営業部門を悩ませる、よくある名刺管理の課題と解決へのヒント
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営業部門を悩ませる、
よくある名刺管理の課題と解決へのヒント
名刺は新たなビジネスへの重要な手がかりです。そして、名刺管理は営業活動において欠かすことのできない重要なインフラです。
しかし、日々の忙しさに追われている内に、机の隅や引き出しには未整理の名刺が溜まっていることが多くあり、営業にとって名刺管理は悩みの種でもあります。
名刺ファイルに収納している営業も多いと思いますが、残念ながら単なる収納では名刺を生きた情報として活用することは困難です。必要なときに情報を検索できませんし、見つけた名刺に印刷されているアドレスにメールしようと思っても、目をこらしてアドレスを手入力しなければなりません。
そこで今回は、営業を悩ませている名刺管理におけるよくある課題と、解決のポイントを解説いたします。
【課題1】名刺がかさばって整理しきれない。机で山積みになっている。
名刺は小さなサイズの紙であるため、溜まるだけでなく散乱してしまう傾向もあります。
名刺の空き箱や机の隅、あるいは営業の引き出しの中に放置されていきます。そして肝心なときに必要な名刺が見つけられなくなるのです。また、何冊にも増えてしまった名刺ファイルからでは効率的に名刺を探し出すことはできません。
せっかく機会を得て手に入れた名刺が、名刺管理ができていないことによって、ビジネスに活かされていないことが多いのです。これは非常にもったいないことです。
そこで名刺のデータ化による名刺管理が必要になってきます。
名刺をデータ化し、名刺管理をすれば、氏名や企業名から検索できたり、メールアドレスをクリックするだけでメールの送信先にアドレスを自動的に挿入できたりするなど、効率的に情報を活用できます。
また、名刺をデータ化し名刺管理をすれば、営業が紙として保管する必要がなくなりますので、省スペース化も実現できます。
【課題2】名刺情報の管理やデータ化に手間がかかる。
名刺をデータ化し、名刺管理することのメリットが分かっても、名刺をデータ化する手間が負担となります。営業が外出先から戻ってから入力しようと思っていても、いざデスクに戻ると、やらなければならない業務に追われて後回しにしてしまい、やがて忘れてしまいます。
そこで名刺のデータ化を効率良く行う方法が必要になります。
一つは名刺専用スキャナーで読み取る方法。もう一つはスマートフォンで撮影する方法です。後者では自動的に歪みや傾斜を補正するなどの機能を持ったアプリを利用します。
ただ、スキャナーやスマートフォンで名刺を画像として取り込んだだけでは、省スペース化ができても検索性や記載されているアドレスなどの有効活用ができません。
そこで最近では、スキャナーやスマートフォン用アプリに取り込んだ画像から文字情報を抽出するOCR機能付きの名刺管理ツールが登場しています。これにより、スキャンや撮影した名刺データに検索性を持たせ、アドレスや住所情報を文字データとして利用することが可能になります。
【課題3】管理する名刺の数が多過ぎて、必要な名刺が探し出せない。
管理している名刺の数が膨大になると、必要な名刺を探し出すことが難しくなります。データ化されていれば、ある程度は検索機能により探し出すことが可能になりますが、名刺の属性による抽出などを行いたい場合には、もう一工夫が必要になります。
それがタグ付けによるグルーピングです。データ化した名刺情報に、顧客なのか協力先なのか、業種は何かといったタグ情報を付与しておくのです。
タグ付けをしておけば、企業名を思い出せなくても、業種でリスト表示させて探したり、特定の業種に適した商品を売り込む先の顧客リストを作成したりすることも容易になります。
このように名刺情報にグルーピングするためのタグ付けを行っておけば、売上アップの仕組みとして活かすことができるのです。
【課題4】いつもらった名刺か分からず、相手を思い出せない。
名刺には実はひとつ重要な情報が記載されていません。それは、名刺を受け取った日付です。
そこで名刺管理の上手な人が実践しているのが、名刺に受け取った年月日を記入することです。人によっては日付印を押している人もいます。こうすることで、名刺をいつ受け取ったのかという記録が残ります。
名刺データに日付が追加されていることで、時系列で人脈を手繰る、イベントや打ち合わせが行われた日付から関係者を抽出する、ことができるようになります。
名刺管理の上級者になると、日付以外にも受け取った場所や案件の内容、さらには相手の特徴や誰の紹介かといったことまで記録しています。
このような、名刺には印刷されていない情報を名刺管理ツールなどで容易に付与することができれば、さらにビジネスチャンスが広がることでしょう。
【課題5】名刺が古くなり、連絡先が変わっていた。
名刺をデータ化して管理していても、知らないうちに相手が異動していたり昇格していたりした場合は、そのデータは過去のものになってしまいます。場合によっては、部署名や肩書きを古いまま使用して、相手に無礼をはたらく可能性も生じてしまいます。
そのような事態を避けるために、名刺管理ツールによっては最新情報を随時反映させる工夫がなされています。
例えば、社内の誰かが新しい名刺を受け取って管理ツールに登録すると、すでに登録されていた古いデータが最新情報に更新され、前回登録した人に更新されたことが通知される仕組みがあります。また、名刺管理ツールがインターネット上の人事情報を常に監視し、登録されている名刺情報に関連する最新情報を表示し、登録者に通知することができる機能を備えたものもあります。特に部署の異動や昇格のタイミングは、先方の環境が大きく変わる時期であることから、営業にとってビジネスチャンスになる可能性が大きいため、これらの仕組みは売上アップに有益だといえます。
【課題6】重要な名刺情報。OCR処理では正確なデータ化に不安がある。
先に名刺を効率的にデータ化する方法として、名刺用スキャナーやスマートフォンで画像データを取り込み、OCRで文字情報を抽出する方法を紹介しました。
しかしOCRによる文字情報の抽出は、残念ながら100%正確ではありません。そのため検索してもヒットしなかったり、住所やメールアドレスを再利用しても相手に届かなかったりするという問題が発生します。
その結果、効率良くデータ化したはずの情報をチェックしながら利用しなければならず、ミスを発見した場合は手作業で修正するという労力が後から発生する可能性があります。
そこで企業によっては、名刺管理ツールとともに、スキャナーやスマートフォンで取り込まれた画像データをインターネット経由で受け取り、専門のオペレータが手入力で正確にテキストデータ化して名刺管理ツールに登録するサービスを提供していることがあります。
この仕組みであれば、利用者は名刺をスキャナーかスマートフォンで取り込むだけで、安心して正確な名刺データを活用することができます。
まとめ
以上のように、名刺が個人の引き出しや名刺ファイルなどに管理されている状態から、名刺管理ツール上に登録され社内で共有化できる状態にすることで、初めて名刺は企業の資産として活用できるようになります。
もし、名刺の管理が個人に委ねられたままですと、名刺を企業の資産として活用できないだけでなく、個人情報の杜撰な管理を放置しておくことになってしまい、セキュリティ上のリスクも負っていることになります。具体的には名刺が盗難に遭うリスク、紛失してしまうリスク、個人が転職などで他社に流出してしまうリスクなどです。
そのようなリスクを防ぐためにも、企業は信頼できる名刺管理ツールを導入して、名刺データを一元管理することを検討する必要があります。