名刺管理システムの導入検討時に押さえておきたいポイント
- INDEX
-
もっと知りたい! 営業の成約率を高める"お役立ち情報" はコチラ >>
名刺管理システムの導入検討時に押さえておきたいポイント
さまざまなビジネスシーンで名刺交換が行われることにより、毎日のように企業内の誰かが名刺を入手しています。これらの名刺は企業にとって貴重な資産です。
そのため、名刺の管理を個人任せにせずに、企業としてデータ化して一元管理したい、というニーズは高まっています。
しかし名刺管理システムを導入しても、システムの運用を阻む課題が出てくることがあります。
そこで今回は名刺管理システムの基本的な機能や導入するメリットを踏まえた上で、押さえておくべき課題やポイントについて紹介します。
名刺管理システムの基本的な機能
まずは名刺管理システムの基本的な機能にはどのようなものがあるのかを、おさらいしておきましょう。
基本機能①:名刺情報の取り込み機能
一つ目の基本機能として挙げられるのが、名刺情報の取り込み機能です。
多くの名刺管理システムでは専用のスキャナーやスマホアプリ、もしくはシステムベンダーのオペレーターによって名刺情報のデータ化を実施し、データ化された名刺情報をシステム内に取り込む形になります。
基本機能②:重複チェック・名寄せ機能
二つ目は重複チェックと名寄せ機能です。
営業活動をしていると同一人物の名刺を保有していることも往々にしてあります。
名刺管理システムではそういった同一人物の重複チェックを行い、自動的に名寄せする機能を持っているため、常に最新の情報を参照することができるのです。
基本機能③:名刺情報の検索機能
登録した名刺情報を検索する機能も代表的な機能です。
企業名や役職、地域など、様々な属性を基にした検索が可能となっています。
マルチデバイス対応のシステムであれば、場所を問わずに検索することができるでしょう。
名刺管理システム導入のメリット
続いて名刺管理システムを導入することで得られるメリットについてもお話しておきます。
メリット①:名刺情報の検索スピードが上がる
一つ目のメリットは名刺情報の検索スピードが上がるという点です。
名刺を名刺ホルダーやボックスなどで管理していて、「必要な名刺がなかなか見つからなくて困った」というような体験をされた方も多いでしょう。
その点名刺管理システムを導入することで、必要な名刺情報に素早くアクセスできます。
同じ企業や部署に所属する担当者の名刺情報などを、すぐに参照できるという点でも効率的です。
メリット②:関連情報を紐づけることができる
名刺情報に紐づく関連情報も併せて管理できるという点が、営業活動の効率化に繋がります。
名刺交換を行った際の詳しい商談内容や顧客が抱えている悩み、話の掴みに使えそうな趣味の話題などの情報も名刺と紐づけて管理することで、営業活動をより精度の高いレベルにすることができます。
名刺管理システムを導入せずに名刺管理をしていると、多くの場合企業名や部署名、担当者名などといった名刺に記載されている情報しか参照できないことを考えると、大きなメリットであると言えるでしょう。
メリット③:紛失や流出を防ぐことができる
続いてのメリットは紛失や流出を防ぐことができるという点です。
個々人で名刺を管理していた場合、その担当者の転職や退職時に名刺をそのまま持って行かれてしまったり、紛失してしまったりするリスクが付きまといます。
名刺管理システムを導入していれば、名刺情報の紛失を防ぐことは勿論、データベースに登録した名刺原紙は部門で管理するなどの対策を取ることで、流出も防止することができます。
メリット④:社内での共有や連携が簡単にできる
社内での共有や連携が簡単になるという点も大きなメリットでしょう。
営業担当者が個人で、かつ紙のまま名刺を管理している場合、誰がどのような顧客資産を持っているのか、自社内で顧客側のキーマンと人脈を持っている人はいないか、といった情報を得ることは難しいと言えます。
その点名刺管理システムを導入すれば、部門内や全社でどんな顧客資産があるのかをすぐさま共有することができる上、人脈を可視化することも可能となり、営業効率も向上させることができるでしょう。
メリット⑤:どこにいても参照できる
またどこにいても名刺情報にアクセスできるという点も見逃せない点です。
ほとんどの名刺管理システムはマルチデバイス対応を取っており、デスクトップPCやノートPC、スマホやタブレットなど、様々なデバイスでアクセスすることができます。
そのため外出先は勿論、移動中に必要な名刺情報を確認することもできるので、効率よく営業活動を進めることができるのです。
メリット⑥:データ化の工数を最小化できる
データ化の工数を最小化できるという点も大きなメリットと言えます。
名刺情報をエクセルなどで管理しようとした場合、どうしても入力の工数がかかってしまいます。
その点、名刺管理システムであれば専用スキャナーやアプリ、オペレーターによって簡単にデータ化することができるため、他のコア業務に時間を割くことができるでしょう。
名刺管理システムのデメリットは
名刺管理システムのデメリットと言えば、導入にかかるコストです。
初期費用に加えて、ユーザー数に応じたアカウント費用が掛かる方式のものが大半であるため、使う人数が多ければ多いほど、コストはかかってくると言えます。
とはいえ名刺管理システムを導入することで得られるメリットや、実現できる営業の効率化などの効果を踏まえると、事業発展にとって欠かせない投資とも考えられるでしょう。
名刺管理システムの課題
先述のとおり導入にあたってメリットが多い名刺管理システムですが、システムによっては課題を抱えているものもあります。
ここからは名刺管理システムの抱える課題についてお話していきます。
課題①:スキャンした名刺データの読み取り精度が低い
一つ目の課題はスキャンした名刺データの読み取り精度の低さです。
名刺管理を行うための最初のハードルは名刺をどのようにデータ化するかです。
名刺のデータ化自体は、名刺管理システムの多くに搭載されているスキャン機能を利用することで簡単に実現することができ、手間も大幅に削減できると言えます。
しかし、名刺管理システムがデータ読み取りに採用しているOCR(光学文字認識)には限界があります。
仮に90%以上の精度と謳っている製品であったとしても、残り数%が不正確であれば、日々の営業活動で得る膨大な名刺のデータ化に掛かる手直しの工数は計り知れません。
「かなりの頻度で自社の作業員が修正しなければならない」
「膨大な数の人が登録・更新しないと効果的に機能しない」
「結局、手間が軽減されなかった」
といった多くの懸念すべき事態が発生することが考えられます。
こうしたことが、名刺データ化のハードルを上げているのです。
課題②:自社にとって適した名刺管理システムが導入されていない
名刺管理システムの導入に際して、自社にとって適した機能を持った名刺管理システムが導入されない場合があるという点も課題として挙げられます。
不必要な機能による操作性の悪さは名刺管理システムの定着化を妨げ、結果として発生する費用対効果の悪さが経営上の負担になりかねません。
たとえば、高機能であったとしても「細か過ぎる顧客情報の入力にかえって手間がかかる」、「使いこなせないのに高額な利用料を払っている」などの事態になる可能性はあるのです。
したがって、名刺管理システムを導入する際は、各システムの機能やサービス内容の違いに注目することが重要です。
具体的には自社の名刺管理の目的や実際に利用する現場の意向を加味したうえで、
・自社にとって必要な機能
・名刺情報の登録方法
・費用体系
・自社システムとの連携可否
・クラウド型(Web上のサーバーを活用するシステム)か、オンプレミス型(自社サーバーに配置するシステム)か
といった点を確認して、判断していく必要があるでしょう。
課題③:名刺情報を集約しただけで営業戦略的に活用されていない
最後の課題は、名刺管理システムを導入しても名刺情報をただ単に共有するだけに留まってしまうという点です。
企業によっては、名刺情報がデータ化され共有化できる状態になっただけで満足してしまい、営業戦略的に活かされていないということがあります。
しかし名刺情報はその他の営業データなどと組み合わせることで、営業戦略を立案する上で非常に強力な武器になるのです。
名刺管理システムを導入して名刺管理を効率化できただけで満足することなく、「集約した名刺情報を、どのように営業戦略に活かしていくか」ということを、しっかりと考えて営業活動を展開していく必要があるでしょう。
名刺管理システム導入のポイント
次にここまで触れてきた課題を踏まえて、名刺管理システムを導入する際のポイントをご紹介します。
ポイント①:オペレーターによるチェック・手入力があるか
先の課題のところで、OCR機能によるデータ読み取りの精度には限界があると述べましたが、その点をカバーするために、オペレーターによるチェックと手入力による修正を導入している名刺管理システムがあります。
このオペレーターによるチェックと手入力による修正が組み込まれている名刺管理システムを選択することで、データ読み取り精度における課題をクリアすることができます。
具体的には、オペレーターが目視によってOCRの誤認識を手入力により修正し、データ化の精度をほぼ100%に維持することができる名刺管理システムです。
こうして正確に登録されたデータは、クラウドの顧客データベースに反映されます。
モバイル端末とクラウドを連携することは、会社として継続的にデータを管理・共有するうえで重要な要素となります。こうすることで正確な顧客情報が構築され、業務を効率化することが可能になるのです。
したがって、名刺管理システム導入前には、第一に名刺データの入力における問題を想定しておくことが肝要です。
そのうえで、オペレーターにより高い精度でデータ化を実現しているサービスである旨を確認しておくことが大切になります。
ポイント②:セキュリティの強さ
大事な顧客情報を管理することになる名刺管理システムは、セキュリティが強いことに越したことはありませんが、セキュリティ面を考慮した際に、「クラウド型よりもオンプレミス型の方が安心なのでは」と考える方も多いでしょう。
クラウド型はWeb上のサーバーを活用するため、クラッキングの対象となりやすいように思いますよね。
しかし、実際クラウド型システムを提供する会社は定期的にメンテナンスやアップデートをかけているので、非常に高いセキュリティ環境を実現していることも多いのです。
むしろ手間やコストが掛かることから、どうしてもメンテナンスやアップデートが滞りがちなオンプレミス型のシステムの方がリスクは高いと言えます。
またスマートフォンを中心としたモバイル端末での利用に対応するために、クラウド型システムを選択する企業が増えているという状況も踏まえて、選択すると良いでしょう。
ポイント③:名刺情報の登録の手軽さ
名刺情報の登録の手軽さも、名刺管理システムの活用を定着させるためには重要なポイントです。
名刺登録に手間がかかるようではせっかく入手した名刺がデータベースに反映されなくなるためです。
名刺情報の手軽な登録を実現するには、専用スキャナーで名刺情報をスキャンするだけのタイプか、外出先でも専用アプリを通してスマートフォンから撮影することによりデータを取り込めるタイプを選ぶべきでしょう。
そしてこれらの運用タイプや機能・サービスと自社の目的とを照らし合わせ、 導入時や運用時のコストを踏まえて総合的に判断することが重要になります。
つまり自社の名刺管理の目的から、運用のしやすさや使いやすさ、正確さなどを総合的に理解し、自社の事業規模等に対して適正なコストであるかどうかを判断する必要があるのです。
ポイント④:営業支援機能があるものを選ぶ
営業支援機能があるものを選ぶという点も重要なポイントになります。
先の課題でお話した通り、せっかく名刺管理システムを導入したのに、名刺管理だけで終わってしまうのは非常に勿体ないです。
以下のような機能を持った名刺管理システムを選べば、より一層営業活動を効率化できるでしょう。
■組織ツリー
登録された名刺情報から顧客企業内の組織ツリーを生成する機能を持つ名刺管理システムを利用すれば、名刺交換をした相手が、企業内でどのような立場にあるかということや、自社の社員との関連性を可視化できます。
このことで、誰の人脈を活用してどの担当者にアプローチすべきかといった、営業戦略的な名刺管理システムの活用が可能になります。
■リスト化した「名刺」データを使ってメールを送信できる機能
過去の名刺を取り込めば、見込み客リストの完成です。
あとは「ご無沙汰しております、〇〇です。・・・」と一度メールを作成するだけで、数多くの見込み顧客に向けてメールを一斉に送ることが可能になります。
新型コロナウイルス感染症によりBtoBビジネスでの見込み客獲得施策が減る中、すでにコンタクトしている履歴のある方へ新たな商品を提案できるチャンスを作り出すことができるでしょう。
■最新ニュースやコンタクト履歴、Webから取得したデータを名刺に紐付ける機能
注目すべき名刺管理システムの機能に、登録されている顧客に関係性が高い情報をインターネット上から自動的に取得する機能があります。
具体的には、登録された顧客に関係する人事情報をインターネット上から取得して表示したり、関連ニュースを表示したりすることで営業戦略を検討できる機能です。
また、企業属性や販売データ、メールマガジンやWebページのトラッキングデータなどを名刺データと連結することにより、勘や経験に頼らない、より科学的かつ合理的な精度の高い戦略的な営業へと変革することが可能になります。
名刺管理システムの導入効果を最大化するためのポイント
最後に名刺管理システムの導入効果を最大化するためのポイントも併せてご紹介しておきましょう。
ポイント①:取り込みとメンテナンスを徹底する
一つ目のポイントは名刺情報の取り込みとメンテナンスを徹底するという点です。
いくら優れた機能を持った名刺管理システムを導入したとしても、そもそもの名刺情報が蓄積されなければ、営業活動に役立てることはできません。
また一度取り込んだ名刺情報を更新せずにいれば、結局いざというときに連絡が繋がらないなどの事態に陥りかねません。
そのため名刺管理システムの導入効果を最大化し、営業効率を高めるには、名刺情報の取り込みと情報のメンテナンスを徹底する必要があるのです。
名刺管理システムへの取り込みとメンテナンスを含めた新たな業務プロセスやルールの策定を実施し、現場での浸透を図ることがポイントになるでしょう。
ポイント②:他システムとの連携
もしすでにCRMやSFAなどを導入しているのであれば、それらのシステムと連携させることも効果を最大化させる上でポイントになります。
これらのシステムと連携させることで、顧客情報の獲得から、商談や提案内容といったアプローチの履歴、購買してくれた顧客へのフォロー内容などの顧客情報を一元管理することが可能です。
そのため見込み顧客から購買に至るまでのプロセスを最適化させることができ、営業活動の効率化は勿論のこと、成果の向上にまでしっかりと結び付けることができるのです。
まとめ
名刺管理システム導入はメリットに注目されがちですが、見逃してはいけない課題も存在します。
これらの課題をシステム導入前に把握し、自社にとって適切なシステムを選ぶことで、初めて現場での有効活用が可能になります。
自社に適した機能と使い勝手の良さを備えた名刺管理システムを選択することで、戦略的に名刺情報を活用し、売上向上を実現しましょう。