【中小企業における IT 化の現状】導入率や遅れる理由も併せて解説
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昨今コロナの影響で多くの企業でIT化の取り組みがされていますが、中小企業におけるIT化がどれくらい進んでいるのかご存じでしょうか。
この記事では中小企業におけるIT化の現状や導入率、遅れる理由などを踏まえた上で、IT化の進め方やポイントまでお話しています。
中小企業における IT 化の現状
はじめに中小企業におけるIT化の現状についてお話していきましょう。
IT活用の現状について
中小企業におけるIT活用の現状は、中小企業白書のデータに求めることができます。
以下のグラフを見てみてください。
グラフ引用:中小企業白書 2021年版
上記のグラフは、各ツール別の導入状況を示したものです。
人事や経理などの領域においては比較的導入されている傾向にありますが、情報管理や経営分析、業務自動化などの領域では、今後も導入する予定がないという企業が過半数を超えていることがわかります。
コロナの影響によって中小企業においても徐々にIT化が進んできているとはいえ、まだまだ浸透しきっていないと言えるでしょう。
業種別のIT導入率
業種別のIT導入率も見ていきましょう。
こちらも中小企業白書からグラフを引用して、確認していきたいと思います。
グラフ引用:中小企業白書 2021年版
全体的な傾向としては大きく変わりませんが、
・製造業や建設業においては生産管理関連のITツール
・卸売業や小売業は、販売促進・取引管理のITツール
・情報通信業は人事や経理、グループウェア関連のITツール
が比較的導入されていることがわかります。
IT化が特に遅れている業界
宿泊業・飲食サービス業においては、他の業種と比べて全体的にIT導入状況が遅れていることも見て取れます。
また小売業については販売促進・取引管理以外の領域では、ITツールの導入率が他業界と比べて低いことも分かります。
他にも上記のグラフにはありませんが、医療業界や介護業界もITツールの導入がなかなか進んでいないと言われています。
医療や介護の領域では、扱うことになる情報の多くが個人情報であるため、IT化する上での心理的なハードルが高いといった背景があるのでしょう。
中小企業で IT 化が遅れる理由
中小企業におけるIT化の現状を見ていただいたところで、次になぜ中小企業でIT化が遅れるのか、その理由についてご紹介します。
中小企業でIT化が遅れる理由①:経営層のITリテラシー不足
中小企業においてIT化が遅れる理由としてまず挙げられるのは、「経営層のITリテラシー不足」という点です。
ITリテラシーとは、ITを活用するために必要な知識やスキルのことを指します。
つまりPCは勿論、様々なツールやアプリケーション、インターネットなどを活用するためには欠かせない能力です。
しかし中小企業においては、経営者がITリテラシーを十分に備えていないというケースが残念ながら往々にしてあるのです。
勿論中小企業に限ったわけではなく、たとえ大企業であってもITリテラシーを備えた経営者が十分にいるわけではありませんが、傾向としては中小企業の方が不足していると言えるでしょう。
経営者のITリテラシーが低ければ、ITが経営にもたらす効果や良い影響などを正しく評価することができないため、ITに対しての投資が消極的になり、結果的にIT化が遅れてしまうのです。
中小企業でIT化が遅れる理由②:IT人材の不足
IT人材の不足もIT化が遅れる理由の一つとして挙げられます。
IT関連の高度な専門知識やスキルを持った人材はどの企業でも引く手あまたでしょう。
それは中小企業でも例外ではありません。
とはいえ専門性の高いスキルや知識を持つ優秀な人材は、より条件の良い大企業などに流れてしまい、中小企業ではそういった人材を獲得するのは難しいと言えます。
しかしながらIT化を進めるには当然、IT人材の存在が重要な要素となります。
そのためIT人材が不足しがちな中小企業では、IT化を進めたくとも進められないというケースも多いのです。
中小企業でIT化が遅れる理由③:IT化への投資資金の不足
またそもそもの資金力の問題もあります。
潤沢な資金があり、いろいろなツールを揃えることができる大企業と比べ、中小企業ではIT化への投資に掛けられる資金が不足していることは言うまでもありません。
2020年から始まったコロナの影響を受け、テレワークやWeb会議などといった、どうしても必要な部分についてのIT化には取り組みだしたものの、それ以外の領域については資金等の問題があって進んでいないケースが多いのです。
また先ほども触れた通り経営層のITリテラシーが低い場合、IT化への投資が後回しにされてしまったり、そもそも資金を配分されなかったりといったこともあります。
そういった結果IT化のために使える資金が不足し、IT化が進まないのでしょう。
中小企業における IT 化の進め方とポイント
最後に中小企業におけるIT化の進め方とポイントについて解説していきます。
IT化の進め方
まずは中小企業におけるIT化の進め方についてお話していきましょう。
・まずはスモールスタートから
中小企業でIT化に取り組む場合は、小さく始めることが重要です。
全社的な基幹システムを導入したり、全ての業務フローに対して一気にITツールを導入したりすることは、資金も掛かる上、必要な工数なども多くなります。
しかし先ほど言った通り、中小企業では資金が潤沢にあるわけではない上、人的リソースも限られていますよね。
そこで特定の業務から部分的にIT化していくことが重要になるわけです。
・具体的な進め方として
具体的な進め方としては、以下の5つのステップを踏んでいくことになります。
①IT化する業務を決める
②導入するツールを決める
③現場に対して事前に説明
④ITツールのトライアルと実導入
⑤効果検証
各ステップを詳細に説明することはしませんが、上記のような流れで進めていくことは押さえておいてください。
IT化のポイント
IT化のポイントについても、いくつかご紹介しておきましょう。
・ポイント①:社員の使いやすいツールやシステムを導入する
一つ目のポイントは「社員が使いやすいツールやシステムを導入する」という点です。
IT化を進めた際に、その影響を受けるのは現場の社員であることは間違いありません。
そのため「現場の社員がどれだけスムーズにIT化を受け入れることができるか」がポイントになります。
そういった意味でIT化においては、現場の社員が使いやすいツールやシステムを導入するということがとても重要だと言えるでしょう。
・ポイント②:ITリテラシーの研修や勉強会を開催する
ITリテラシーの研修や勉強会を開催するということもポイントとして挙げられます。
先程もお話した通りITリテラシーの不足は、中小企業におけるIT化の遅れに直結します。
そのため経営層は勿論のこと、現場の社員も含めてITリテラシーを身に付けることが、IT化を成功させるためのポイントになるわけです。
具体的にはITリテラシーに関する研修や勉強会を開催したり、ITパスポートなどの資格取得を支援したりすることなどが有効と言えるでしょう。
・ポイント③:導入効果を検証して、成果を実感する
また「導入効果を検証して、成果を実感する」こともポイントになります。
IT化を進めるには、利益や業務効率化にもたらす効果を実感することも大切です。
そのためIT化の取り組みにおいて導入したツールがもたらした、「効率化の効果や削減できた工数・費用」などを検証することがポイントになるでしょう。
まとめ
今回は中小企業におけるIT化の現状などを中心にお話してきましたが、いかがでしたか。
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