【DXの導入】新しい技術を導入するステップでぜひとも知っておくべきこと

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    DXの推進は技術を導入する順番、ステップをしっかりと計画することで、スムーズに進められるようになります。DX推進をするためにどのような順序が良いのかを把握しておき、新しい技術を着実に実務で運用できるようにしましょう。
    今回はDX推進に必要となる基盤があるか確認するステップ、DX推進となる技術を導入する順番を明確にするステップ、そしてDX推進となる技術を効果測定するステップについてお話します。


    DX導入に必要となる基盤があるか確認するステップ

    DX導入に必要となる基盤があるか確認するステップ

    1.セキュリティ基盤は構築されているかどうか

    DX推進において何らかのIT技術を導入する場合、まずはセキュリティ基盤が構築されているのか、セキュリティ性が確保できているかをチェックしましょう。新しい技術が危険ということではありませんが、技術が安全でも技術を利用する体制にセキュリティホールや脆弱性があればリスクがあるためです。
    まずは現時点におけるセキュリティ性がどうなのか、技術を導入する際のリスクは何があり、どんなセキュリティ対策が必要なのか網羅的に精査し、対応しましょう。導入や運用のタイミングで新たなリスクを発見できる可能性もありますので、タイミングごとにセキュリティに関する部分の見直しと改善は定期的に行うことが重要です。

    2.デバイス面、システム面、人材面の把握

    DX導入を行う前提として、デバイス・システム・人材の把握も確認しましょう。どんなに技術が優れていても、対応できる体制が構築されていなければ導入も運用もできないためです。詳しくは後述しますが、紙の帳票上にある情報をデジタル化する技術であるOCRやFAXの電子化など、ペーパーレス化に関わる技術が既に導入されているのかは必ず確認しておきましょう。
    また、新しい技術を導入できるデバイス・システムなのか、どの部門・部署・担当が利用するのか、具体的にどのような効果があるのかも前もって検証しておくと良いです。事前にどれだけの作業時間が必要だったのか、どれだけ労力が必要なのかを数値化しておくことで、効果測定の材料ができますし、改善のための指標が立てやすくなります。

    3.顧客、従業員、実務の現場に過度な負担とならないか

    DX導入の技術によっては、顧客・従業員・実務の現場に過度な負担になってしまうことがあります。ユーザビリティを考慮した設計のツールやサービスが増えましたが、まだまだ複雑で難しい技術もあるためです。導入する技術が顧客に合わない、従業員が使いにくい、結果として現場の負担が増えるなど、デメリットがないか検証すべきということです。
    例えばペーパーレス化はDX推進の基盤ともいえる技術ですが、FAXの廃止や紙による注文の廃止を行ってしまうことで、顧客が不便を感じる=顧客が負担となることが挙げられます。その他にも紙の帳票をスキャナでPDF化しているのに、他の部署で印刷して手書きで作業をしている、もしくは承認や決裁のタイミングでは結局印刷するなど、1枚の紙で済んだものが複数印刷されているなど、明らかに手順が増えてしまうような導入・運用にならない技術か見極めましょう。

    DX推進となる技術を導入する順番を明確にするステップ

    DX推進となる技術を導入する順番を明確にするステップ

    1.紙の帳票の情報を電子化する技術

    DX推進となる技術はほとんどが「電子データ」を利用するものです。そのため、紙の帳票上にある情報を電子化する技術をデジタル化=電子データにする技術の導入を最優先にしてください。請求書や注文書などをスキャナで読み込むことでデジタル化できるOCR、またはFAXで受け取った情報をそのまま電子化する技術などが挙げられます。
    その他にも書類や文書を作成する最初の段階からデジタルで入力する仕組み、オンラインやアプリで注文する仕組み、契約や決裁もオンライン対応する仕組みなど、必要に応じて「デジタルからはじめる」ことを意識してみても良いでしょう。

    2.電子化したデータを一元管理する技術

    電子化したデータを一元管理する技術も重要です。単に画像としてデジタル化するだけでは、結局転記する作業から脱却できないためです。例えば、OCR、またはFAXの電子化であれば読み込んだり、受け取った文字数列をそのままデータベースに仕分けて登録できるツールやソフトを利用しましょう。

    3.RPA、AI、機械学習、データマイニングなど企業や組織として必要とする技術

    電子化したデータを一元管理・共有・活用している環境が整えば、RPAやAIによる自動化が進められるようになります。言い換えますと、電子化と一元管理ができていない状態ではRPAやAIによる自動化はできないと覚えておいてください。
    同時に、データを情報資産として企業や組織における財産と考えることも重要です。蓄積されたデータはビックデータとして活用できますし、機械学習などの材料にもなります。データマイニングやテキストマイニングを併用すれば、AIが人では判断できないような結論を見出してくれることもあります。
    企業や組織としてどのような技術を導入すべきなのか、どれだけの効果があり、どれだけのコストが必要なのかも精査し、DX推進を着実に進めるという意識を持ちましょう。


    DX推進となる技術を効果測定するステップ

    DX推進となる技術を効果測定するステップ

    1.時間や労力に関するコストが削減されたか具体的な数値で計測する

    DX推進となる技術の効果を測定するステップでは、まず導入以前の時間や労力のコストと、導入後のコストが削減されたのか数値で計測して比較することが重要です。体感的なものではなく実際に削減効果があったのかを検証するということです。
    同様に残業時間や総労働時間、有給休暇取得率など、企業や組織全体の環境改善になったのかも精査すべきと言えます。一部門、一部署、または一人の担当だけが負担の軽減になるのではなく、作業の割り振りを見直したり、フォロアップ体制を整えたりするなど、全体を見ることを忘れないようにしましょう。

    2.属人化やブラックボックス化が解消されているか

    DXで導入した技術によって、属人化やブラックボックス化が解消されているかも確認すべきです。逆に属人化してしまった、ブラックボックス化してしまったということがあれば、運用の見直しや業務標準化を進めることも検討してください。
    属人化やブラックボックス化が解消されることで、特定の部門・部署・担当のみが負担を受けることも解消されます。簡単に言えば、誰もが残業が少なくなり、誰もがいつでも休めるようになったのかを見るということです。
    職場環境が改善されることで、時短やテレワークにも対応しやすくなります。雇用も安定し、人材の確保に悩むことも少なくなるということです。

    3.新しい技術をさらに導入できる基盤として運用できているか

    導入した技術によって、新しい技術を導入できる基盤が整ったか、運用できているかも確認しましょう。例えば、OCRやFAXの電子化が根付いたら、次はRPAやAIを導入してみるという流れです。技術が現場に馴染んでいないのに、どんどん新しい技術を導入してしまうと頓挫しやすいので注意してください。
    効果測定を行いつつ、課題を改善する仕組みを整えるPDCAサイクルが構築できれば、新しい技術を導入した効果が把握できるということ、さらに新しい技術を導入した時も、しっかりと検証できるということを覚えておきましょう。


    まとめ:現状の把握、前提となる技術を導入、効果の検証という流れを作ろう!

    今回はDX導入に必要となる基盤があるか確認するステップ、DX推進となる技術を導入する順番を明確にするステップ、そしてDX推進となる技術を効果測定するステップについてお話しました。
    DXはデジタル化が進められる基盤があるか、デジタル化する技術があるか、導入後に効果をえられるかという部分を意識しながらステップを計画することが大切です。また、新しい技術をスムーズに受け入れるためにも、現場や実務担当者としっかりとコミュニケーションをとることをおすすめします。
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