業務における非効率とは何か? 非効率な作業を洗い出す方法や具体的な改善策および対策について
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企業や組織における「非効率」の改善と生産性の向上は、将来的な課題として後回しになりがちです。
実際に業務に遅延や支障が生じていなかったり、雇用する側も働く側も今まで通りのやり方に疑問を持たない状況では、非効率の改善や生産性の向上のための変化や改善すること自体が難しいということもあるでしょう。
今回は企業や組織における活動での「非効率」に関する考え方、非効率な作業を洗い出す方法と非効率な作業を改善するための具体的な対策についてお話します。
企業や組織における活動での「非効率」とは
はじめに企業や組織における活動での非効率に関する考え方について簡単に説明します。
非効率とは何か
企業や組織における活動においては、何らかの目的を達成することが前提としてあります。
・利益の最大化
・目的を達成するまでの時間の短縮
・可能な範囲でコストを下げつつ利益を上げる
例えば上記は、企業や組織における活動において大切な要素です。いわゆる生産性の向上をし続けることと同義であり、時間・お金・人材などのコストを抑えながら利益や売上を増やしていく努力をすることと言えます。
そして、これらの真逆の存在が「非効率」です。ひとつの作業に多くの時間を要したり、利益に見合わない費用や支出が必要だったり、人員配置が適切でなく属人化や作業量の偏りがあったりすれば、すべて非効率と言えます。同時に、IT技術に置き換えることで時間の短縮、作業負担の軽減、コストの削減となるのに、古くアナログな働き方に固執することも非効率です。
非効率=生産性が低いという事実
非効率とは生産性が低いということでもあります。多くの人員を投入し、お金も時間もかけて100万円の利益が出たとします。逆に少ない人員で、少ない時間とコストで100万円の利益が出るのであれば、後者の方が生産性が高いということです。
同様に現代においては単純な事務処理はOCRやFAXの電子化、またはそれらとRPAを連携させることで、時間の短縮や作業負担の軽減が可能な時代です。いわゆるテクノロジーによって非効率を排除し、生産性を向上できるのですが、困ったことに非効率であることを理解していても、古くアナログで非効率なやり方や手順から脱却できないケースがまだまだ存在しています。
非効率は時間・コスト・人的資源を浪費する
企業や組織における活動において、非効率は時間・コスト・人的資源を浪費します。そのため、投資に対する見返りが少なく、利益や売上になるまでの時間が間延びしてしまいます。
しかし、既に新しい技術を導入し、効率化を進めている同業他社やライバル企業が存在するとすれば、非効率なやり方を続けて各種コストを浪費していては、企業競争力で劣ってしまいます。少ないコストと少ない時間で、人的資源を有効活用できている企業や組織と、そうでない企業や組織であれば、前者の方が生産性も高く、同時に働きやすい環境が整っているからです。
もちろん、必ずしも古くアナログかつ非効率な作業や手順、やり方が間違っているとは言い切れませんが、非効率から脱却できなければ、効率化や最適化の進んだ現代で取り残され、将来的に存続が危ぶまれる可能性があります。
非効率な作業を洗い出す方法
次に、非効率な作業を洗い出す方法をご紹介します。
残業時間の偏りや属人化しがちな作業、業務を精査する
まずは残業時間の偏りや属人化しがちな作業、業務を精査して把握しましょう。同様に業務プロセスの遅延や停滞を引き起こしている部署や部門、担当がいないかもチェックすべきです。その時点で「なぜ偏るのか」や「なぜ、属人化するのか」を調査することも忘れないでください。
作業量や業務量の偏りのチェック、同時に成績による格差を精査
次に、実際に実務担当者の作業量や業務量の偏りのチェックを行いましょう。事務系の作業やバックオフィス系の業務の場合は効果測定しにくいこともあるため、ひとつひとつの作業を細分化し、時間や労力をある程度数値化することで比較すべきです。また、可能であれば成績や業績など数値で表せるもので格差を精査し「なぜ、格差があるのか」を調査しましょう。
見た目での忙しさも大事だが、個々の生産性についてチェックする
作業の内容や業務のジャンルにもよりますが、見た目で忙しそうに見えるかどうかだけでなく、実際の生産性についてもチェックすべきです。忙しそうでも生産性がない、または暇そうでも生産性が高いなどを見ておくと良いでしょう。ただし、現実問題として生産性に直結しない作業や業務があるのも事実です。同様に企業活動において無駄な業務や作業はそこまで多くないため、安易に作業や業務そのものを廃止したり、切り離したりしないことも重要です。
非効率な作業を改善するための具体的な対策
次に非効率な作業を改善するための具体的な対策を解説します。
人的資源や時間的なコストを要する作業のDX推進に注力する
非効率な作業や業務の洗い出しや精査が進んだら、人的資源や時間的なコストを要する作業の中で、デジタル化や電子化で代替できるものがないかチェックしましょう。そして、必要に応じてDXの推進に注力すること、新しい技術を受け入れることを前向きに検討すべきです。もし、具体的にDXが推進されない場合は同業他社やライバル会社がどのような形で働き方改革やDXの推進をしているのかを参考にすると良いでしょう。また、場合によっては業界や業種問わず、DXの推進や働き方改革の事例をチェックし、自社に適用できないか情報収集すると、新しい発見や気付きがある可能性が高まります。
機械やシステム・ツール・ソフトウェアに代替できるものは置き換える
非効率な作業を改善するためにはIT技術の導入は必要不可欠です。機械やシステム・ツール・ソフトウェアに代替できるものはどんどん置き換えるべきと言えます。ただし、デジタル化や電子化のためには基盤となるIT技術の導入をしておかなければならないことも否めません。中でも紙の帳票による作業のペーパーレス化や電子化、データ化、データの蓄積や共有、一元管理はDX推進の基礎となるIT技術です。デジタル化されていなければ他のIT技術の導入や運用が難しい可能性が高いので、OCRによる紙の帳票からの電子化・データ化やFAXの電子化を行うなど、紙の帳票から脱却することに注力するのは非常におすすめです。
属人化や負担の偏りを是正、作業の再配分や人員の再配置を行う
DXの推進や働き方改革の基礎となる技術を受け入れつつ、属人化や負担の偏りの是正を進めましょう。IT技術に代替した作業や業務に合わせて、作業の再配分や人員の再配置を行うとスムーズです。
非効率な状況が改善できない原因として、担当や実務に携わる従業員の問題ではなく、作業分配や人員配置が適切でない可能性が高いです。なるべく等しく作業量を割り振ること、良い意味で「ヒマな人間」と「常に忙しい人間」を作り出さないように人員配置すべきです。
また、属人化においてはナレッジの共有がなされていなかったり、特定の従業員が仕事を抱え込んでいたりすることで作業量が一人に集中することがあります。そのため、可能な範囲で「業務の標準化」を行い、属人化させないこと、誰もが他の人のサポートや手伝いができるような環境の構築を進めましょう。
まとめ:特定の個人に頼ったり、作業負担が偏ったりすることから改善しよう
今回は企業や組織における活動での「非効率」に関する考え方、非効率な作業を洗い出す方法と、非効率な作業を改善するための具体的な対策についてお話しました。
一昔前であればたくさんの仕事量を無理をしながら処理していくことが当たり前であり、褒められた時代でもありました。しかし、今の時代は無理をして心や体の健康を害するような職場環境では継続的に働いてもらうことはできません。何よりもそのような職場環境は生産性の向上は見込めず、企業や組織としての限界が訪れるのも早くなります。誰もがお互いを助け合えるような雰囲気を作り出すとともに、誰もが無理をせず、仕事だけでなく家庭やプライベートを大切にできるような職場環境を構築できるよう努めてみてください。
当社が提供する帳票のデータエントリー業務を効率化するソリューション「DEFACT」シリーズであれば、事務作業やバックオフィス系業務にありがちな負担の偏りや属人化を防ぎ、非効率な作業の改善に役立ちますので、ぜひともこの機会にご相談、お問い合わせください。