フィッシング詐欺とは?企業が今すぐ実践すべき対策とチェックポイント
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近年、フィッシング詐欺の手口はますます巧妙化し、企業や個人を問わず被害が拡大しています。偽のメールやWebサイトを使って、ログイン情報や個人情報を盗み取るこの手法は、日常業務に紛れ込む形で私たちのセキュリティを脅かします。
特に企業においては、従業員の一つの操作ミスが、顧客情報の漏えいや業務停止、信用失墜といった重大なリスクにつながる可能性があります。では、私たちはどのようにしてフィッシング詐欺を見抜き、対策を講じるべきなのでしょうか?
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フィッシング詐欺とは?その仕組みと手口・特徴
フィッシング詐欺は、偽のメールやWebサイトを使って、個人情報や認証情報を盗み取る手口です。銀行や企業、行政機関などを装い、正規の連絡に見せかけて情報入力を促します。
主な手法には、偽サイトへの誘導、SMSやメールによるリンク送信、偽アプリの配布、上司や取引先になりすました送金指示などがあります。これらは本物そっくりに作られており、特に業務に関連する内容を装ったメールは、従業員が疑わずに開いてしまう危険性があります。
企業が狙われるのは、従業員の認証情報を通じて社内システムに侵入し、機密情報や顧客データを盗むことが目的です。セキュリティ意識が低い組織ほど、攻撃の標的になりやすい傾向があります。
1. 偽サイト誘導型(Webフィッシング)
正規の企業やサービスを装ったメールやSMSに記載されたリンクをクリックすると、偽のログインページに誘導されます。ユーザーがIDやパスワードを入力すると、その情報が攻撃者に送信されます。
特徴:
・URLが本物に似ている(例:secure-bank.co.jp → secure-b4nk.co.jp)
・ログイン画面のデザインが本物そっくり
・SSL(https)を装って安心感を与えるケースもある
2. メール・SMS型(スミッシング)
「アカウントに異常があります」「支払いが未完了です」などの文言で、緊急性を煽るメールやSMSを送信。リンクをクリックさせて偽サイトに誘導したり、添付ファイルでマルウェアを仕込んだりします。
特徴:
・差出人が企業名や公的機関を装っている
・件名に「至急」「重要」などの言葉が使われる
・本文に不自然な日本語や翻訳調の表現がある
3. アプリ偽装型
スマートフォン向けに偽のアプリを配布し、インストールさせることで情報を盗みます。銀行系やショッピング系のアプリを装うケースが多く、インストール後にログイン情報やSMSを盗み取ります。
特徴:
・正規のアプリに似たアイコンや名称
・Google PlayやApp Store以外のサイトから配布される
・インストール後に異常な動作(勝手にSMS送信など)
4. なりすまし型(ビジネスメール詐欺・BEC)
上司や取引先を装ってメールを送り、送金指示や情報提供を求める手口。特に経理部門や営業部門が狙われやすく、実在する人物名や過去のやり取りを引用して信頼性を高めます。
特徴:
・本物そっくりの署名やメールアドレス(例:@company.co.jp → @company-corp.co.jp)
・過去のメール履歴を引用して自然な流れを演出
・金額や口座情報の変更を求める内容が多い。
このような手口は日々進化しており、一見して見分けるのが難しいことが多いです。だからこそ、従業員教育や疑似訓練、IT資産管理ツールの活用が重要になります。
【関連ページ】スミッシングとは?SMSを悪用したフィッシング詐欺の仕組みと対策方法
フィッシング詐欺による被害と実際の事例
フィッシング詐欺は、企業や個人を狙って巧妙に仕掛けられるサイバー攻撃の一種です。偽のメールやWebサイトを通じて、ログイン情報や個人情報を盗み取る手口は年々進化しており、一度の被害が企業の信用や業務に甚大な影響を与えることもあります。ここでは、フィッシング詐欺によって引き起こされる主な被害と、実際に起きた事例を紹介します。
実際の事例事例①:製造業における設計図の流出
ある日本の大手製造業では、技術部門の社員が受け取った業務連絡を装ったメールに添付されたファイルを開封したことで、社内ネットワークにマルウェアが侵入しました。攻撃者は内部のファイルサーバーにアクセスし、製品の設計図や開発中の技術資料を外部に送信。後に、海外の競合企業が発表した製品に酷似していることが判明し、技術流出の可能性が高いとされました。企業は調査と対策に数千万円規模の費用を投じ、社内のセキュリティ体制を全面的に見直すこととなりました。事例②:医療機関でのランサムウェア感染
国内の中規模病院では、医療事務スタッフが受け取った「診療報酬改定に関する通知」と題されたメールに添付されたPDFファイルを開いたことで、ランサムウェアに感染。電子カルテシステムや予約管理システムが暗号化され、診療業務が3日間にわたり完全に停止しました。患者の診療履歴や検査結果にアクセスできず、救急対応にも支障が出たため、近隣の医療機関に一部患者を転送する事態に。復旧には専門業者の対応と数百万円の費用がかかり、病院はセキュリティ教育とシステム監視体制の強化を余儀なくされました。フィッシングサイトの対処法と予防策
次にフィッシングサイトの対処法と予防策をチェックしてみましょう。
偽装されたサイトに注意する
フィッシングサイトは、銀行やクレジットカード会社などの公式ページを模倣し、ログイン画面や問い合わせフォームを本物そっくりに偽装します。HTMLやCSSの構造まで再現されているため、見た目だけでは判別が難しいこともあります。
企業や組織では、業務用のオンラインサービスを装った偽サイトにアクセスしてしまい、ログイン情報を盗まれるケースが報告されています。普段と異なるログイン手順や、突然の再認証要求があった場合は、正規の方法でアクセスし直すようにしましょう。
怪しいメールやメッセージのリンクはクリックしない
最近では、マルウェアに感染した社内端末や取引先から、成りすましメールが送られてくる事例も増えています。メールに記載されたURLが本物に見えても、偽サイトに誘導される可能性があります。
リンクが記載されたメールを受け取った場合は、まず送信者本人に確認しましょう。ただし、メールに返信するのではなく、電話やチャットなど別の連絡手段を使うことが重要です。返信がトリガーとなってウイルスが拡散するケースもあるためです。
IDやパスワードの入力時は慎重に
「いつも使っているサービスだから」と油断して、偽サイトに情報を入力してしまうケースが後を絶ちません。特に「エラー」「再設定」などの文言で誘導される場合は要注意です。
ログインを求められたら、まずはGoogleなどで公式サイトを検索し、正規のドメインからアクセスするようにしましょう。ログイン後に何も異常が表示されない場合は、フィッシングの可能性が高いため、公式の問い合わせ窓口に確認するのが安全です。
普段使うオンラインサービスを「ブックマーク」に登録しておく
よく使うオンラインサービスは、公式サイトのURLを事前に確認し、ブラウザのブックマークに登録しておくと安心です。怪しいメールに記載されたリンクにはアクセスせず、ブックマークから直接アクセスする習慣をつけましょう。
ただし、万が一パソコンが乗っ取られている場合、ブックマーク自体が書き換えられる可能性もあります。定期的にURLを確認し、必要に応じて検索から公式サイトにアクセスし直すことも大切です。
パソコンやスマホを最新の状態にする
セキュリティ対策の基礎として、パソコンやスマホ、タブレットを最新の状態にするのも忘れないようにしてください。特にブラウザやメールソフトのアップデートは欠かさないようにしましょう。
もし、何らかのかたちでマルウェアに感染した場合、利用しているメールアドレスが悪意のある第三者に伝わってしまえばフィッシングサイトへ誘導される可能性も高まりますし、メールソフト内のメールを悪用するために引用されてしまうと高い確率で騙されてしまう可能性があるからです。
サイバー攻撃は一つの手段だけでなく、複合的に攻撃してくるものであり、フィッシングサイトに気を付けるだけでなく、他のサイバー攻撃に関する知識も増やしておきましょう。
【関連ページ】標的型攻撃メールの対策方法|企業が今すぐ実践すべき5つのポイントと最新脅威動向
まとめ:情報システム管理・セキュリティ担当者としてどうすべきか
フィッシングサイトによる被害を個人のものと考えず、今回ご紹介したフィッシングサイトの基礎知識や対策、予防策の情報を共有し、企業や組織に属する全ての人に注意を促しましょう。
基本的にほとんどのサイバー攻撃は「手口を知らない」人間を騙すことに長けています。手口を知ってさえいれば防げる可能性が高まりますし、怪しいと思ったら担当者に相談する体制を整えておけば感染や被害のリスクを少なくすることができます。
企業や組織内の人間がフィッシングサイトに騙された場合、情報を盗み出されるだけでなく、何らかのマルウェアに感染させられたり、間接的に他のログイン情報を盗み出されたりと被害が大きくなる可能性があります。
また、単なるセキュリティ意識の向上や啓発だけでなく、システム面でサイバー攻撃への対策を行うことも必要でしょう。
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