OCRのエンジンに関する基礎知識や初めてOCRを選ぶ時の基準とは

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    OCRを導入したい、または既存のOCRから乗り換えを検討する際に気になるのが「OCRのエンジン」というキーワードです。各種OCRツールやソフトウェアで示されている数字の他にもOCRのエンジンがどのようなものなのか理解することで、適切なOCRを選ぶことができるようになります。 今回はOCRのエンジンに関する基礎知識や初めてOCRを選ぶ時の基準、そして別のOCRに乗り換えるべきと判断する基準についてご紹介します。

    OCRのエンジンに関する基礎知識

    はじめにOCRのエンジンに関する基礎知識について見ておきましょう。

    OCRのエンジンとは何か

    OCRのエンジンとは文字列の認識を行うための基盤となるソフトウェアやシステム、ツール及びプログラムやスクリプトを指します。 OCRのエンジンは目的や用途、またはOSや使用するデバイスで分かれており、例えばスキャナで取り込むのか、カメラで撮影するのか、PDFなどの電子データから読み取るのかなど条件に応じて利用できるものと、利用できないものがあります。 また、文字列といっても印刷された英数字、フォントのデザイン、手書きの文字列があり、日本ですとさらに漢字、ひらがな、カタカナがあるため、対応するOCRのエンジンを選ぶ必要があります。 単純に目的や用途に合わないOCRエンジンを使って「精度が低い」というのは筋違いであるということです。逆に、目的や用途に合っているのに文字列が認識されないのであれば「精度が低い」と言えるでしょう。

    OCRエンジンの精度が目視のチェックを左右する

    OCRによる文字認識においては、最終的に識別できなかった文字列を目視によるチェックと修正が必要な場合があります。OCRエンジンの精度が高ければチェック作業は少なくなり、OCRエンジンの精度が低ければチェック作業は多くなります。 もちろん、OCRを利用せずに目視によるチェックと手動のデータ入力と比べれば労力は少ないと言えますが、目視によるチェックや修正も少なくなるほうが良いのは確かです。言い換えれば、OCRを利用し、目視によるチェックと修正に要する労力と、OCRを利用せず、すべてを目視によるチェックと手動のデータ入力する労力を比べた場合、前者の方が圧倒的に労力が少なく済むこと、データ入力業務の削減が決して不可能ではないことがわかります。

    OCRエンジンの精度とOCRの性能と機能が業務効率化や最適化を推進する

    OCRエンジンの精度が高く、OCRエンジンを搭載するOCRシステムの性能や機能が伴うことで、初めて業務効率化や最適化を推進することができます。だからこそ、OCRエンジンといっても前述したように様々な種類があること、OCRエンジンを搭載するOCRのシステム・ツール・ソフトウェアごとの性能や機能によって最終的な精度が異なることを留意しておかなくてはなりません。 実務に耐えうるOCRエンジンとOCRエンジンの性能をフルに発揮できる機能を利用できるOCRソフトウェアを選ぶことで、データ入力業務の削減、人的リソースの確保、適切な人員配置が可能となり、業務全体の効率化や最適化につながります。同時にDXの推進の基盤となる「紙ベースの帳票のデジタル化及びペーパーレス化」が実現できるようになり、IT資産及び情報資産を蓄積し、ビックデータとして活用や再利用しやすい環境が整うでしょう。

    初めてOCRを選ぶ時の基準とは

    次に初めてOCRを選ぶ時の基準をご紹介します。

    OCRの性能やOCRエンジンがどのようなスペックなのか

    当然のことながらOCRの性能、OCRエンジンがどのようなスペックなのかは重要視すべきです。 ・どんな目的や用途を想定したものなのか ・どのようなデバイスでデータを取り込むのか ・PDFなどのデータ上の文字列の読み込みは可能か ・公式に記載されている読み取り精度はどの程度か ・どのようなOCRエンジンを搭載しているか 最低でも上記の項目をチェックし、業務や作業に合致するものを選びましょう。

    実務や現場で使いやすいUIや機能を備えているか

    実務や現場で使いやすいUIや機能を備えているかも重要視すべきポイントです。 ・帳票の形式を問わずに取り込むための機能があるか ・帳票のタイプや項目の割り振り及び振り分けが可能か ・取り込んだデータを自動で分類しデータベースに登録できるか ・属人化しにくく、誰にでも扱いやすいUIを備えているか ・読み込んだデータの取扱いが実務で利用できるレベルか 上記のような形で、現場や実務レベルで利用できるかをチェックしましょう。可能であればどのような帳票でも読み込めて、取り込む項目を柔軟に取捨選択できるものが望ましいです。 また、極端なことを言えば、スマートフォンのカメラで撮影して、認識した文字を手動で整理するようなタイプですと効率的とは言えませんし、実務や現場で使いやすいとも言えません。 紙の帳票をスキャナで読み込むだけで自動的に項目毎に分類し、すぐにデータを利用できる形にできるもの、それらの工程を作業する人間が把握しやすいものが理想です。

    導入から運用までのサポートはあるのか

    OCRは性能や機能も大切ですが、導入から運用のサポートがあるかどうかも重要です。なぜなら、使いこなせないまま、または精度の上げ方がわからないまま利用してしまえば、結果として「OCRは使い物にならない」または「自分でデータ入力した方が早い」という誤解や思い込みを招くためです。 OCRを導入する際もトップダウンで決めてしまうのではなく、現場や実務の担当者に使い心地をチェックしてもらうこと、導入テストや運用テストを行うことを忘れないでください。

    OCRを導入、運用するタイミングでありがちなこと

    次にOCRを導入、運用するタイミングにありがちなことについて解説します。

    OCRをどこまで適用すれば良いか悩む

    OCRはスキャナと専用のソフトさえインストールされていれば利用できるため、実質的には業界や業種、部門や部署を問わず利用できる技術です。しかし、OCRの導入のタイミングで適用した範囲以外にどこまで適用すべきか悩むことがあります。 結果としてOCRを導入したものの想像したよりも効果が出ていないかのように感じられてしまいます。解決策としては、事務系の作業やバックオフィス系の業務を優先しつつ、同じく事務系の作業やバックオフィス系の業務を通過、もしくは終着点とする帳票はどのタイミングであってもOCRでデータ化することをおすすめします。先にデータ化してしまうことで、一ヶ所でOCRによる読み取りをするよりも効率的にデータ化することができるからです。

    特定の部門や部署でしか利用が進んでいない

    導入時点で事務系の作業やバックオフィス系の業務にOCRを適用したものの、そのまま放置されてしまうことがあります。そのため、他の部門や部署において紙の帳票による処理が残ったままになってしまうということです。 特定の部門や部署でしか利用が進まない場合は、既に導入した部門・部署の人材をジョブローテーションすることで解決できる可能性が高まります。どの部分にOCRを利用できるのか、またはデータ化すべき帳票がどれかを明確してもらうこと、同時に扱い方やデータ化のコツを共有することができれば、部門や部署を問わずに利用が進むでしょう。

    コアとなる業務における紙の事務処理に適用しにくかった

    業界や業種によっては、コアとなる業務の紙による事務処理にOCRが適用しにくいことがあります。手順を変更してしまうことで、流れが悪くなるように感じられたり、新しく動作を増やすこと自体がボトルネックに感じられたりするのが理由です。 解決策としては、コアとなる業務に受け渡す前にOCRでデータ化してしまうこと、データ化した状態でコアとなる業務を進めるよう変更するという方法があります。紙をベースとして作業や業務は電子データに置き換えることは可能ですので、思い込みでできない、やれないということはありません。レガシーシステム化やブラックボックス化をさせないためにも、必要に応じて基幹システムや社内システムの変更を検討することも大切です。

    頑なにOCRの利用を拒む従業員や役員がいる

    過去にOCRを利用した人の中には「精度が低い」や「使い方が難しい」など経験しており、頑なにOCRの利用を拒むことがあります。実際には現在においてOCRは難しい技術ではなく、スキャナやカメラで取り込み、取り込んだ文字列が正しいかをチェックするのみで利用できるように作り込まれています。 解決策としてOCRを頑なに拒む人にこそ、今の技術でOCRがどれだけ扱いやすいかを体験してもらいましょう。実際に利用してみることで、労力や時間の浪費が削減できることが理解できれば、特に拒否する理由もなくなり、むしろ積極的に利用してくれる可能性が高まります。

    使い方がよくわからず、サポートも頼りない

    前項と似たような部分ですが、使ってもいないのに使い方がよくわからない、またはマニュアルなどを見ないで難しいと言う人も少なからずいらっしゃいます。また、サポートも頼りないように感じてしまい、運用段階に進まないこともあるでしょう。 解決策として、本当に使い方が難しい、わかりにくい、その上サポートも頼りないのであれば、他のOCRに乗り換えるという方法があります。もし、特定の個人のみ使い方がわからない、サポートが頼りないと感じているケースであれば、既に使いこなしている人にレクチャーしてもったり、マニュアルの整備とともにナレッジの蓄積と共有を行うのもおすすめです。

    別のOCRに乗り換えるべきと判断する基準について

    次に、別のOCRに乗り換えるべきと判断する基準についてご紹介します。

    既に導入したOCRの認識精度が低い場合

    既に導入したOCRの認識精度が低いと感じている場合、すぐにでも別のOCRに乗り換えることをおすすめします。単純に性能が低い、または古いOCRを使っていて「OCRは使えない」というのは、旧式のパソコンやOSを使って「処理が遅い」と言っているのと同じだからです。 また、古いOCRや性能が低いOCRを使い続けるということは、不要なコストを支払い続けることでもあります。なるべく早い段階で別のOCRに乗り換えることを検討すること、最新のOCR技術を導入すれば業務効率化や最適化につながることを意識してみてください。

    データや帳票の振り分けができない場合

    OCRによってはデータや帳票の振り分け、分類、割り振りができない場合があります。たしかにデータ化はされたけれど、結局、人の目と人の手によってデータを加工したり、転記しなければならなかったりするような状況が該当します。 せっかく、OCRを利用しているのにデータ入力しているのと同じ労力なら、すぐにでも別のOCRに乗り換えるべきです。社内や組織内で当たり前になっている事務作業、バックオフィス系の業務のほとんどはDXの推進で削減できること、特にデータ入力業務を目視によるチェックと手動で行っているのは「古い」と理解することが大切です。

    連携するサービスやツールが少ない場合

    各種マーケティングツールやオンラインサービス、または社内や組織内の基幹システムやデータベースと連携しにくいOCRを利用している場合も、乗り換えを検討すべきです。特に現時点でOCRで読み取ったデータを転記しなければならないような作業が伴う場合はすぐにでも乗り換えましょう。 また、マーケティングツールやオンラインサービスにおいても、導入することで業務効率化や最適化となるものがたくさんあります。間接的にでも連携できたほうが将来的な拡張がスムーズになりますし、何よりもDXの推進が進みやすくなります。IT技術を受け入れる体制や基盤作りにもなりますので、DXの推進を意識しているのであれば、早い段階で乗り換えることを検討してみてください。

    OCRを職場および業務に馴染ませるためのポイント

    次にOCRを職場および業務に馴染ませるためのポイントをご紹介します。

    特定の部門や部署で占有せず、誰でも扱えるようにする

    OCRは事務系の作業やバックオフィス系の業務のみで占有せず、誰でも扱えるようにしましょう。実際、業務標準化の観点から見ても、特定の技術を特定の部門・部署・担当で占有するのは属人化、もしくはブラックボックス化の要因でしかありません。 極端なことを言えば「誰それがいないからデータ化できない」ではなく、誰がいなくても自分自身でもOCRでデータ化できるようにすること、FAXやパソコン、オフィス系のソフトと同様に誰でも使える状況にしておくことが大切です。

    OCRで代替できるものは段階的にOCRに切り替えていく

    OCRは設定さえすれば、ほとんどの帳票をデータ化することができます。そのため、社内や組織内の内部の文書だけでなく、外部の顧客や取引先からの帳票をデータ化することもできるということです。 少しずつ、段階的にOCRで代替できるものは代替していくこと、ほんの少しの入力でも、人力で行わないよにするという意識を持ってみてください。人力によるデータ化が減れば減るほど、労力と時間の浪費が削減できるというイメージを持つことをおすすめします。

    OCR導入のタイミングで業務標準化を進めるのもおすすめ

    OCR導入のタイミングは業務標準化をしやすいタイミングでもあります。そのため、導入と運用のタイミングで業務標準化を行うことで、マニュアルも作りやすいですし、みんなで学習する機会も作りやすくなります。 同時に、今まで属人化やブラックボックス化していた部分についても、OCRに切り替えるタイミングで可視化、把握することで改善・解消できる可能性も高いです。誰かにしかできない、その誰かが退職したら誰にもわからなくなるようなことの防止にもつながります。また、今後、属人化やブラックボックス化しにくい環境が整うことも利点です。

    時間削減効果が出てきたら働き方改革に着手する

    OCRが業務に馴染んでくると、時間が少しずつ削減されはじめます。時間削減効果が出てきたら、働き方改革に着手してみましょう。業務標準化が少しでも進んでいれば、残業時間の削減、有給休暇の取得など、今までできなかった時間の余裕を従業員に再配分することができるからです。 実際、一日の業務が一日で終わらず、残業しても終わらない、誰かが休んだら業務が蓄積されていくような環境はあまり好ましくありません。逆に言えば、OCRを導入したことで、一日の業務が一日で終わり、残業が不要、誰かが休んでも問題ない環境が構築されることで、従業員にも優しく、働きつづけたい環境の構築にもつながるということです。

    従業員にとってプラスになることを前提にすることが大事

    DXの推進や働き方改革のためにIT技術を導入するタイミングは、効率化や最適化をしたいというタイミングでもあります。実務で効率化や最適化をするのは従業員であることを前提とし、従業員にとってプラスになるように考えることを忘れないようにしましょう。 実際に従業員の労力や時間を浪費せず、時間の余裕があり、しっかりと休暇が取れる体制であれば、心身ともに健康的に働くことができます。いつもギリギリ、時間に余裕がなく、常に焦らせているような状況を作るべきではないということでもあります。OCRの導入においても、労力や時間をもっと削減するには、どう活用すべきかという視点を持ってみることをおすすめします。

    まとめ:高い精度のエンジンを搭載するOCRをお探しなら「AnyForm OCR」がおすすめ!

    今回はOCRのエンジンに関する基礎知識や初めてOCRを選ぶ時の基準、そして別のOCRに乗り換えるべきと判断する基準についてご紹介しました。 当社が提供する「AnyForm OCR」ではWOCRという形で、AI型のOCRエンジンと従来の非AI型のOCRエンジンの2つを搭載しております。最終的に目視によるチェックが必要となるのは最大でも全体の15%程度、今までOCRで読み込んだ後のチェックや修正のための人的リソースや時間的なリソースの大幅な削減が期待できます。高い精度のエンジンを搭載するOCRをお探しであれば、ぜひともこの機会にご相談、お問い合わせください。

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