Interviewクラボウ(倉敷紡績株式会社)
Date 2025 . 7. 31
クラボウ(倉敷紡績株式会社)は、1888年の創立以来、繊維をはじめとする多彩な分野で事業を展開する総合メーカーです。現在は「化成品」「繊維」「エレクトロニクス」「エンジニアリング」「バイオメディカル」の5つの領域において、社会課題の解決や豊かなくらしに寄与する製品・サービスを提供しています。 クラボウ繊維事業部では、人・社会・地球にやさしい「ヒューマン・フレンドリー発想」を掲げ、快適性や安全性、持続可能性を叶える繊維素材の開発に注力しています。2018年に現場作業のリスク管理支援システム「Smartfit for work(以下、Smartfit)」、2021年には作業姿勢をサポートする着るアシストスーツ「CBW」をリリースするなど、働く現場を支える製品・サービスも展開しています。
目的
課題
効果
Interviewed
小川 敬太 様
岩田 雅隆 様
クラボウ繊維事業部は、同社が企画・製造する糸や生地を、小売りやアパレル企業、商社、問屋などに向けて販売する素材ビジネスを展開しています。その中でユニフォーム部 ユニフォーム課 Working Safety Supportチームでは最終商品・サービスを取り扱っており、繊維・ファッション産業にとどまらず、幅広い分野への営業活動が求められています。新規開拓のため、全国各地の展示会への出展して多くの企業と接点を持つ一方で、展示会後の名刺管理に多大な工数がかかるといいう課題を抱えていました。
「これまでは、展示会後に各担当者が名刺情報をExcelに手入力していました。件数が多い場合は登録に2〜3日かかることもありました。また、お礼メールやアンケート集計も1件ずつ手入力をしていました」(小川氏)
また、営業活動は対面による訪問営業が中心であり、長時間の移動を伴うため、名刺の整理や管理に十分な時間を割けない状況が続いていました。 「当時はWeb会議が一般的でなかったため、アポイントが取れれば大阪から全国各地へ直接訪問していました。1日のうちに移動時間も多く、名刺管理まで手が回らない状況でした」(小川氏)
名刺管理はExcel、ファイリング、机上保管など担当者ごとに方法が異なり、顧客接点が社内で共有されず、情報の散在が顕在化。訪問先でも「誰がいつ訪問したか」が不明なまま対応せざるを得ない場面が多く、営業活動の質にも影響を及ぼしていたといいます。 「週1回の営業会議で口頭共有はしていましたが、それ以外に情報を確認する手段がなく、特に新人や中途入社の社員にとっては顧客情報の把握や引き継ぎに苦労する状態でした」(小川氏)
こうした課題を受け、クラボウでは情報の属人化を防ぎ、効率的に共有できる仕組みの整備が急務と捉えていました。特に複数商材を扱い、部門横断で顧客対応を行う体制においては、営業活動そのものを可視化・標準化できるツールの導入が求められていたのです。
「当時の繊維事業部内には、新商品の販売による新事業推進を担う専門部署がありました。『Smartfit』や『CBW』他の複数商材を扱うにあたり、組織を横断して管理・報告共有できるツールが必要だと考えていました。比較的新しい商材を取り扱うため、既存のお客様とは異なる業界や担当者とやり取りも多く、属人的な情報共有や引き継ぎでは限界がありました」(小川氏)
また、お客様一社に対して複数の営業担当が関わるケースも多く、対応履歴の共有が不十分なまま営業活動が進むリスクもありました。 「一社の中の複数の拠点・工場とやり取りするケースも多く、ご担当者様の所属部署をすぐに確認できず、返答に時間がかかったりと営業の印象にも影響してしまうもどかしさを感じていました」(岩田氏)
展示会のように短期間で数百件のリードが発生する場面では、手入力や個人メモによる管理では対応しきれず、名刺情報を起点に組織ツリーや対応履歴を即座に把握できる体制の必要性が社内で徐々に共有され始めていました。 「誰がいつ、どのような対応をしたのかがわからず、商談のたびにメールを遡ったり、同じ話を繰り返してしまうこともありました。特に展示会のように短期間で多くの接点が生まれる場面では、情報整理が追いつかず共有漏れが発生することもありました」(小川氏)
こうした背景から、蓄積された名刺を"会社資産"として活用することが次なる課題として浮上しました。名刺管理にとどまらず、商談履歴や営業報告、顧客組織の情報を一体的に活用できる"攻めの営業基盤"の構築に向けて、同社は第一歩を踏み出そうとしていました。
クラボウがホットプロファイルに注目した最大の理由は、名刺管理のみにとどまらず、営業現場の実務に即した多機能性を備えていた点にあります。 名刺情報の蓄積だけでなく、顧客の組織ツリーを可視化し、報告管理と連携して履歴を共有できる仕組みは、属人化しがちな営業活動の標準化に大きく貢献すると期待されました。 「実際にトライアルを通じて操作性を確認し、スマートフォンから直感的に入力・確認ができる点が、外出することが多い現場にフィットしていました。展示会で得た名刺もすぐにデータ化でき、報告やアプローチにスムーズにつなげられる点が魅力的でした。また、マップで近隣の顧客が表示されることで、効率的なアポイントにつながると考えていました」(小川氏)
ホットプロファイル導入にあたっては、他社のSaaS型サービスとの比較検討も行われました。その中でホットプロファイルが評価されたのが、導入のしやすさと即時性、そしてセキュリティの柔軟性でした。 「当社ではIP制限やクライアント証明書の対応など、導入にあたり一定レベルのセキュリティを必須要件としていますが、ホットプロファイルは非常に柔軟に対応できることがわかりました」(小川氏)
さらに、価格や機能、サポート体制のバランスが取れていたことに加え、社内の情報システム部からの紹介もあり、安心して導入を進めることができたといいます。
導入においては、まずは事業推進部からスモールスタートで運用を開始。部署単位での導入のため、検討から決定まではスピーディに進んだといいます。
クラボウでは、ホットプロファイルの導入により、名刺情報や商談履歴の検索にかかる時間を約20%削減。営業担当者がアポイントの取得や提案準備など、本来の業務に集中できる環境が整いました。 「以前は名刺や報告書を探すだけで相当な時間を取られていましたが、今ではスマートフォンから即座に情報を確認でき、営業活動のスピードが格段に向上したと実感しています」(小川氏)
外出先でも名刺情報にすぐアクセスできるため、事前に資料を印刷して持ち歩く必要がなくなり、訪問における効率化も実現しました。
ホットプロファイルの報告機能を活用することで、これまで営業会議でしか共有できなかった顧客情報が日常的に可視化され、営業ナレッジの蓄積と活用が進みました。
「導入当初は名刺管理ツールという認識の社員も多く、情報共有ツールとして周知させていく必要がありました。商材ごとに報告フォーマットを用意して週1件以上の報告を促し、習慣化を図りました」(小川氏)
「報告はスマートフォンからも可能なので、移動中の電車内などでも手軽に入力でき、従来のExcelによる週報作成に比べて利便性が大幅に向上しています。また、他のメンバーの報告を確認することで、自分の提案に活かせるヒントを得られるようになりました。会議を設定しなくても情報が共有されることで、営業の再現性と引き継ぎのスムーズさが向上しています」(小川氏)
特に同社が効果を実感しているのが、展示会での活用です。以前は紙のヒアリングシートを使用していましたが、後日手入力やスキャンによって名刺情報と紐づける作業が発生し、膨大な工数が発生していました。 「ホットプロファイルの報告機能を活用して、スマートフォンからその場で簡単なチェックシート形式で登録できるようにしたため、現地対応が非常に楽になりました。名刺との照合も自動化されたので、集計作業も大幅に効率化できました。紙で対応していた時と比べ、現在はスマホ一台で名刺登録から報告まで完結できるので、本当に助かっています」(小川氏)
ホットプロファイルを導入した運用は、現場が抱えていた不便さも解消したといいます。 「展示会ではバインダーとペンを持ち歩いて対応していたのですが、『CBW』の試着対応などもあり、手がふさがる場面も多くあります。スマートフォンならポケットに収納できるので動きやすく見た目もスマートですし、混雑時でも即座に記録できるので、非常に助かっています」(岩田氏)
この運用により、展示会に必要な人員も最適化され、現場対応力が向上。展示会運営全体の質が高まりました。
以前は見積書・注文書・契約台帳などをExcelで管理しており、顧客情報の分散による管理の煩雑さが課題となっていました。 「現在は、ホットプロファイルの名刺情報を起点に、営業活動全体をkintoneで一元管理できる体制を構築しました。アプローチから見積・注文・契約・請求までのプロセスを連携させ、失注理由なども入力してデータベース化しています。複数社のサービスを利用するのではなく、ホットプロファイルという1つのプラットフォームサービスでシームレスに運用できることは大変助かっています」(小川氏)
同チームでは、2025年5月よりマーケティングオートメーション(MA)機能を拡張。ホットプロファイルで蓄積したデータをさらに活用させていく展望です。 「これまでは展示会後のフォローメールでも、それに対する顧客の反応や行動が見えないまま連絡を続けるケースが多く、そのまま休眠化してしまうリードも少なくありませんでした。今後はMA機能で顧客の行動ログを取得することで、閲覧ページや関心領域を把握した上でアプローチを最適化していきたいと考えています。体面による営業活動の効率化だけでなく、自社サイトの導線設計の改善などにより的確なWeb戦略の立案にも活用できると期待しています」(小川氏)
営業報告に記録されたエンドユーザーの声を定量的・定性的に分析することで、ユーザーニーズの傾向を可視化し、技術開発や製品改良の優先順位を判断する材料として活用。ホットプロファイルを中心に、データドリブンな営業体制の構築を目指しています。 「営業報告のデータを活用した品質向上や新機能開発の実績を積み重ね、社内に展開していきたいと考えています。すでに他部署からホットプロファイルの活用について共有を希望する声も届いており、営業活動で得た成果やノウハウを横展開することで、組織としての営業力強化と部門間連携の促進にもつなげていきたいですね」(小川氏)
現場課題に対し、確かなソリューションを提供しているクラボウ。今後はその取り組みを国内にとどめず、海外市場への展開も視野に入れています。 「熱中症や腰痛といった課題は、今や日本だけの問題ではありません。働く環境の安全性や快適性に対するニーズは、海外でも高まりつつあります。今後はグローバルに目を向けながら、働く人すべてを支える製品として成長させていきたいと考えています。お客様のニーズに応えるだけでなく、それを超えていくサービスをご提供していくためにも、ホットプロファイルをデータベースとして活用を進め、事業成長させていきたいです」(小川氏)
創立 : 1888年(明治21年)3月9日
所在地 : 〒541-8581 大阪市中央区久太郎町2-4-31
資本金 : 220億40百万円
業種 : 化成品事業・繊維事業・環境メカトロニクス事業・食品・サービス事業・不動産事業
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