり、統一されていなかったのです。名刺についても個々人で管理していました。これらの報告書や名刺の取り扱いを平準化して、全社で共有することが営業力の強化につながると考えました」(今屋氏)
「報告書自体もWordで作成しており、印刷して上長が確認・押印したのちファイリングしていました。部署単位でデータとしては蓄積されていましたが、活用はできていませんでした」(石川氏)
同社では名刺管理や営業支援ツールを扱う3社を比較検討しました。
「比較検討する中で、ホットプロファイルは現場目線での使いやすさに非常に優れている印象を受けました。初心者でも直感的に操作でき、業務報告のフォーマットもかんたんにカスタマイズできます。今後運用をしていく上での使いやすさやサポートの手厚さが決め手となり、導入に至りました」(今屋氏)
「どんなに便利なサービスでも、現場で使われなければ意味がない」と、導入前には半年以上の準備期間を設け、詳細な社内ルールを設定しました。
「サービスやツールを導入するのは簡単ですが、全社員に利用を習慣化してもらうのは難しいものです。名刺登録や業務報告を継続してもらえるよう、どのような報告フォーマットであれば無理なく記入できるか社内に聞き取りし、他社の報告様式の例もアドバイスいただきながら準備を進めました。登録して終わりではなく、後から誰でも情報を検索しやすいように、報告書のタイトルも記入方法を統一してマニュアル化しました。さらに導入から3ヵ月間は役員も出席する週1回の定例会議で、利用率の進捗報告と利用促進の周知を徹底しました」(今屋氏)
同社では全社員がホットプロファイルを利用しており、導入から約4ヶ月間で2000件以上の業務報告が登録されました。「名刺は原則取得した当日に、業務報告については1営業日以内に登録すること」を社内ルールとして設け、周知を徹底。現在では社員自身がホットプロファイルを活用することに利便性を感じて、自発的に名刺情報や業務情報を登録するようになったと言います。
「ホットプロファイルの導入により、情報の蓄積と整理、活用が劇的に進みました。また全社の人脈や業務報告を全員が閲覧できることで、社内でいま何が起きているのか誰もがわかり、スピーディーな情報共有や営業推進に繋がっていると感じます。例えば上司と一緒に取引先訪問する際、メンバーは訪問前に先方の情報を資料などにまとめて上司へ提出していたのですが、現在はホットプロファイルの業務報告を見るだけで完了します。スマホからも利用でき、働く場所や時間の制約なく、すぐに必要な情報にアクセスできるようになったと現場から喜ばれています」(今屋氏)
「業務報告に対し、上司や時には経営層からレスポンスがあることが、社員たちの登録のモチベーションにもなっていると感じます」と石川氏。同じ拠点の営業同士のみならず、拠点間の連携にも良い影響が出ているといいます。
「今まで繋がることのなかった拠点や立場の者同士が繋がるケースも起きています。例えば、九州支店の営業担当がホットプロファイルに登録した報告に、東京にいる社長がコメントするということがありました。当社の社長は宮崎出身でして、九州に土地勘があり、アドバイスをされたようです。ホットプロファイルがなければ生まれることのなかった繋がりが各所で生じており、社員たちの心理的距離も近くなったように思います」(今屋氏)
物流業界では社会情勢の変化による燃料費高騰の影響が大きな打撃になっています。さらに「2024年問題」と呼ばれる自動車運転業の労働時間制限に関する法律も2024年4月から施行予定であり、ドライバーの人員不足が物流業界全体の深刻な課題となっています。
「燃料費高騰や荷物を運ぶ車両やドライバーが不足しつつある状況で、運賃の値上げを打診することもあるでしょう。今までは荷主が運送会社を選ぶ時代でしたが、現在はそれが逆転し、運送会社の方が荷主を選ぶ状況になってきています。営業はその変化に柔軟に対応しなければなりません。今後もホットプロファイルを有効活用し、全社員が一丸となって、新たな事業領域の開拓や営業品質の向上、提案力の強化を進めていきます」(今屋氏)
設立 : 1971年3月10日
資本金 : 15億3,210万円(2022年6月1日現在)
業種 : 倉庫業、貨物自動車運送事業、貨物利用運送事業
社員数 : 915名(2022年6月1日現在)
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