PDCAとは?効果を高めるポイントや実行のコツをご紹介
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「PDCAを導入しているものの効果が出ない」
日本の営業現場ではよく用いられているPDCAですが、効果的に導入できているかどうかはバラつきがあるようです。
そこで今回は、PDCAを有効に活用するためのポイントや、確実に実行するために押さえておきたいコツなどをお伝えしていきます。
冒頭のようなお悩みをお持ちの方は是非ご一読ください。
PDCAとは
はじめにPDCAに関する基本的な知識をお話していきます。
PDCAの概要
PDCAとは、Plan/計画、Do/実行、Check/評価、Act/改善の頭文字をとったものです。
PDCAの流れは以下のようになります。
・Plan:まずは行動計画を立てる
・Do:立てた計画に基づいて業務を実行する
・Check:実行の結果を評価する
・Act:必要に応じて改善を加える
・Plan2:改善案をもとに新たな計画を立てる
・以下繰り返し
このようにPDCAを一巡した後、また新たなPDCAへとどんどん循環していくことを指して、PDCAサイクルとも呼ばれています。
1950年8月にアメリカの統計学者であるW・エドワーズ・デミング博士が日本科学技術連盟(以下、日科技連)に招かれて行なった講義に端を発し、その講義を受講していた日科技連のメンバーが提唱したとされています。
日本におけるPDCA
PDCAの考え方は営業の現場でとてもなじみが深いですよね。
営業メンバーは売上計画や新規クライアントの開拓計画などを持つことが大半で、その計画に対してコミットする必要があります。
そのため各営業プロセスにおけるタスクの洗い出しや仮説検証のための手法として、活用されているのです。
また国際的な品質管理基準であるISO9001、ISO14001にも取り入れられており、品質管理の現場でも同じく取り入れられています。
営業現場でのPDCAについては、以下の記事も併せてチェックしてみてください。
【営業におけるPDCA活用のススメ】具体例やポイントを併せて解説
PDCAのメリット
続いてPDCAを活用することのメリットを確認しておきましょう。
PDCAには主に以下の4つのメリットがあります。
メリット①:目標とタスクが明確になる
PDCAを定めることで目標とタスクが明確になります。
目標が明確化されていなければ、具体的なアクションやタスクを立てることが難しく、「何をすればいいのかわからない」といった事態にもなりかねません。
そうなるとモチベーションを維持するのも難しく、結局何も達成できずに終わってしまうケースも出てくるでしょう。
その点PDCAでは具体的な計画を立て、それに基づき行動していくという流れを取るため、「自分がどこに向かっていて、何をすべきなのか」をはっきりと把握することができ、モチベーションも維持しやすくなります。
メリット②:課題を発見し、解決できる
PDCAは課題の発見にも役立ちます。
プランを実行し効果を検証すると、良かった部分と悪かった部分が必ず出てくるものです。
この悪かった部分を客観的に分析することで、課題を発見することができます。
その課題を解決するための改善案を、新たなプランに組み込み実行することで、また新たな課題を発見するという流れが生まれるのです。
こうしたサイクルを繰り返すことで、目標と現実のギャップである課題をどんどん減らしていくことができるでしょう。
メリット③:無駄な動きをせず、タスク実行に集中できる
明確な目標やタスクがなければ、目標とはあまり関係のない作業に取り組んでしまったり、何をすればいいのかと考えてしまったりと、どうしても無駄が生じてしまいます。
その点PDCAでは、プランに沿った行動を含めて計画を立てます。
そのため余計なタスクに取り組むリスクや、答えの出ない思案に割く時間を減らし、タスクの実行に集中することができます。
メリット④:確実な改善に繋がる
PDCAは一つの行動を試して評価し、良かったところと悪かったところを客観的に分析することで、「じゃあ次はこうしてみよう」といったように改善するための仮説を構築していくことになります。
そのためPDCAが一巡すれば、必ず改善案が示されることになります。
つまりPDCAサイクルを積み重ねることで、確実に改善に繋げていくことができるのです。
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PDCAにおける問題点
ここまで読むとPDCAにはメリットしかないように思いがちですが、実は問題点もあるのです。
主な問題点を取り上げてみましょう。
問題点①:過去のプランがベースになる
PDCAは最初に立てたプランに基づいて行動して効果を検証し、それを基にまた新たなプランを立てるといった流れを取るため、新しいプランの発想の原点は、あくまで「過去のプラン」になります。
そうなると過去のプランの質によっては、精度の高いプランにたどり着くまで、かなりのPDCAをこなす必要があり、結果が伴うまで時間がかかってしまうケースも出てくるでしょう。
そのため時には過去のプランにだけ固執するのではなく、様々な視点を取り入れる柔軟な姿勢が求められるのです。
問題点②:設定が曖昧になりがち
PDCAにおける各設定が曖昧になってしまうことが多いことも問題でしょう。
目標を達成するために何をするのかを明確にするはずが、「目標自体が曖昧になってしまう、タスク設定も具体的なアクションまで落とし込めていない」といったことはよく起こります。
PDCAを意味あるものにするためにも、各設定を明確にする必要があるのです。
問題点③:PDCAを回すこと自体が目的になってしまう
PDCAは本来目標を達成するための手段です。
しかしPDCAを回すこと自体が目的と化してしまうケースも散見されます。
PDCAを回すことに終始してしまい、その過程から何も学び取らなければ本末転倒です。
そのため目標達成に至るまでの計画遂行や、計画の改善に繋げるという本来の目的をしっかりと踏まえた上で取り組むことが大切であると覚えておきましょう。
PDCAの効果を高めるための4つのポイント
PDCAの問題点を把握できたところで、実際に運用する上で効果を高めるポイントをご紹介していきます。
効果を高めるポイント①:目標は必ず定量的な数値まで落とし込む
PDCAでは評価して改善することが重要になります。
そのため評価をわかりやすくするため、目標は必ず定量的な数値まで落とし込みましょう。
数値まで落とし込めていないと評価を正しく行えず、改善案を立てることもできないので注意してください。
効果を高めるポイント②:現実的な計画を立てる
目標は達成できて初めて意味を成します。
現実的でない計画を立ててしまえば机上の空論となり、実際の行動にも落とし込めません。
そのため達成することが可能な範囲で目標を立てることがポイントになるわけです。
とはいえ甘すぎる目標も意味がありませんので、バランスが重要でしょう。
効果を高めるポイント③:立てた計画は必ずやり遂げる
立てた計画を実行しなければ、結果も分かりませんし、評価もできません。
そうすると改善計画を立てることもできなくなってしまいます。
そのためPDCAでは立てた計画は必ず最後までやり遂げましょう。
また計画に基づいて実行したそれぞれのタスクの結果は、細かくデータとして記録しておくことも重要です。
効果を高めるポイント④:定期的な振り返りを実施する
PDCAは一つのサイクルを回すごとに検証プロセスを踏みますが、それだけでは十分ではありません。
一つのサイクル内でも定期的に振り返る機会を設けることで、進捗度の確認や行動の修正が可能になります。
少なくとも週に一度はPDCAを振り返る時間を設けることをオススメします。
PDCAの実行を確実にするためのコツ
次にPDCAの実行を確実にするためのコツを押さえておきましょう。
コツ①:個人だけではなくチームで共有する
PDCAは個人レベルで設定することが多いですが、各メンバーのPDCAをチーム全体で共有しておくことが望ましいです。
それぞれのPDCAを把握しておくことで、互いにフォローしあったり、自分にはない視点で気付きを与えてくれたりと、全体としてプラスに働きます。
また抜けや漏れのチェック機能として相互に監視できるという利点もあります。
是非チームで積極的に共有し、PDCAを確実に実行していきましょう。
コツ②:タスクをしっかりと管理する
計画のために必要なタスクをしっかりと管理することも押さえておきたいコツです。
タスクそれぞれの進捗具合や期日などを把握し、優先度を明確にすることはPDCAを確実に実行する一助になります。
タスクをリストアップして可視化しておくなどの対応をして、しっかりと管理しましょう。
OODAとは
最後に、PDCAと同じくビジネスを改善していくために活用できるOODAも併せて押さえておきましょう。
OODA(ウーダ)とは
OODAとはアメリカ空軍のパイロットが提唱したメソッドと言われています。
OODAは以下の4つの言葉の頭文字を合わせたものです。
・Observe:観察
・Orient:状況判断
・Decide:意思決定
・Act:行動
まず市場や顧客をよく観察し(Observe)、観察結果を基に状況を判断する(Orient)。
その上で、具体的な方向性やアクションプランを定め(Decide)、実際に実行していく(Act)。
この一連の流れがOODAです。
PDCAと同じく「いったん実行(Act)した後、その結果をさらに観察(Observe)して...」という風に繰り返していくことから、OODAループとも呼ばれています。
OODAとPDCAの違い
OODAとPDCAは、先に説明したように「アクションを実行して、徐々に改善していく」という活用の目的は共通しています。
しかしPDCAがPlan、つまり計画を立てることを起点にスタートしていくのに対して、OODAではObserve/観察からスタートします。
PDCAでは先のポイントでも触れた通り、事前に立てた計画をやり遂げることを重視することから、どうしても柔軟な対応ができないケースがあります。
その点OODAは観察した内容を基に素早く行動に移るという特性から、状況変化に対しても柔軟に対応することができるのです。
OODAのメリット
OODAには以下のようなメリットがあります。
・メリット①:素早く対応ができる
OODAは実際の状況に照らし、素早く判断・行動していくため、様々なケースに対して素早く対応ができます。
・メリット②:臨機応変な対応ができる
PDCAとは異なり、行動中に状況が変わっても、それを基に行動を変化させるなど臨機応変な対応も可能です。
OODAとPDCA、それぞれの有用なケース
それぞれの特徴を踏まえると、OODAとPDCAは以下のようなケースにおいて有用と言えます。
・OODA:短期的な視点で、迅速な判断や行動が求められるケース
・PDCA:中長期的な視点で、腰を据えて取り組むケース
特徴と有用なケースを把握した上で、使い分けると良いでしょう。
まとめ
PDCAはサイクルを確実に実行し、次のサイクルに繋げることが重要です。
PDCAを確実に実行するためのコツとしてお伝えした2点は、当社の提供する営業支援システム「ホットプロファイル」のSFA機能を用いることで実現できます。
タスク管理やプロセスの可視化による共有など、PDCA実行にとって役立つ機能が揃っていますので、PDCAの運用でお悩みの方は一度お気軽にご相談ください。
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