中小企業におけるDX推進のポジティブな影響と現状にとどまることよるリスクについて
- INDEX
-
中小企業の管理職の方の中には「DXの推進なんかしなくても、業務は回っているだろう」と考える方がいらっしゃいます。
しかし、今現在業務が回っているとしても、DXの推進に消極的で現状にとどまってしまうことで、近い将来企業や組織としての存続が危ぶまれるタイミングが訪れることを理解しておく必要があります。
今回は、中小企業におけるDXの推進のポジティブな影響、そしてDX推進を行わず、現状にとどまることによるリスクについてお話します。
中小企業におけるDX推進のポジティブな影響
はじめに中小企業におけるDX推進のポジティブな影響について説明します。
従業員の負担が減り、離職率の低下・定着率の向上が期待できる
DXが具体的に推進されはじめると、従業員の負担が減っていきます。従業員の負担が減るということは、離職率の低下と定着率の向上が期待できるため、企業や組織としての体制が崩れにくく、良い人材が集まりやすい体質に生まれ変わることにもつながります。
例えば、短時間労働(時短勤務)+テレワークが可能な職場であれば、出産・育児・介護・療養など従業員の状況に合わせて継続的に雇用関係を維持することにつながります。同じくテレワークに対応可能なことで、現在の新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)に対する不安を持つ従業員も安心して働くことができます。
属人化やブラックボックス化の解消、業務の標準化につながる
DXの推進はレガシーシステムも含めて、旧世代における「とりあえず頑張って、無理をして動かす、働く」という仕組みを改善することでもあります。属人化やブラックボックス化も同様であり、強引に形成されたシステムや仕組み、作業手順や業務の流れを可視化し、標準化することで、働きやすい環境が整います。
実際に作業や業務において困るのが、どうすればいいのか「わからない」ことです。やり方がわからない、答えがあるのかもわからないというのは、企業や組織として健全ではありません。わからなければ、マニュアルを確認する、誰かに聞く、そのためにも、各担当やその上長が同じ部署・部門の作業や業務全体を把握しやすくするなど、業務の標準化を進めることで、従業員誰しもが休みたい時に休める環境、誰かが急な休みを取っても困らない環境が形成され、顧客やユーザーにも迷惑をかけない組織になりえます。
従業員満足度とともに顧客満足度が向上する可能性も高い
DXの推進によって業務の標準化や働き方改革が進み、働きやすい環境が整うことで、従業員満足度が向上します。従業員が心身ともに健康に働ける環境は顧客やユーザーに対しても友好的な態度・言動が自然とできるようになるため、結果として顧客満足度が向上する可能性も高いです。
新しい技術を受け入れやすいIT基盤が整えられる
DXを推進するためには、技術的リソースや技術的な基礎・基盤を強化する必要があります。そのため、DXを推進すればするほど、新しい技術を受け入れやすいIT基盤を整えることにつながります。実際にOCRやFAXの電子化など、紙の帳票上の情報のデータ化・デジタル化が進むことで、データの共有・活用・再利用が可能となり、RPAやAI、ビックデータの活用、データマイニングなど、さまざまなIT技術を受け入れられるようになります。
人と社会と会社を大事にできるポジティブな環境が構築できる
DXの推進が当たり前になってくると、人と社会と会社を大事にできるポジティブな環境の構築にもつながります。誰もがお互いにサポートできるようになり、企業や組織に対して感謝と誇りを持ちながら働けるようになるためです。同様に顧客やユーザーに対しても健全で誠実な態度や言動・行動を取れるようになれば、企業や組織として、その一員としても信頼や安心を得られるようになり、お互いがお互いを大切に大事にできるようになるのは間違いありません。
逆に詳しくは後述しますが、働きにくい環境、顧客やユーザーに迷惑をかける体制、心身ともに負担ばかりで不健康な日々が繰り返されるような状況ですと、ネガティブな環境となり、人も社会も会社も大事にできない環境になってしまうことを自覚する必要があるということです。
DX推進を行わず、現状にとどまってしまうことによるリスク
次に、DX推進を行わず、現状にとどまってしまうことによるリスクについて説明します。
古くアナログで非効率なやり方による時間と人的資源の浪費
現実的にもIT技術が急速に進化し続ける中、2000年以前、もしくは昭和の時代の作業手順や業務体制を行っている場合、企業や組織としての対応力に問題があるといえます。長時間労働や過度な作業負担、やりがい搾取、頑張りの強要なども含めて、古くアナログで非効率的なやり方、すなわち時間と人的資源の浪費から脱却しなければ、人が集まらず、人が残らない職場環境として衰退していくしかないと言えます。
レガシーシステムやレガシーシステムに要する作業手順を維持するためのコスト
IT技術に関して言えば、一度作られたシステムやプログラムは永遠に動くだろうという誤解があります。技術が進歩すれば新たな脆弱性およびセキュリティホールが発見され、対応しなければセキュリティ的に非常に危険にもなります。しかし、実際にはコストや技術面、または人的リソースの不足によって、レガシーシステムとレガシーシステムに要する作業手順を維持するための時間的かつ金銭的、そして人的なコストが浪費されています。「今現在、何の問題もなく動いている、ように見える」ことが、システムの改修や更新、または切り替えから目を背ける結果となっており、変化や新しいものを嫌う環境において、ずるずると不要で無駄なコストを浪費・消費し続けることになってしまいます。
新しい技術を受け入れられず、同業他社との格差が開いていく
新しい技術を受け入れるためには、新しい技術に関連する技術や基盤を整える必要があります。しかし、変化や新しい技術に対する個人的な嫌悪感や忌避、簡単に言えば「面倒だ」と感じてしまうことで、新しい技術を受け入れる基盤が整いません。同業他社やライバル企業との格差がどんどん開いていくことになります。アナログで非効率なやり方、デジタルで効率的なやり方、どちらの方が働きやすく、生産性が高いかと言えば、確実に後者なのは間違いありません。
人材が定着せず、既存の従業員に負担が多く、肉体的にも精神的にも不健全
DXの推進が進まず、古くアナログで非効率なやり方を続けることで、人材が定着しないという問題も生じます。人手が足りないことで既存の従業員の負担は慢性的に重くなり、せっかく新しく人が入っても、指導できる人は忙しすぎて新人教育に十分な時間をかけることができません。DXの推進によって業務の標準化、属人化の解消、時間的にも気持ち的にも余裕の職場環境を整えなければ、人材が定着せず、万年人手不足、人材確保困難、優秀な人材はすぐに離職・退職するという「企業や組織を形成する人材の確保」が難しい状況が続いてしまうでしょう。
余裕や余力がなく、成長できない企業や組織になってしまう
例えば、東京駅から大阪駅までの距離は約500kmです。そして徒歩で東京駅から大阪駅まで向かう場合、約100時間を必要とします。しかし、新幹線を使えば、東京駅から大阪駅まで約4時間で到着します。
普通の人であれば、「歩いて東京から大阪まで行くわけないだろ」と思うところですが、DXの推進となると、なぜか徒歩と同じ、古くアナログで非効率なやり方を続けようとしてしまいします。DXを推進しないことで、時間的にも従業員の心身的にも余裕や余力がなくなり、成長できない企業や組織になってしまいかねません。徒歩で働かせ続けるような業務内容から脱却し、改善する必要があることを理解する必要があるでしょう。
まとめ:ITに疎い、ITが苦手でもDXを推進できるツールの導入から始めよう!
今回は中小企業におけるDX推進のポジティブな影響、そしてDX推進を行わず、現状にとどまってしまうことによるリスクについてお話しました。
中小企業においては良い意味での投資とコストの削減というジレンマがあり、変化を望めば望んだけお金を掛かられる状況にないことは理解していますが、DXの推進も含めて、今、投資しておかなければ将来がないと考えられなければ、やはり企業や組織として存続することは難しくなるでしょう。
当社が提供する帳票のデータエントリー業務を効率化するソリューション「DEFACT」シリーズにはOCRやFAXの電子化など、情報のデータ化・ペーパーレス化・電子化・デジタル化・オンライン化に役立つ仕組みや機能が導入できます。少しでもDXの推進をしておきたい、ITに疎い、ITが苦手という業界や業種でもしっかりとサポートさせていただきますので、ぜひともこの機会にご相談、お問い合わせください。