非定型帳票処理の革新!AI OCRで実現する業務のデジタル化

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    企業の業務効率化が求められる中、帳票処理の自動化は重要な課題です。特に「非定型帳票」は、そのフォーマットの多様性から手作業での処理が煩雑で、エラーや時間のロスを招きやすいものです。
    ここでは、非定型帳票の特徴と、それに対するAI OCR技術の進化について詳しく解説します。AI OCRを活用することで、どのように業務効率化が進むのか、そしてどんなメリットが得られるのかを一緒に見ていきましょう。

    非定型帳票とは何か

    非定型帳票とは、データの記載形式や配置に決まったルールがない帳票を指します。定型帳票のように統一されたフォーマットを持たず、帳票ごとに情報のレイアウトや記載の仕方が異なるのが特徴です。このため、同じ種類の情報を含む帳票であっても、フォーマットが異なる場合には、それぞれの帳票に応じた柔軟な対応が求められます。
    例として、以下のような帳票が挙げられます。
  • 手書きのメモ
  • 複数種類のフォーマットが混在する請求書
  • アンケート結果や自由記述形式のレポート
  • 非定型帳票は柔軟性が高いため、特定の業界や状況に応じてカスタマイズされることが多いですが、その分データの取り扱いが難しくなります。

    非定型帳票と定型帳票の違い

    非定型帳票と定型帳票の違いをまとめると以下のようになります。

    非定型帳票と定型帳票の違い
    非定型帳票と定型帳票の違い

    非定型帳票をOCRで読み取るには 非定型帳票をOCRで処理することは、従来の技術では非常に困難でしたが、AI技術の進化により、近年では実現可能な範囲が大きく広がっています。ただし、完全な自動化にはまだ課題が多く、以下の点が主要な課題として挙げられます。

    レイアウトの多様性

    非定型帳票では、データ項目の配置が一貫していないことが一般的です。このため、事前に設定されたフォーマットに基づくルールベースのOCRでは、正確にデータを抽出することが困難です。

    フォントや手書き文字の多様性

    手書き文字や異なるフォント、サイズ、スタイルの文字が含まれる場合、認識率が低下します。特に、手書きの内容は筆跡やクセに大きく影響されるため、精度の高い処理が求められます。

    背景デザインやノイズの影響

    帳票にイラストや背景模様が含まれる場合、OCRエンジンがこれを文字と誤認することがあります。また、スキャン時の汚れや影がノイズとして認識を妨げるケースもあります。

    AI OCRはなぜ非定型帳票に対応できるのか

    AI OCRが非定型帳票に対応できる理由は、従来型のルールベースOCRとは異なり、AI技術が帳票の内容や文脈を動的に理解し、学習によって精度を向上させる能力を持っているためです。その主な特徴とメカニズムを以下に説明します。

    1. 従来型OCRとの違い

    従来型のOCRは「ルールベース」で動作し、事前に決められたフォーマットに基づいてデータを認識します。このため、フォーマットが異なる非定型帳票には対応できません。一方、AI OCRは以下の点で柔軟性が高いです。
    決まったフォーマットに依存せず、帳票内の情報を文脈や周辺情報から動的に認識
    学習済みモデルを使用するため、新しいフォーマットにも対応可能

    2. AI OCRが非定型帳票に対応できる理由

    機械学習とディープラーニングを活用

    AI OCRは、大量の帳票データをトレーニングデータとして使用し、情報を読み取るアルゴリズムを学習します。この学習プロセスにより、以下の能力が向上します。
  • 多様なレイアウトの識別:フォーマットが異なる帳票でも、共通する情報パターンを理解します(例:日付や金額の位置)
  • フォントや手書き文字の認識:特殊なフォントや筆跡にも対応可能
  • 文脈理解:特定の単語やフレーズの周辺情報を基にデータの種類を推測します
  • 自然言語処理(NLP)の統合

    AI OCRは、文字認識だけでなく自然言語処理(NLP)の技術を組み合わせることで、非定型帳票内の文脈を理解します。
    例えば以下のようなプロセスです。
  • 「金額」というラベルがなくても、数値の前後の文脈からそれが金額であることを推測
  • 同じ「2023-12-01」というデータでも、隣接する単語を解析し、「発行日」か「納品日」かを判断
  • テンプレートレス技術

    AI OCRは固定テンプレートを必要とせず、以下のようなアプローチで情報を抽出します。
  • アンカー方式:帳票内の特定のキーワード(例:「請求書」や「合計」)をアンカーとして周辺のデータを抽出
  • クラスタリング技術:似た形式の帳票を自動で分類し、それぞれに最適な認識ルールを動的に適用
  • 継続学習と適応能力

    AI OCRは、使用するたびにフィードバックを受け取ることで継続的に学習し、精度を向上させます。例えば以下のような方法で学習します。
  • ユーザーが誤認識を修正すると、そのデータを学習に取り入れる
  • 新しいフォーマットの帳票に対応するためのデータが追加される
  • 3. AI OCRが可能にする高度な機能

    以下の機能が非定型帳票対応をさらに現実的にしています。

    領域検出(Layout Detection)

    AIは、帳票内のデザインや文字ブロックを検出し、レイアウトを解析することが可能です。
    例:複数列の表や自由記述エリアを自動で特定し、適切な方法でデータを抽出する。

    ノイズ耐性

    非定型帳票に多い背景模様や印鑑、ロゴなどをAIが「非重要データ」として自動的に除外し、文字認識の妨げを防ぎます。

    多言語対応

    AIモデルは、多言語や異なる文字セットを学習しているため、非定型帳票に含まれる複数の言語や異なる文字スタイルにも対応できます。

    モバイルフレンドリー

    スマートフォンやスキャナで撮影された歪みのある画像にも対応でき、画像補正機能で精度を維持します。

    4. AI OCRの導入で得られる効果

    非定型帳票をAI OCRで処理することで、以下のようなメリットが得られます。
  • 業務効率化:多種多様な帳票を一括処理できる
  • データの一元管理:異なるフォーマットの帳票から得たデータを統一的に管理
  • 柔軟な拡張性:新しい帳票フォーマットにも即座に適応可能

  • AI OCRを導入するメリット|非定型帳票にも対応で効率化を加速

    AI OCRを導入することで、具体的に以下のようなメリットがあります。

    1. 業務効率化

    AI OCRの最も重要なメリットは、業務効率の大幅な向上です。従来は手作業で行っていたデータ入力や確認作業を自動化することで、次のような効果が得られます。

    スピードの向上

    人間が手作業で数時間かけて入力していたデータを、AI OCRはわずか数分で処理します。これにより、書類の処理スピードが劇的に向上し、他の業務にリソースを割り当てることが可能になります。
    例:1日100件の請求書を処理する場合、従来の方法では8時間かかっていた作業が、AI OCRを導入することで1時間以下に短縮されます。

    処理量の拡大

    AI OCRは、大量の帳票や文書を一括して処理する能力を持っています。これにより、業務が集中する繁忙期や、大量のデータを短期間で処理する必要がある場合でも対応可能です。
    例:決算期における大量の伝票処理を、従来の人手作業ではなくAI OCRで対応することで、締め切りに間に合う効率的な業務遂行が可能になります。

    2. コスト削減

    AI OCRの導入により、人手で行う必要のあった反復的な作業を削減できるため、人的リソースにかかるコストが大幅に減少します。さらに、以下のような具体的なコスト削減効果があります。

    人件費の削減

    データ入力や文書確認に従事していたスタッフの業務負担が軽減され、これらのリソースをより付加価値の高い業務に振り分けることが可能です。例えば、データ分析や顧客対応など、戦略的な業務に従事させることができます。

    運用コストの最適化

    AI OCRは、一度導入すれば継続的な運用が可能で、ソフトウェアのアップデートや学習を通じて長期的に高いパフォーマンスを発揮します。その結果、従来必要だったアウトソーシングや短期雇用の費用も削減できます。

    3. 精度の向上

    AI OCRは、従来の手作業に比べて高い精度で文字やデータを認識します。これにより、次のようなメリットが得られます。

    人為的なミスの削減

    人間が行うデータ入力作業では、タイプミスや確認漏れといったヒューマンエラーが避けられません。AI OCRを導入することで、こうしたミスが削減され、データの正確性が向上します。

    継続的な精度改善

    AI OCRは、利用を重ねるごとに学習を続けるため、読み取り精度が向上します。たとえば、特定のフォーマットや業界特有の表現にも適応できるようになり、時間が経つほど信頼性が高まります。

    4. 業務プロセスの標準化

    企業や組織には、異なる部署や取引先ごとに異なる帳票フォーマットが存在することが多く、これが業務の複雑化を招いています。AI OCRの柔軟性により、以下のような業務プロセスの標準化が可能です。

    フォーマットに依存しない処理

    AI OCRは、定型帳票・非定型帳票を問わず、さまざまなレイアウトや形式に対応可能です。これにより、異なるフォーマットを統一的に処理し、情報を一元管理できます。

    業務の簡略化

    データ処理ルールが統一されることで、業務フローがシンプルになり、全体の作業効率が向上します。たとえば、複数の取引先から異なる形式で送られてくる請求書の処理が、一本化されます。

    5. デジタル化の促進

    AI OCRは、紙ベースの帳票や文書をデジタルデータに変換するため、以下のようなデジタル化のメリットが得られます。

    データの検索性向上

    紙の文書は検索や取り出しに時間がかかりますが、デジタル化されたデータは、キーワード検索などで瞬時にアクセス可能です。これにより、情報の可用性が向上します。

    データの共有と分析

    デジタル化されたデータは、部門間での共有や分析が容易になります。たとえば、会計データをリアルタイムで分析し、経営判断に活用することができます。

    保管スペースの削減

    紙の文書を保管するための物理的なスペースが不要になるため、オフィススペースを有効活用できるようになります。

    まとめ

    AI OCR技術は、非定型帳票の自動処理に革命をもたらし、業務効率化、コスト削減、精度向上に大きな影響を与えています。従来のOCR技術では対応できなかった手書き文字や多様なレイアウトにも柔軟に対応し、企業のデジタル化を加速させます。今後、さらに進化するAI OCRの力を活用することで、帳票処理の課題は解決し、業務全体の効率を大幅に向上させることができるでしょう。

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