【特定電子メール法】メルマガ配信の際に押さえるべきポイント
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メルマガの運用をする上で絶対に押さえておかないといけない「特定電子メール法」という法律があることはご存じでしょうか。
この法律を知らずにメルマガを運用すると、最悪罰金や懲役を科される可能性があります。
そこでこの記事では、特定電子メール法の概要を説明するとともに、メルマガ配信において押さえておくべきポイントをご紹介しています。
メルマガの運用をこれから検討される方は勿論、すでに運用されている方も是非一度お読みください。
特定電子メール法とは
特定電子メール法とは
特定電子メール法とは、広告・宣伝を含めた迷惑メールやチェーンメールなどを規制し、良好なインターネット環境を保つために2002年に施行された法律です。正式名称は「特定電子メールの送信の適正化などに関する法律」となっています。
「迷惑メール防止法」といった俗称もあるので、併せて認識しておきましょう。
特定電子メール法が施行された背景
2000年代に入り、インターネット環境や携帯電話を始めとした通信デバイスが普及しました。それに伴ってインターネットを用いた広告宣伝も活発となり、その一部で短期間に同じ内容の広告宣伝を大量に送り付けるといった業者も現れたのです。
こういった事態は「迷惑メール」として社会問題化したため、電子メールでのやり取りを規制する流れとなったわけですね。
特定電子メール法に違反した場合
そんな特定電子メール法ですが、実際に違反してしまった場合どういったことが起こるのでしょうか。罰則が規定されているのは大きく以下の6つのケースです。
①送信者情報を偽った送信をした場合
1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます。
法人の場合だと、偽って送信をした者を罰するほか、法人に対して3,000万円以下の罰金が科されるので要注意です。
②架空の電子メールアドレス宛に送信した場合
総務大臣及び、内閣総理大臣によって適正な措置を取るように命じられます。
もし命令に従わなかった場合は1年以下の懲役または100万円の罰金、及び法人の場合は、法人に対して3,000万円以下の罰金が科されます。
以下、3つのケースも同様の罰則となります。
③受信を拒否した人に送信した場合
④表示義務に違反した場合
⑤同意のない人に送信した場合
⑥同意の記録義務違反
総務大臣および内閣総理大臣によって、適正な措置を取るように命じられます。
命令に従わない場合は100万円以下の罰金、及び法人の場合は、法人に対しても100万円以下の罰金が科されます。
特定商取引法との違い
特定電子メール法に関連した法律として、「特定商取引法」が挙げられます。
これら二つの法律は混同されがちですが、目的や取り締まる対象などが異なります。
特定電子メール法は電子メール送受信における支障を防止するために送信を規制しています。
そのため特定電子メール法の規制対象となるのは、送信者や営業について広告宣伝メールの送信を委託した者、つまり「メールの送信者」です。
対して、特定商取引法は消費者保護や取引の公正等の観点から広告を規制するという目的を持ちます。
つまり特定商取引法でのメールに関する規制対象となるのは広告主であり、広告主である販売業者などが、商品の広告宣伝メールなどを送信する場合に適用される形になるのです。
特定電子メール法の適用範囲
続いて、具体的にどういったメールが特定電子メール法の適用となるのかを見ていきましょう。特定電子メール法が適用されるメール
特定電子メール法が適用されるのは、基本的に広告や宣伝を目的とした電子メールとなります。主に以下の2つのパターンがあります。
①広告・宣伝を目的とする電子メール
自社の営業活動において、製品やサービスを紹介する情報などを内容として記載しているメール
②サイトへの誘導を目的とするメール
自社の営業活動において、製品やサービスなどを紹介するWEBサイトへのリンクを記載し、誘導を図る内容を記載しているメール
これら二つの要素をどちらかでも含んでいるメールは、特定電子メール法が適用され規制の対象となります。
これらの要素が含まれていれば携帯電話やスマホ、タブレット同士で電話番号によってメッセージのやり取りをするSMSも対象となります。
他にも、他人・他社の売り込みのために送信されるメールや、海外から送信される広告宣伝メールも対象となります。
特定電子メール法が適用されないメール
対して、「取引条件や料金などの通知を目的とし、広告や宣伝の内容を含まない、かつ広告・宣伝を目的としたWEBサイトへの誘導がない電子メール」は特定電子メール法が適用されません。つまり、どのような目的のメールであっても
・広告宣伝
・広告宣伝を目的としたWEBサイトへの誘導
の2点が含まれていなければ、適用されないというわけです。
そのため営利目的ではない個人や非営利団体からのメールも適用されません。
メルマガの配信時に押さえるべきポイント
最後に特定電子メール法の中で、メルマガを配信する上で必ず押さえておくべきポイントについてお話したいと思います。ポイント1:オプトイン規制
一つ目のポイントはオプトイン規制です。
特定電子メール法では、メルマガなどの広告や宣伝を目的としたメールは、事前に受信者側の同意を得ることで送信可能、と規定しています。
これを「オプトイン規制」と言います。
・オプトイン規制における同意とは
オプトイン規制における同意とは、「受信者が広告・宣伝メールの送信を行うことを認識した上で、それについて賛成の意志を表示する」ことを指します。
ここでいう同意の範囲は、あくまで電子メールの送信に対してであり、送信する電子メールの内容などまで特定して同意を取る必要はありません。
・同意取得時に表示すべき事項
オプトイン規制における同意を取得する際に表示すべき事項としては、「広告・宣伝メールの送信が行われること」、「その送信を行う者が誰であるか」の2点となっています。
この2点について、目が見えない等の特殊な状態でない人間であれば認識できるような形で表示することが求められます。
・第三者を通じた同意の取得
状況によっては、広告媒体事業者やプラットフォーム事業者などといった第三者を通じて、同意を取得する場合もあります。
この場合、送信者や送信委託者を受診者側が明確に認識できるように表示されていなければ、送信者に対する同意の通知には該当しないので注意が必要です。
・オプトイン規制の例外
ただし例外として同意なしに送信することができる場合もあるので、こちらも押さえておきましょう。
【同意なしでも送信することができる4つのケース】
<すでに取引関係にある者に対してメールを送信する>
ただし、通信販売などの電子メール広告の場合は、特定電子メール法ではなく特定商取引法の規制によって事前同意なしの送信は禁止されています
<名刺などの書面によって自己のメールアドレスを通知した者に対して送信する>
この場合も一つ目と同様、特定商取引の規制があるので要注意です。
<自己のメールアドレスを通知した者に対して、以下の広告・宣伝メールを送信する>
‐同意を確認する電子メール
‐契約や取引履行に関する事項を通知するメールで、付随的に広告宣伝するもの
‐フリーメールサービスを用いたメールであって、付随的に広告宣伝するもの
<自己のメールアドレスをインターネットで公表している者に送信する>
個人が対象となる場合は、営業を営む場合の個人に限ります。
ポイント2:同意を証明する記録を保存する
二つ目のポイントは「事前の同意を証明する記録の保存」です。
先程、広告宣伝に関するメールを送る際には受信者側の事前同意が必要だとお話しましたが、この「事前同意を得たことを証明する記録」を保存することも重要なポイントになるのです。
・保存すべき内容
ここでいう保存すべき内容としては「同意を取得している個別の電子メールアドレスに関して、同意を取得した時期や方法などの状況を示す記録」となります。
また送信者が書面の提示、電子メールの送信、WEBサイトから通信文の伝達をしていた場合、電子メールアドレスのリストに加えて、以下の事項を保存内容とすることも可能です。
‐当該書面に記載した定型的な事項
‐当該電子メールの通信文のうち定型的な事項
‐WEBサイトに表示された事項のうち定型的な事項
・保存期間
保存期間については、該当の電子メールを送信しないこととなった日から、一か月を経過する日まで保存しなければなりません。
ただし、特定電子メール法の第7条における措置命令を受けた場合、送信を最後に行った日がいつかによって保存期間が変わってきます。
例えば命令を受けた日から一年以内に最後の送信を行った場合、その送信日から一年間の保存が義務付けられます。
対して、命令を受けた日から一年経過して以降に最後の送信を行った場合、その送信日から一か月間保存しなければなりません。
ポイント3:オプトアウト
続いてのポイントは「オプトアウト」です。
特定電子メール法では「受信者からの同意を得てメルマガを配信していたとしても、配信停止の申し出があった場合は即座に配信停止をしなければならない」とされています。
そのため本文中に「メルマガの配信停止の手続きをするページのURL」を配置するなど、配信停止のための手段を配置し、オプトアウトを行えることが求められるのです。
・通知内容
オプトアウトで送信しないように求める通知については、特定電子メールの受信に係る電子メールを明らかにして行うこととされています。
また一部の特定電子メールの送信のみをしないように求めたり、一定の期間送信しないように求めたりすることも可能です。
・オプトアウトの例外
ただし、以下のケースであれば配信停止の申し出があってもメール送信できます。
<配信停止の申し出があってもメールを送信できるケース>
‐契約や取引履行に関する事項を通知するメールで、付随的に広告宣伝するもの
‐フリーメールサービスを用いた電子メールであって、付随的に広告宣伝するもの
‐そのほか広告または宣伝以外の行為を主たる目的として送信される電子メールにおいて、 付随的に広告宣伝するもの
・簡単なオプトアウト方法の整備
オプトアウトが複雑である場合、受信者はオプトアウトをせずに、フィルタリングなどを用いて拒否するケースがあります。
この場合、電子メール自体は受信者に到達していないだけで、電気通信事業者のサーバーなどへの負荷は掛かり、良好な電子メール環境の整備の妨げになってしまいます。
そのためできるだけ簡単にオプトアウトができるように、送信者側が工夫を講じなければなりません。
ポイント4:送信元情報などに関する表示義務
次にご紹介するポイントは「送信元などの情報を表示する義務」です。
広告・宣伝を目的としたメールの送信にあたっては、以下の情報の表示が義務付けられています。
<表示義務の対象となる情報>
・送信者などの氏名または名称
・受信拒否の通知ができる旨
・受信拒否の通知を受けるためのメールアドレスまたはURL
・送信者などの住所
・苦情・問い合わせなどを受け付ける電話番号、メールアドレス、URL
ポイント5:措置命令
最後にご紹介するポイントは措置命令です。
メルマガなどの電子メールを送る際に、特定の行為をしてしまうと、電子メールの送信方法の改善に関して、総務大臣や内閣総理大臣から措置命令を受ける場合があります。
そのため対象となる行為に該当しないように、注意しなければなりません。
・対象となる行為
措置命令の対象となるのは以下の行為です。
‐一時に多数の者に対して特定電子メールなどを送信する
‐オプトイン規制やオプトアウトに関する規定を順守せずに送信する
‐表示義務を順守していない場合
‐送信者情報を偽った電子メールを送信する
‐架空電子メールアドレス宛に送信する
・必要な措置
電子メールの送信方法の改善に関する必要措置の内容は、どのような送信行為をしたかによって異なります。
例えばオプトイン規制に問題があるのであれば、オプトイン規制を順守する必要がありますし、表示義務に違反していたのであれば、適切な内容を表示する旨の命令が下されることになるでしょう。
まとめ
特定電子メール法の基本的な内容を踏まえて、メルマガ配信時のポイントをお話してきましたが、いかがでしたか。色々注意しなければいけない点があって面倒だと思った方に朗報です。
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