自動化ツールで事務作業の負担を軽減する方法と導入に伴うメリット・デメリット
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OCRやFAXの電子化、RPAなど、事務作業の一部を自動化するツールが普及し始めました。いわゆるDX推進に役立つIT技術であり、導入の有無によって、生産性の向上や人的リソースの有効活用に大きな違いがでてきます。
今回は自動化ツールで事務作業の負担を軽減する方法、そして自動化ツールの導入に伴うメリット・デメリットについてお話します。
自動化ツールで事務作業の負担を軽減する方法
はじめに自動化ツールで事務作業の負担を軽減する方法について解説します。
OCRやFAXの電子化で紙の帳票の電子データ化を行う
自動化ツールと聞くと「何でも自動化できる」と思い込みがちです。実際には「電子化されたデータなら自動化できる」が正解であり、紙の帳票上にある情報は自動化できません。そのため、まずはOCRやFAXの電子化によって、紙の帳票上の情報を電子データとして扱えるように変換しましょう。
紙の帳票の電子データ化は、ペーパーレス化、オンライン化に移行する際にも役立ちます。入力や転記などの作業をOCRやFAXの電子化で自動化するということでもありますので、膨大かつ煩雑な入力業務に悩んでいる場合にもおすすめです。
RPAツールを導入して自社でロボット・プログラミングを行う
紙の帳票を電子データ化することができれば、RPAツールによってさらなる自動化が実現できます。判断を必要とせず、繰り返しかつ定型の作業であれば、ほぼRPAで自動化することができるでしょう。
RPAツールでは作業をロボットやプログラムとして作成することができます。昨今では作業を録画し、RPAツールが自動でロボットを生成してくれるものもあります。
注意点としては、前述したように電子データ化した情報はRPAで自動化しやすいですが、紙の帳票のままでは自動化しにくいことです。DXの推進にありがちな間違いですが「自動化が先」ではなく「電子データ化が先」だと覚えておきましょう。
事務系作業やバックオフィス系業務の外部委託・アウトソーシングもおすすめ
自動化できるツールのみ検討してしまうと、実務の現場においてツールと業務がマッチングしにくいことがあります。また、作業や業務の前後にある流れ・担当に負担の皺寄せになることもあるため、慎重に行わなくてはなりません。
もし、IT技術に疎い、または自動化ツールを使いこなす自信がないのであれば、事務系作業やバックオフィス系業務を外部委託・アウトソーシングするのもおすすめです。実務の現場、担当に負担が皺寄せされることもなく、業務の一部をそっくりそのまま外注できるので非常に楽です。
自動化ツールの導入に伴うメリット
次に自動化ツールの導入に伴うメリットをご紹介します。
作業負担の軽減や人的リソースの確保につながる
自動化ツールを導入すると、作業負担が大幅に軽減されます。特に事務系の作業やバックオフィス系の業務において効果的であり、時間的なコストも大幅に削減されるのがメリットです。時間的なコストは人件費などのコストと直結しているため、人材不足に悩まされている状況の改善も期待できます。
同様に人的リソースの確保にもつながるため、本来の業務や作業に集中できるのもメリットと言えます。いわゆる「生産性の向上」も期待できることから、利益や売上にポジティブな影響になるのは間違いありません。
DXの推進を行うための技術的基盤が構築できる
DX=デジタル・トランスフォーメーションの基盤はデジタル化です。紙の帳票上にあるデータはアナログな情報であるため、そのままではDXの推進はできません。前述したようにOCRやFAXの電子化によって、紙の帳票上の情報を電子データ化すれば解決する問題でもあり、自動化を進めることで、DXの推進を行うための技術基盤が構築できるというメリットが得られるということです。
また、OCRやFAXの電子化によって、企業活動で生じる情報を電子データ化することで、情報資産が蓄積されるのもメリットです。ビックデータとしての活用、本店や支店、部門や部署など離れている場所でも共有しやすくなること、または新商品や新サービスの開発など、データ自体が資産として形成され、新しい利益の導線が生まれます。
働き方改革を行うための時間と心の余裕が生まれる
働き方改革は従業員が働きやすい環境を整えるという一面があります。しかし、人員不足、人的リソースの枯渇、時間的な余裕がない場合は働き方改革どころか、雇用するためのコストに追われてしまい、結果として「働きやすい環境」を構築することが難しいです。
OCRやFAXの電子化、その先にあるRPAによる自動化が可能となれば、従業員に時間と心の余裕が生まれます。無理に残業をさせる必要はなくなり、有給休暇も取得しやすくなるでしょう。過度な疲労や負担から開放され、かつ有給休暇によってプライベートも充実するようになれば、働きやすい環境といっても問題ないと言えます。
その上でお互いがお互いをフォローする余裕があり、急な休み、育休や産休、介護のためのテレワークへの切り替えなども可能になれば人材の定着率も高まり、離職率が低下します。結果として雇用するためのコストや人員不足に悩むこともなくなり、かつ生産性の向上が見込めることから、利益を生み出しやすい体質に変化することも期待できます。

自動化ツールの導入に伴うデメリット
次に自動化ツールの導入に伴うデメリットをご紹介します。
無理な自動化=DXの推進が従業員の離職および退職の原因になる
DXの推進で懸念されているのが、無理な自動化によってかえって従業員の離職および退職の原因になってしまうことです。世代、または業界や業種によってはIT化自体が歓迎されないこともあり、無理に自動化を進めることで「AIに仕事を奪われる」や「DXの推進は人件費削減のためだ」と誤解を生んでしまうのが理由と言えます。
しかし、実際には自動化ツールも含めて、DXの推進は「将来的な人材不足を解消するため」にあり、同時に「従業員の負担を軽減し働きやすい環境を整える」ためにあります。無理に自動化することで起こる弊害ですので、実務の現場で働く従業員や担当からしっかりとヒアリングを行うことが大切です。同時に実際にOCRやFAXの電子化、RPAを導入の段階から各担当に利用してもらい「負担が軽減される」ということを体感してもらうと良いでしょう。
マッチしない自動化ツールの場合、逆に負担が増えてしまう
OCRやFAXの電子化、RPAなど、事務作業の労力を軽減するツールによっては、実務の現場と相性が合わないことがあります。例えばRPAツールなど、ロボットやプログラミングがよくわからないのに現場に押し付けてしまえば、逆に負担が増えてしまうということです。その他にも結果的に確認する項目が増える、修正作業が増えるとなれば、効率化や自動化どころか負担ばかりが増えてしまいます。
これらの課題や問題については、実務の現場でも扱いやすいツールを導入することで解決できます。誰にでも扱えるようにすること、初めて使う場合でも直感的に利用できることなど、導入時にしっかりと試しておくことが重要です。
また、前述しましたが無理にIT技術を導入するのではなく、業務や作業そのものを外注・アウトソーシングする方が良い場合もありますので、無理に自動化しない、従業員の声を聞くということを忘れないようにしましょう。
IT技術に疎い場合、セキュリティ性が著しく損われることがある
DXの推進も含めて、IT技術の導入にはセキュリティリスクが存在します。例えば、今までセキュリティを気にしたことがなく、サイバー攻撃という言葉もどこか遠くの世界の話のように思っている方もいらっしゃいます。そのため、何のセキュリティ対策もしないまま、セキュリティリスクを抱えたまま、新しい技術を導入してしまう可能性があります。
これらは、自動化ツールを利用したい、OCRやFAXの電子化を行いたいと思ったタイミングでセキュリティの見直しをすることで解決できます。もしくはアウトソーシングすることでセキュリティリスクを回避できる可能性も高まりますので、IT技術を受け入れる基盤があるか、セキュリティも含めて対応できるかも考慮しつつ、自動化ツールを選定することをおすすめします。
まとめ:事務作業の負担を軽減するという視点が生産性の向上につながる
今回は自動化ツールで事務作業の負担を軽減する方法、そして自動化ツールの導入に伴うメリット・デメリットについてお話しました。自動化ツールによって事務作業の負担を軽減したいというのは、既存の人材・従業員の負担を減らし、人的リソースを確保することでもあります。言い換えれば、DXの推進や働き方改革の基盤である生産性の向上につながるということです。
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