コンサル不要!無理なく成果を上げるマーケティングオートメーション選び
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コンサル不要!
無理なく成果を上げるマーケティングオートメーション選び
~導入・運用のコツ~
優良見込み客の発掘を行いたい、Webトラッキングを実現してデジタルマーケティングを行いたいなど、マーケティングオートメーション(MA)導入に関して企業が抱く希望は数多くあることでしょう。
MAの導入において効果を感じている企業はあるものの、MA導入済み企業ではマーケティング予算が大きく、かつマーケティング担当者複数で担当している企業が多い事実も伺えます。
しかし、多くの中堅・中小企業では、マーケティングの専任担当者がいないというケースも少なくありません。そのような中、効果を実感できるMAを導入するためにはどのようなポイントに気をつければよいのでしょうか。
ここでは、MA導入と運用の勘所を紹介します。
そもそもMAが果たす目的とは
導入効果があったと考える企業がある一方で、多くの企業において導入効果が見えないと考えられている現実があります。それはなぜでしょうか。
実際、多様化する顧客ニーズと、迫りくるグローバル化の波を乗り切るため、多くの中堅・中小企業がMAを導入する際、「マーケティングのオートメーション化」を期待しています。営業精度や生産性の向上、そしてマーケティング業務の高度化やこれに要するリソース不足などの課題を抱えているためです。
確かにMAは、顧客に対してマーケティングアプローチを実行し、営業担当者がアプローチすべきタイミングのホットリードを発掘するまでのプロセスを自動化するシステムです。しかし実際のところ、自動化する前段階として見込み客データベースの充実が必要ですし、最終的なリードのターゲティングをはじめ、ビジネスの戦略を練り、実行するのは「人」になります。
つまり、どれほど高機能なMAを導入したとしても、ベースとなる見込み客データベースを作り込めなかったり、マーケティング部門と営業部門の連携が取れず意識のずれが起きていたりすれば、営業活動に貢献できるような優良見込み客の発掘もできなくなってしまうのです。
MA導入にまつわる課題
前述したとおり、MAは、「これさえ導入すればマーケティングにまつわるすべての業務を自動化できて売上が増加する」というような魔法のツールではありません。
多くのMAが実現できるのは、見込み客を集めるリードジェネレーション、見込み客を選別するリードスコアリング、そして見込み客を育てるリードナーチャリングの3つです。つまり「戦略に基づいた最終目的に近づくためのサポート」を行うソリューションなのです。
MAは、データベースをもとに分析したり、ログを残して成果を共有したりすることには長けています。しかし発掘されたホットリードを生かすためには、必ず人の頭脳と手が必要で、それがなければ最終目的である売上を挙げるところまでたどり着くことはできません。
しかしその点を誤解したままMAを導入してしまうと、「運用するための人的リソースが取れない」「MAツールの運用が難しく、塩漬けになってしまった」「MA導入のために業務効率が下がった」など、大きな課題に直面することになります。
MA導入を成功させるためには、なによりも「MAでなにを実現したいか」という明確な目的意識とそのための戦略が必須です。そして、運用していけるだけの知識と連携力、そしてリソースが必ず必要となります。
これらのどれが欠けても、成果を上げられる可能性が大幅に減少し、結果的に「導入効果がない」と感じてしまうことでしょう。
MA選択のコツ ~導入編~
海外ベンダーの製品が主流だったMAですが、2015年の後半から国内ベンダーの製品も着々と増加しています。マーケティング先進国のアメリカではすでに、フォーチューン500の50%以上の企業が導入済みで、導入を検討している企業は20%にも上っています。
しかし一方で、アメリカにおけるMA導入のきっかけの多くはコンサルティング会社を経由したものです。さらにすでに自社内でマーケティング部門があり、デマンドジェネレーションを行っていたという文化がありました。国内の中堅・中小企業とは、そもそもの土壌が異なるうえ、商習慣も異なるという点を、前提として知っておかなければなりません。
そして、国内の中堅・中小企業の多くは人員が足らず、特にマーケティング担当者においては、複数業務を兼任しているケースが多々見られます。そこで運用までに必要な設定が複雑だったり、手間がかかりすぎたり、これまでの商習慣にフィットしないMAを導入してしまえば、どうなるでしょうか。担当者のリソースが足らず、MAが使いこなせないという状況に陥りがちです。
初めてMAを活用してマーケティングに活用したいと考えるのであれば、できるだけ単純な作業で、操作に迷わずベースとなる見込み客データベースをより完全に作り上げることができ、手間をかけずに無理なく運用できるツールの選択をお勧めします。
営業とマーケティングの両者が一体となって一連の業務プロセスを行えるMAであれば、名刺情報や営業報告、Webトラッキングなどの基礎的なデータを多重入力する必要はありません。しかも、そのままMAの本懐である分析やホットリード発掘を素早く行えるようになり、ホットリードを利用した営業の成果を確認することまで、一気通貫で可能となるのです。
MA選択のコツ ~運用編~
MAはマーケティング業務の一部を自動化することで、素早い営業活動を支援するツールです。高額となりがちなコンサルティングコストをできるだけ抑えるためにMAを導入するのであれば、運用方法をあらかじめ考慮しておく必要があります。
MAの利点を最大限に活用するためには、以下の4点が運用していくうえで重要なポイントとなります。
1)社内リードの集約、集積したデータベースの分析・分類
MAを運用するうえで大前提となる部分です。特に少数精鋭で業務にあたる場合は、名刺管理ツールとの連携が望ましいと考えられます。営業担当が、営業した後にすぐに名刺管理ツールへアクセスして簡単に登録できるだけでなく、営業でもマーケティングでも運用できる、ヌケやモレのない完全なデータベースを自動的につくりだせるシステムであれば、従業員の業務効率は大幅に向上することでしょう。
2)ホット判定基準の設定
ホット判定基準の設定は、企業はもちろん、部署によって異なるでしょう。ここで営業との連携が取れていなければ、ブレのある判定基準を設定してしまうこととなり、いくらホットリードを発掘しても、それは「使えないリスト」になってしまいがちです。あらかじめ営業とマーケティングの意識をすり合わせ、同じ目的意識をもって連携できる環境を作り上げておくことで、営業現場との祖語のないホットリード発掘が可能となります。
3)毎朝の定期チェック、営業へのアサイン
ホットリードは時々刻々と変化するものです。いくらホットリードを素早く発掘できても、営業へのアサインが素早く行えなければ意味のないものとなります。毎朝のチェックが簡単に行え、かつ素早くホットリードをタスクで営業のアサインできるシステムの選択と業務フローの確立が必要不可欠です。
4)対応状況・成果の可視化
なにか特別な操作をしなくとも、各担当者がいつでもシームレスかつリアルタイムに、営業フォロー状況や施策の効果が一目でわかるMAでなければ、導入した意味を実感できないはずです。MAと営業活動が連携した結果が1枚のレポートで出力できるシステムであれば、より効果的な戦略の創出や新たな営業活動の指針に役立てられるようになります。
まとめ
多くの企業で、マーケティングや販促の成果が可視化できないという悩みを抱えています。だからこそ、営業とマーケティングの対立が起こりがちになるともいえるでしょう。企業の財産ともいえる顧客情報をデータベース化し、分析・分類を行い、リードナーチャリングからホットリード発掘を行えるMAは、グローバル化と顧客の多様化が進む現代のビジネスにおいて救世主であることは確かです。
しかし、MAはあくまでもマーケティング業務の一助を担うツールであるため、まずはデジタルマーケティングの在り方を根底的に見直すことが必要となります。導入さえすれば効果的なマーケティングを行えるわけではありません。
しかし、日本の多くの企業がこれまで行ってきていた、縦割り組織の形態を、コンサル
ティングもなしに突然変化させることは難しいはずです。しかし、導入したツールが、だれでも簡単に扱えるシステムで、かつ根本的に営業とマーケティングの橋渡しを担えるツールであれば、コンサルティングがいなくとも、営業とマーケティングの認識や状況を大きく変えていくことが可能となるでしょう。
つまり、日本の中堅・中小企業にとってより費用対効果の高いMAとは、「名刺管理はもちろんのことSFA機能までもが、完全連動して簡単に導入・運用できるMA」であるといえるでしょう。営業とマーケティングの業務を一気通貫で連動させることで、セールス&マーケティングのオートメーション化を実現すれば、業務効率の大幅な向上が可能となります。さらに結果が目に見えて出力できれば、互いの連帯意識が芽生え、より大きな目標に向かって、適切な戦略を立てられるようになり、より進化したビジネスを行うための武器となるでしょう。