リード管理とは?基礎知識や重要性を理解し顧客に合わせた営業展開を
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リード管理とは?基礎知識や重要性を理解し顧客に合わせた営業展開を
「あなたの会社はリードの意味を理解して、しっかりと管理できていますか?」リード管理について曖昧だったり、不明瞭だったりするまま営業展開を進めた場合、潜在的な顧客層や見込み客を取り逃す結果になりかねません。
見込み客を管理することで利益に繋げていただくためにも、この記事ではリード管理の基礎知識や重要性についてご紹介します。
マーケティング担当者の方は是非最後までお読みください。
そもそもリードとは
まずはリードに関する基礎知識を押さえておきましょう。リードとは
リードとは見込み客のことです。「顧客となる可能性がある層」であり、営業展開やマーケティング施策によって積極的にアプローチを重ね、関係性を構築していく必要があります。
■Demand Waterfallによる分類
リードと一口に言っても、様々な種類があります。
ここではアメリカのシリウス・ディシジョンズ社が提唱したDemand Waterfallモデルを取り上げて解説していきたいと思います。
①Inquiry/問い合わせ
Inquiryとは「問い合わせ」の段階にいるリードです。
自社のWebサイトへ訪問した潜在顧客のうち、製品やサービスに興味を持ち、資料請求やコンテンツダウンロードのために電話番号やメールアドレスなどの個人情報を入力したリードのことを指します。
②MQL
MQL(Marketing Qualified Lead)とは、セミナーや展示会などのマーケティング施策によって獲得したリードです。
Inquiryで獲得した顧客に対して、メルマガやWebコンテンツの提供などを通じてMQL化させることもあります。
③SQL
SQL(Sales Qualified Lead)とは、営業が商談や提案を行う段階にいるリードを指し、獲得方法によって以下の2つに分かれます。
・SGL(Sales Generated Lead)
SGLは営業がTELアポや飛び込み営業などを通じて直接獲得したリードのことです。
・SAL(Sales Accepted Lead)
SALはマーケティング部門が獲得したMQLが、後述するリードナーチャリングによってSQL化したリードのことを指します。
④Close
Closeは商談や提案を終え、実際に発注してもらう段階にいるリードのことです。
リード管理の流れ
リード管理とは
リード管理とはリードに関する情報や現在の関係性をデータ化し、関係者間で適切に共有して、購買や成約にまで繋げる一連の流れのことを指します。リード管理には大きく次の3つの流れがあります。
・リードジェネレーション
・リードナーチャリング
・リードクオリフィケーション
一つずつ詳しく見ていきましょう。
リードジェネレーションとは
リードジェネレーションとはリードを作り出すことを意味します。すなわち見込み客を増やすことです。リードジェネレーションによって、潜在的な顧客層を見込み客に変化させることで、最終的な売上や利益の最初の分母を増やすことが可能です。
見込み客の数は有限です。
つまり同じ市場においては、競合他社と見込み客の奪い合いが生じるということになります。
このような状況の中、見込み顧客に選んでもらうためには、自社の商品やサービスの認知拡大が必須となります。
積極的にリードジェネレーションを行うことで認知を拡大し、選ばれるための土壌を作ることがリード管理における最初の一歩となるのです。
■リードジェネレーションの種類
リードジェネレーションには大きく以下の2種類あります。
①インバウンド型
インバウンド型とは、リードの方から自社にアプローチしてくれるように仕向ける方法です。
WebサイトによるコンテンツマーケティングやSNSによる情報発信などを通じて、リードに興味を抱いてもらい、アプローチを促す流れになります。
インバウンド型のリードジェネレーションは、情報発信をコツコツと繰り返すことで徐々に効果が表れてくる傾向があるため、即効性を求める場合には不向きな施策と言えます。
②アウトバウンド型
アウトバウンド型は、広告やDM、展示会やセミナーなどの手法を展開して、自社から積極的にリードに対してアプローチしていく方法のことです。
先述したインバウンド型のリードジェネレーションに比べ、即効性が高いです。
しかし昨今のインターネットやSNSの普及に伴い、リードが自ら商品やサービスの情報をリサーチできるようになったため、その効果は徐々に減少しつつあります。
リードナーチャリングとは
リードナーチャリングはリードの育成を意味します。リードジェネレーションにより獲得した見込み客に対して、様々な情報提供やコンタクトを繰り返していくことで、漠然とした興味・関心から具体的なニーズへの変化を促していく段階と言えます。
自社の商品やサービスに興味・関心がある、または同業他社の商品と比較検討の段階にある、そういった確度の高い見込み客を確実に売上や利益につなげるためには、見込み客の状態に合わせた適切な情報提供や施策展開が必要となります。
また、興味や関心の度合いは低いけれど、それでもアクションを起こすことで潜在顧客層の購買意欲を掘り起こすことができれば、他社に先駆けて見込み客の囲い込みをすることも可能になるでしょう。
リードクオリフィケーション
リードクオリフィケーションはリードの選別を意味します。リードナーチャリングによって育成を図っている場合でも、リードによっては興味・関心の高まり方やそのスピードは異なります。
そのため育成したリードが商談や成約に本当につながりそうなのかどうかを選別した上で、営業部門に引き継ぐ必要があるのです。
この一連の選別過程をリードクオリフィケーションと呼びます。
具体的にはスコアリングという手法を用いて、選別していくことになります。
■スコアリングとは?
スコアリングは顧客の取った行動やアクションに対して、それぞれ点数をつけて、一定以上の点になったリードを営業部門に引き渡すという手法です。
例えば
・Webサイトの商品紹介ページを見たら5点
・メルマガを開封したら3点
・資料請求したら10点
といったように点数をつける形になります。
リードの各行動を点数化することで、興味・関心の程度を可視化させるわけですね。
どんな行動に対して、どれくらいの点数を振り分けるかについては、企業や業界によって異なります。
そのため自社にとって効果的な指標は何なのかを試行錯誤しつつ分析して、より精度の高いものにブラッシュアップしていく必要があるでしょう。
リード管理の重要性
次にリード管理の重要性についてご説明します。リードごとに効率的・効果的な営業展開ができる
リード管理によって、分析・分類されたリードごとに営業展開を行うことで、効率的に成果を伸ばすことができます。たとえば、既に名刺交換も済んで面識のある見込み客と、単に自社のWebサイトを閲覧しているだけの潜在顧客とでは、取るべきアプローチの手法は自ずと違ってきます。
リードの管理・分類がしっかりできていれば、見込み客の属性や状態、関係性に応じて最適なアプローチを選択して実行することができます。
また、顧客の興味関心の度合いが高い場合に積極的な営業展開をしていなかったり、逆に興味関心の低い潜在的な顧客に積極的な営業展開をしていたりすれば、機会損失だけでなく、リソースの浪費という深刻な問題を内包していることになります。
営業活動も無限にできるわけではないため、限られたリソースを使って効果を最大化する必要があります。
リードの育成は売上に直接的な影響がある
リードに対して様々な情報提供やコンタクトをとって、購買意欲を高めていくことがリードナーチャリングだとお話しました。このリードナーチャリングを実施し、見込み客の状態を適切に把握することができれば、確度の高い見込み客の見極めもしやすくなります。
そうすると、商品の比較検討段階に入っている確度の高いリードを他社に先駆けて把握し、スピード感を持ってアプローチすることも可能になるのです。
その結果、商品の購入や有料サービスの利用というように、売り上げに直結した成果に結びつけることができるようになります。
段階的なアクションによって機会損失を少なくする
リード管理によって分類されたリードごとに段階的なアクションを行うことで、機会損失を少なくすることも可能です。たとえばECサイトであれば、買いたい商品を選んだものの購入にまでは至っていない「カート落ちしたユーザー」に対してアプローチを行い、買いたい商品のことを思い出してもらい、購入を再度促すこともできるでしょう。
その商品に対して全く興味のない相手より、購入の一歩手前まで進んだユーザーの方が、購入に至る確率は圧倒的に高くなります。
確度の高いところへ優先的にアプローチする。
この大原則のもと、限られたリソースを効果的に配して利益を最大化させましょう。
リード管理を導入する際の問題点や課題
続いてリード管理を導入する際の問題点や課題をご紹介します。営業担当や特定の担当が持つ情報が属人化しやすいこと
リード管理では見込み客や顧客に関する情報をどれだけ電子化・データ化できるかが鍵となります。情報の性質や属性によっては特定の担当者に属人化しがちだからです。たとえば
・コールセンターへの問い合わせや会話のメモ
・会話の状況
・営業担当が実際にどのように交渉したか
・誰から名刺をもらい、どんな人だったか
といった情報は、対応者のみが把握しているケースが多いでしょう。
これらの情報は些細なことのようでありながら実は非常に重要である場合も多く、知っているのといないのでは、後を引き継ぐ別の担当者の対応に大きな差が生じます。
リード管理によって、属人化しやすい情報の明文化やデータ化、共有ができることの重要性が非常に高いことがわかります。
リードと意識していない層へのフォロー不足
リードとは、名刺を交換した、会員登録したなど、個々の情報がある程度得られた顧客やユーザーばかりではないことを意識しておく必要があります。リードナーチャリングの観点でいえば、ホームページにアクセスしただけのユーザー、特に重要とも思えない問い合わせや相談メールを送ってきた人に対しても、何らかの効果的なアプローチをすることは可能です。
返信用のメールアドレスしか記載されていない商品のスペックについてのありふれた問い合わせであっても、返答次第ですぐにでも購入しようと待ち構えている確度の高い見込み客である可能性もあるわけです。
その返信が翌日になってしまえば、痺れを切らして同業他社の商品に興味が移ってしまったとしても不思議はありません。
リード管理の盲点として、管理の対象から外れたリードに対するフォロー不足が生じやすいという課題があることを意識しておく必要があるでしょう。
現時点での売上や顧客への甘えや油断
知名度のある企業や組織の中には、「新商品を出せば買ってもらえる、サービスに新しい機能を付ければ喜んでもらえる」という甘い認識をしてしまっているところもあるでしょう。そうした場合、わざわざリードを管理する必要性を感じづらくなるでしょう。手間暇かけてモノを売る仕組みを作らなくても、現状出せば売れるのだから油断も生じます。
熱心なファンに商品を売るのは決して難しくないでしょう。しかしリード管理による新規顧客の開拓を怠っていれば、いずれ後進に足元をすくわれる可能性があることも理解しておくべきでしょう。
効果的にリード管理をするためのポイント
最後に効果的にリード管理をするためのポイントをいくつかご紹介します。リード管理のポイント①:カスタマージャーニーを洗い出す
リードを効果的に管理する上で、カスタマージャーニーの洗い出しは有効になります。カスタマージャーニーとは、リードが自社や自社の商品・サービスを認知するところから、実際に購入・課金するまでにたどる道筋を指します。
その道筋を「認知⇒興味関心⇒情報収集⇒比較検討⇒購買」といったように、何段階かに分けることで、各段階におけるリードの感情や悩み、ニーズなどを分析することができます。
そうすることで、リードジェネレーションからナーチャリング、クオリフィケーションといったリード管理の流れにおける適切な施策展開や、施策間の繋がりなどを構築することができるようになるのです。
リード管理のポイント②:MAツールを導入する
MAツールを導入することも、リード管理の効率化の一助になります。MAツールを用いることで、Webサイトの閲覧時間や良くみられるページ、メルマガ開封率やURLのクリック数などを把握することができます。
そのためリードクオリフィケーションにおけるスコアリングを行う際には欠かせないツールと言えるでしょう。
またメルマガ配信や顧客の分類、広告キャンペーンの運用を支援する機能を搭載しているものも多く、これらの機能を活用すればリードジェネレーションからナーチャリング段階のリード管理も効率的に運用することができます。
まとめ:リードを増やすだけの営業を卒業しよう
今回はリード管理の基礎知識や重要性についてご説明しました。リード管理を意識しないことで、本来であれば顧客となり売上や利益につながるはずだった機会を損失する可能性が高くなります。
自社の商品やサービスを知ってもらうだけでなく、買ってもらうこと、利用してもらうことを強化することで、結果として利益や売上の増加につながります。
リード管理を意識し、顧客やユーザーとの関係性や段階に応じて適切で効果的な営業展開を進めてみてください。
もし、「リード管理を導入したい」とお考えであれば、当社が提供する「ホットプロファイル」のご利用をおすすめします。
名刺管理を通じて属人化しがちな営業の持つ情報の一元管理や共有が可能となります。
また、MAを駆使した営業支援にも定評があり、多くの導入企業様で成果を上げております。ご興味があればお気軽にご相談、お問い合わせください。