デジタルセールスとは?営業の新たな在り方を分かりやすく解説
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デジタルセールスとは?営業の新たな在り方を分かりやすく解説
「営業は足で稼ぐもの」
こういった営業の美学はとても素晴らしいですが、今は従来の営業スタイルでは生き残れない時代になってきています。熱意や人柄が営業において大きな成果につながることは間違いありませんが、そうした属人的な手法に頼ってばかりいては、成果を安定・向上させることが難しくなります。
この記事では、新たな営業の在り方として注目されるデジタルセールスについて取り上げ、分かりやすくご紹介していきます。
営業担当の方は是非一度ご一読ください。
デジタルセールスとは
まずはデジタルセールスとは何かについて確認しておきましょう。
デジタルセールスとは、その名の通りデジタル技術やITツールを駆使してセールスを行う営業手法のことを指します。
これまでの営業は、情報収集や顧客への提案も対面で行うことが当たり前でした。
しかし現代は、インターネットを始めとする技術の進歩、SFAなどのセールステックと呼ばれる営業を支援するテクノロジーの登場といった背景により、ここ最近一気にセールスのデジタル化が進んでいるのです。
日本においても一般化し始めているインサイドセールスも、デジタルセールスの一種と言えるでしょう。
なぜ今デジタルセールスが求められるのか
ではなぜ今そんなデジタルセールスという手法が求められているのでしょうか。以下に3つの理由をご紹介します。
理由①:顧客の購買までの行動が変わった
一つ目の理由として、顧客の購買までの行動が変わったことが挙げられます。これまで顧客は購入するまで、商品・サービスそのものの情報や関連情報などを得るには営業担当から直接話を聞く必要がありました。
しかし、インターネット・WEBの発達やオウンドメディアによる情報発信が主流になった今、わざわざ営業担当に会わなくても、ネットで検索すれば自分の欲しい情報を手に入れることが簡単にできるようになりました。
こういったことから、従来の営業の存在意義が問われ、新たなデジタルセールスという手法が必要になってきているというわけです。
理由②:顧客の行動や情報がWEB上で取得可能になった
WEB上で顧客の行動パターンや各種情報を取得することができるようになったことも理由の一つと言えるでしょう。先ほど顧客が商品やサービスに関する情報を手に入れるのに営業に会う必要がなくなったとお話しました。
これは営業の視点でも同様です。
これまで直接対面することで顧客の態度や興味の具合などを測りつつ、適切なタイミングで提案することが求められていました。
しかし現在はMAなどのツールが登場したおかげで、顧客の行動や興味、購買パターンなどの情報がすぐに得られるようになっています。
そのため営業の役割や在り方も変わっていく必要が出てきたのです。
理由③:新型コロナウィルスによる対面型営業の限界
最後は新型コロナウィルスの影響です。コロナにより社会の在り方は変化を強いられています。
営業も例外ではありません。
感染症予防の観点から、「人とはできるだけ接触しない」ことがベストとされる社会的状況において、従来の営業は顧客のもとへ通うこともできず、電話やメールなどの対応をするしかありませんでした。
しかし、デジタルセールスという手法を取り入れれば、そもそも対面での対応を最小化することができ、顧客に対しての情報提供もオンライン上で実施することができます。
こういった社会状況も大きな理由の一つと言えます。
デジタルセールスに取り組むメリット
続いて、デジタルセールスに取り組むメリットについてご紹介していきます。メリット①:営業エリアの拡大
一つ目のメリットは営業エリアの拡大です。デジタルセールスに取り組むことで、これまで物理的な距離などからアプローチできなかったエリアの見込み顧客に対しても、営業をかけていくことができます。
極論世界中の見込み顧客に対して、アプローチすることができ、自社の商圏を一気に拡大することができるのです。
メリット②:一日あたりのアプローチ数が向上する
二つ目のメリットとしては、一日あたりのアプローチ数が向上するという点です。従来の営業手法では、見込み顧客のオフィスに訪問していくわけですが、そうなるとどうしても移動時間がかかるため、一日に訪問できる見込み顧客数は多くても4~5社ほどになるでしょう。
その点デジタルセールスであれば、電話やメール、ITツールなどでアプローチしていくことになるので、移動コストが一切かかりません。
そのため一日あたりにアプローチできる顧客数も当然増え、一日あたり数十社に対してコンタクトすることも可能になるのです。
メリット③:科学的なアプローチができる
また科学的なアプローチができるという点も見逃せません。デジタルセールスでは、ITツールなどを駆使して、顧客にアプローチしていくことになります。
そのため例えば
・Webサイトに訪問した
・広告を開いた
・メルマガのURLをクリックした
といった顧客の行動が数値として取得することができます。
それらの数値を基に今行っているアプローチに効果があるのかといった効果検証ができ、アプローチの改善などに繋げることも可能です。
つまりなんとなく継続するアプローチから卒業し、明確な根拠を基にしたアプローチが展開できると言えるでしょう。
デジタルセールスにおける営業アプローチの流れ
ここからはデジタルセールスにおける営業アプローチの流れを見ていきましょう。ステップ①:アプローチ
まず見込み顧客に対するアプローチです。デジタルセールスにおいては、見込み顧客へのアプローチはインサイドセールスという手法で行うことになります。
インサイドセールスとは、電話やメール、各種ITツールを活用して、遠隔で顧客へアプローチしていく営業手法であり、まさにデジタルセールスにおける中核的な手法と言えます。
インサイドセールスにおいては先述の通り、遠隔でコミュニケーションを図っていくため、通常の営業手法と比べて、移動コストなどが掛からず、効率よくアプローチすることができます。
電話やメールを中心に営業をかけていくことになるため、一日にコンタクトできる顧客数も増やすことができるでしょう。
ステップ②:育成
続いては育成の段階に入ります。通常の営業においては定期訪問を重ね、顧客のニーズを引き出し、自社の製品やサービスへの興味関心を高めていくわけですが、デジタルセールスではこのプロセスもインサイドセールスが主に担当することになるでしょう。
はじめにコンタクトを図った後、電話やメールで定期的なコミュニケーションを取っていきます。
そのなかで顧客から引き出した会話を基に、様々な情報や資料などを提供していき、購買意欲を醸成していくわけです。
また後程ご紹介するMAなどを用いて、特定のアクションを起こした顧客に対して、広告やメルマガなどを配信する等のアプローチも有効でしょう。
ステップ③:商談
インサイドセールスによって、購買意欲が一定まで高まればいよいよ商談となります。デジタルセールスにおいては、商談も遠隔で行うことが多くなるでしょう。
具体的にはWeb会議システムなどを用いて、実際の商談と同様に、自社の製品・サービスを提案していくことになります。
この際営業用資料をデータ化して画面上に表示させ、顧客に対して説明していくわけですが、この時に用いる資料はWeb会議の特性に合わせて、専用の資料を作るべきでしょう。
画面上で映された資料は「見やすさ・読みやすさ・わかりやすさ」を重視する必要があるからです。
またWeb会議システムで商談を行う場合、オンライン上で名刺交換を行えるシステムを活用していれば、商談もスムーズに進めることができるでしょう。
ステップ④:フォロー
商談が無事終わって、契約も締結した後は、定期的なフォローを実施していきます。このステップについては、営業担当者が引き続き行うパターンもあれば、インサイドセールスが受け持つパターンや、カスタマーサクセスと呼ばれる担当をつけるパターンもあります。
フォローにおいては、同じく電話やメール、Web会議システムを用いて、導入した製品・サービスを顧客のビジネス成長に繋げるための支援を行っていく形になるでしょう。
そういった支援を行いつつ、クロスセルやアップセルなどの機会を探り、LTVを最大化するためのコミュニケーションを図ることが重要になります。
デジタルセールスに欠かせない3種の神器
続いて、デジタルセールスの手法を取り入れるうえで欠かせない3つのツールをご紹介していきます。3種の神器①:SFA
一つ目のツールが先ほども軽く触れたSFAです。SFAはSales Force Automationの略語で、営業支援システムとも呼ばれています。
営業担当者が日々の営業プロセスを入力することでタスクを管理することはもちろん、次に取るべきアクションを示してくれたり、行動のプロセスを可視化させて周りに共有したりといった、営業担当者にとって非常に役に立つ機能を提供してくれます。
他にも
・成果と直結するプロセスを分析できる
・トップセールスのプロセスをベンチマークとして活用できる
・営業組織全体の動きを把握できる
といったメリットもあります。
デジタルセールスを行うためには、必須のツールと言えます。
3種の神器②:MA
続いてのツールはMAです。MAはMarketing Automationの略語で、よくマーケティングの自動化などと直訳されていますが、マーケティング支援システムと考えれば分かりやすいでしょう。
広告キャンペーンの効果測定やリード(見込み客)管理、メールの配信・効果分析などマーケティングはもちろん営業担当にとっても非常に役に立つ機能が備わっています。
先ほどご紹介したSFAが営業自体の動きの最適化を目的としているとすれば、MAは顧客への行動の最適化を目的としていると言えます。
顧客のニーズや行動パターンなどをMAのデータを基に分析し、適切なタイミングで、適切な広告配信や提案を実行するといった活用法が一般的ですね。
3種の神器③:WEB会議システム
最後のツールがWEB会議システムです。SFAやMAを導入しデータを活用しつつ、広告やメール、その他のコンテンツをWEB上で提供することで、対面せずに顧客のニーズを醸成していくことは可能です。
しかし購買意欲が高まり、商談や契約上の手続きといった段階になれば、営業担当者と顧客が直接話す必要は必ず出てきます。
そこで活躍するのがWEB会議システムです。
先述の通りZoomやTeamsなどをフルに活用することで、遠隔で商談をすることが可能になります。
ツールによってはオンラインでの名刺交換を可能にする機能を搭載したものもあるため、非常に便利です。
デジタルセールスを行う上で大事なこと
ここでデジタルセールスを行う上で大事なことをお話したいと思います。顧客の気持ちを考える
インターネットやMAを用いることにより、顧客の購買段階がどの程度まで来ているのか、どの商品のページに来ているのか、どのメールを読んでいるのか、といったことがわかるようになりました。営業としてはそれを基にして、提供する情報や提案内容を考えていくわけですが、ここで顧客をデータのように扱ってはいけません。
「このページを見ているというデータがあるから、これが必要なはず」といった具合に、強引に売り込んでしまえば、いくらその提案が的を射ていたとしても顧客は離れてしまいます。
今の世の中「自分がどんなページを見ているのか」、「どんな商品を欲しいと思っているのか」など、企業側からモニターされていること自体は大半の人が分かっています。
とはいえ、それがあからさまに利用されていると感じれば、人は監視されているような気分になり敬遠するもの。
「顧客の気持ちを汲んで、寄り添って、提案する」という従来の営業マインドは忘れてはいけないのです。
営業としての介在価値を明確にする
SFAはまだしも、MAなどを活用することでマーケティング領域と非常に重なることになるデジタルセールス。こうなると営業とマーケターという二つの職種同士の境目が曖昧になってきます。
マーケティングとセールスという領域は、本来重なっていて然るべきものですが、役割自体が重なってしまってはいけません。
顧客にとって営業が介在する価値は何なのか?
この点を明確にしたうえで、デジタルセールスに取り組む必要があるでしょう。
デジタルセールスのファーストステップ
ここまでデジタルセールスについての概要をお伝えしてきました。とはいえ、どこから始めたらいいのかと思われる方もいらっしゃるでしょう。
そこでデジタルセールスへ取り組む際のオススメのファーストステップをお伝えしていきます。
デジタルセールスにおいて最初に取り組みやすいのはSFAの導入でしょう。
SFAは先ほどご紹介したとおり、営業の行動を最適化するために役に立ちます。
現場で忙しく働いているメンバーは、週報や提案書作りといった色々な事務処理に追われています。
そんな中、自分たちの仕事にすぐに役に立つかイメージできないシステムを導入しても、使われずに終わってしまいます。
その点、営業メンバーにとってもダイレクトに役に立ってくるSFAであれば受け入れられやすくなるでしょう。
まとめ
デジタルセールスがこれからの時代に効果的な営業手法であることは、お分かりいただけたでしょうか。当社の提供するセールスDX推進ツール「ホットプロファイル」は、このデジタルセールスにおいて役に立つ機能をそろえています。
名刺管理という機能を軸として、SFAやMAといった機能も搭載しており、且つオンラインでの名刺交換も可能にするシステムも提供しております。デジタルセールスを始めたいという方は一度お気軽にご相談ください。