ジョブローテーションによる属人化の解消と業務標準化に潜むデメリットについて
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ジョブローテーション・属人化の解消・業務標準化に関する考え方
はじめにジョブローテーション・属人化の解消・業務標準化に関する考え方について簡単に説明します。ジョブローテーションとは何か
ジョブローテーションとは従業員や幹部候補となる人材に対し、一定期間、特定の部署や部門で働いて仕事を学んでもらう仕組みを指します。ジョブローテーションを行うことで、社内や組織内全体の業務の流れや動きを把握および理解しやすくなること、また管理者側からすると個々の仕事への適正が明確になることがメリットです。その他にも社内や組織内における人間関係(コネクション)を作ることで、円滑なコミュニケーションや調整ができる人材を育てるという側面もあります。 一昔前で言うところの転勤や栄転など、一定のタイミングかつ定期的な移動もジョブローテーションであり、社内や組織としての強化と人材の育成を担っていたと言えます。現代におけるジョブローテーションは少子高齢化や業務標準化など、多様化する働き方や生き方に対応するためにも活用されつつあります。属人化の解消とは何か
属人化の解消とは「特定の誰かにしかできない業務」を解消することを指します。働き方改革やDXの推進においても属人化自体が問題視されており、いかに属人化を解消するか、同時にブラックボックス化やレガシー化の防止や解消が課題とされています。業務標準化とは何か
業務標準化とは「誰でも適切に業務を行えるように最適化すること」を指します。属人化とは真逆の考え方・仕組みであり、お互いがお互いをフォローしやすい職場環境が整うこと、過度な負担が一個人に集中しないことで注目されています。実際に働き方改革における長時間労働の是正や有給休暇の取得など、お互いに休める環境や無理をしない環境を作りたい場合に必要不可欠な考え方・仕組みであり、業務標準化自体が属人化の解消になることも期待されています。ジョブローテーションと属人化の解消
ジョブローテーションによって個々の従業員が少しずつ、さまざまな作業や業務を覚えていくことで、属人化してしまう作業や業務が少なくなっていきます。そもそも、属人化の怖いところは、属人化していることに気付けない点です。ジョブローテーションによって、部門や部署に新しい人材が入ること、作業や業務を教える仕組みが備わるようになれば、属人化しようがありませんし、何よりも問題や課題が可視化される可能性も高くなります。ジョブローテーションと業務標準化
ジョブローテーションのために業務や作業の手順を見直したり、マニュアルを作成したりするようになれば、必然的に業務標準化も進みます。そもそも、企業や組織における作業や業務においては、勘・経験則・センスによるものもありますが、基本的には誰にでもできる小さな作業の積み重ねばかりです。これらを可視化し、細分化し、再構築し、把握することができれば、業務標準化は簡単に実現できます。逆に言えば、ジョブローテーションされた人材がその作業や業務を遂行できない、覚えられないとなれば、業務標準化がなされていないことが明確になるため、属人化の解消と同じく、問題や課題も発見しやすくなるでしょう。