BtoBマーケティング&セールス成功への勘所
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BtoBマーケティング&セールス成功への勘所
~分断された施策をつなぐ3つの解~
BtoBマーケティングやセールスを支援するソリューションは、名刺管理、SFA、マーケティングオートメーション(MA)など、さまざまな形で登場し、広がりを見せています。しかしその一方で、ソリューション導入をしたものの、マーケティング&セールスの各場面で多くの課題が浮き彫りになってしまう現状があるようです。
残念ながら、一見便利に見えるソリューションを単純に導入するだけでは、マーケティング&セールスの課題の多くは、解決に導くことは難しいものです。そこで今回は、企業が陥りやすいセールス・マーケティングにおける重要かつ代表的な課題を取り上げ、課題を解決に導くヒントをご紹介します。
解1:セールスとマーケティングの連携を強化せよ
マーケティングとは、既存のビジネスをベースにして新たなビジネスチャンスを発見し、開拓するための機会を育てる業務です。そう一言で説明されても、「だとしたら不要な業務なのでは」と考えてしまう熟練の営業担当者も少なくないかもしれません。
なぜならば、かつて日本国内で主流だった営業手法は、実のところ営業側がマーケティング的な業務も担ったうえで営業を行う手法だったためです。
たとえばどの顧客へアプローチするかというような、いわば「この顧客にはこの製品がフィットするのではないか」というような販売戦略も、営業側が経験則に基づいて取捨選択を行っていたケースが多くを占めていたためです。さらにいえば、契約を取るために必要だと考えうる資料の選択から、さらにはセールストークまで、営業自身で考え、対応していたことでしょう。
つまり、腕のある営業であればあるほど、マーケティング業務が独立していることに疑問を感じている可能性が高いともいえます。
しかし、これら従来の営業手法は属人性が高いうえ、日本国内などエリアが限られた範囲のみ、力を発揮しやすいものでした。しかし現実的な問題として、だれもが優れた営業担当になれるわけではありません。しかもビジネスのスピードも増し、グローバル化が進んだ今、一営業担当だけですべてをさばききれる規模のビジネスでは、すでに追い付くことはできなくなっているという現状もあります。
そこで、自社サービスや製品のブランディングから、営業を見越した形でマーケティング戦略を体系的に考え、実際の結果に基づいて新たなビジネスの土壌をつくりだしていくというマーケティング業務と、直接顧客と対応する営業という業務をひとつながりにしていくことが、これからよりビジネスを展開させるためには必要不可欠のものとなったのです。
つまり、いくら優れていると評価されているMAを導入しても、営業の協力がなければ正確な分析は行えないということです。自社ならではのサービスや製品の価値を顧客に理解していただき、必要なものだと感じてもらい、適切なタイミングで営業を行うための分析を行うわけです。そのために過去の実績や製品に興味を持っていただいた顧客のリストは必須です。そして、そのデータを収集するためには、営業の協力が必要不可欠なのです。
しかし、ただ営業が情報を提供すれば、適切なマーケティングができるというわけでもないところが難しいところです。情報提供といった物理的な連携だけでなく、営業・マーケティングの両部門で、共通の目的意識がなければ、抽出されたリードは的外れなものとなり、適切なマーケティング&セールスを行うことはむずかしいでしょう。
そのためにも、営業の責任者とマーケティングの責任者が各自の役割分担を明確にし、実務上ではもちろんのこと、認識的な部分まで連携してゆくことが必要となります。
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解2: 自社に使えるMAツールを選択せよ
現在、世界中から数多くのMAツールが登場しています。その取捨選択を失敗すると、「せっかくMAを導入したのに使わなくなってしまった」という事態に陥りがちです。その理由は主に2つあります。
ひとつめは、営業とマーケティングの各部署の連携が行われていないケースです。解1でも解説を行いましたが、マーケティング&セールスの成功は、両部署の連携にかかっています。つまり、MAツールを導入する際は、あらかじめなぜMAツールが必要なのかという点を、営業とマーケティングの両部署ですり合わせを行い、共通の目的意識を浸透させておく必要があるのです。
ふたつめは、MAツールが多機能すぎたり、ユーザーインターフェースが複雑で単純に使いづらかったりする点にあります。営業とマーケティングの連携が取れた上でMAツールを導入したはずなのに、塩漬け化してしまったケースの多くは、これに該当します。
たとえば営業報告などルーティン的な業務ですら複雑な操作が必要となる使いづらいツールであれば、それだけで手間がかかってしまいます。迅速かつ的確なマーケティングを行うためにMAツールを導入しても、これでは仕事が増えるばかりで意味がありません。業務効率が大幅に下がるため、元の個々がやりやすい管理方法に戻ろうとしてしまうものです。
MAツールを導入する際は、導入する目的を共通意識として共有し、かつ社員のITリテラシーに適したツールを選択することが重要事項のひとつとなります。だれでも一目で操作方法がわかるような、シンプルなツールを選択する必要があります。場合によっては、目的外の機能は使わないと割り切り、利用する機能を絞ることも検討してもよいでしょう。
解3: マーケティングプロセスを一元化せよ
前述したとおり、営業とマーケティングは連携しなければ適切なマーケティングを行うことはできません。しかし、BtoBのマーケティング&セールスを支援するツールは、名刺管理、SFA、MAとそれぞれ独立した形で提供されているものが多くあります。そのため、それぞれがすぐれたソリューションでも、それぞれのソリューションからデータを取り出し、移行させる作業が発生します。これに伴い、場合によってはマーケティングに必要な情報が不足してしまう、情報を連携させるために移行の手間が毎回かかる、優良見込み客発掘を行ってもその成果が可視化しづらいという事態が起こりがちです。
営業業務の効率化を狙ったツールであれば、名刺管理とSFAを連携させて利用できるアプリケーションは数多く登場しつつあります。しかしそれだけでは、営業業務とマーケティング業務は分断されたままとなってしまうため、マーケティングだけ自動化しても意味がないともいえるでしょう。
業務効率化と適切なマーケティングを両立させるためには、名刺管理からSFAはもちろんのこと、MAまで適切に連携できるソリューションの選択する必要があります。BtoBマーケティングプロセスの一元化が実現できていれば、名刺情報という基礎情報収集からWebトラッキングを活用した優良見込み客の発掘はもちろんのこと、ホットリードへの素早いアクションとその結果まで、マーケティング&セールスの全工程で、互いに連携し、可視化することができるのです。
まとめ
BtoBのマーケティング&セールスを支援するアプリケーションが次々と登場する中、うまく使いこなせない、業務に浸透しないというケースは多々あります。その多くの原因は、業務プロセスの分断にあります。各業務の必要性や目的意識はもちろんのこと、アプリケーションそのものの業務プロセスを連動させることで、営業とマーケティングが上手くいかないという課題のほとんどを解決に導くことができます。