ペーパーレスの始め方とは? 環境や状況に応じて選べるペーパーレス化できる3つの方法
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ペーパーレスに前向きではあるが、どのように進めて良いかわからず、頓挫してしまうことがあります。スムーズにペーパーレスへ移行するためにも、何が必要で、どのような方法があるのか把握しておきましょう。
今回はペーパーレス化に必要なこと、環境や状況に応じて選べるペーパーレス化できる3つの方法、そしてざっくりとしたペーパーレス化までのステップについてお話します。
ペーパーレス化に必要なこと
はじめにペーパーレス化に必要なことを簡単に説明します。
紙の帳票上にある情報をデジタルデータに変換する技術
ペーパーレス化には、納品書、明細書、請求書や各種紙の帳票上にある情報をデジタルデータにする技術が必要です。例えば、スキャナで読み込んだ文字列をデジタルデータに変換するOCR、受け取ったFAXをそのままデジタルデータに変換するFAXの電子化が挙げられます。
その他にもアプリや公式サイトからのオンラインでの申し込みや受発注、または店頭や窓口でタブレット端末による入力など、最初からデジタルで入力する方法もペーパーレス化には有効です。逆に言えば、紙の帳票を基軸とした作業手順や業務体制のまま、すなわちデジタルデータに変換する方法を持たないままでは、ペーパーレス化を実現することはできません。
ペーパーレス化に必要な技術を導入・学習して、使いこなすための時間
ペーパーレス化の技術は導入し、学習して実務で運用できる状態にすることで、ペーパーレス化が進みます。誰もが使いこなせるようにすること、一人の担当に属人化していたり、一部の部門や部署のみ扱えるだけではペーパーレス化はできません。
しかし、現実問題として、人手不足や社員教育不足の環境ですと、紙の帳票の方が作業しやすいこと、タスクとして受け渡しがしやすいと誤解されていることから、ペーパーレス化が進まない環境があるのも事実です。これらはペーパーレス化も含めて、DXの推進には時間と人が必要であることを意味します。
現場や実務における運用時の充実したサポート
ペーパーレス化に必要なことのひとつ、逆にペーパーレス化が進まない要因として、充実したサポートの有無があります。例えば、OSSやフリーソフトのOCRをインストールしたものの、扱いが難しい、マニュアルを見てもよくわからない、サポートがない状況ではペーパーレス化が進まないということです。
実際にITやデジタルに強い企業や組織であれば無料のOCRでも対応できるかもしれません。しかし、ITに疎い、ITが苦手、ITに縁遠い業界や業種であれば有料のOCRを提供するベンダーに投資し、サポートを受けた方がスムーズに進みます。ペーパーレス化には時間や人とともに、金銭的なコストが必要であること、しっかりと投資する必要があることを覚えておきましょう。
環境や状況に応じて選べるペーパーレス化できる3つの方法
次に環境や状況に応じて選べるペーパーレス化できる3つの方法をご紹介します。
OCRによる各種紙の帳票のデジタル化
自社対応および内製でペーパーレス化したいとお考えであれば、OCRによる紙の帳票のデジタル化をおすすめします。昨今のOCRは精度が高く、目視によるチェックも少なく済む性能を備えているため、手入力よりも圧倒的にデータ化の時間が短縮できます。
また、データ化するための事務処理に要する負担も大幅に削減できるため、人員不足やリソース不足の場合にも効果的です。同様に本業やコアな業務に集中したいが、事務処理などの雑務に追われてしまうような状況も改善されるため、生産性の向上も期待できます。
FAX業務における入力業務の自動化や電子化
FAXによる受発注や申し込み関連の業務であれば、FAXの電子化や基幹システムとの連携によって、ペーパーレス化するのもおすすめです。FAX業務に対応するために大人数を確保する必要もなくなるため、人的リソースが確保されます。
実際に一昔前であれば事務員をたくさん雇って、さらに残業もさせてようやく処理していたような作業量であっても、小人数かつ短時間でデジタルデータに変換できるため、事業活動全体のスピードアップにもつながるでしょう。
バックオフィス系業務のアウトソーシング
「IT技術の導入はハードルが高い」もしくは「バックオフィス系の作業に他の業務が圧迫されている」または「事務処理がボトルネックになっている」という形であれば、バックオフィス系の業務をアウトソーシングするのもおすすめです。
前述したように、ペーパーレス化するためには、IT技術を受け入れる基盤や時間的な余裕が必要であり、「今すぐにでも改善したい」という状況には不向きです。まずはアウトソーシングによって時間と人の余裕を作ること、その上でペーパーレス化を進めるという考え方があるということを覚えておきましょう。
ざっくりとしたペーパーレス化までのステップ
次にざっくりとしたペーパーレス化までのステップについて解説します。
紙の帳票・伝票・書類の把握と精査
まずはペーパーレス化の対象となる帳票の把握と精査を行いましょう。社内や組織内で生じる帳票だけでなく、取引先や顧客から受け取る帳票も対象です。その他、部門や部署ごとにイレギュラーに発生する帳票も含めて把握して対象としておくことで、事業活動全体のペーパーレス化が推進されやすくなります。
また、全体のペーパーレス化も重要ですが、一度に進めて混乱してしまうよりは、事務処理の作業量が多いバックオフィス系や事務系の帳票からデジタル化、ペーパーレス化する方が効率的です。事業活動全体の帳票を把握しつつ、ボトルネックとなっている部門や部署、担当の労力を削減することに注力してみてください。
デジタル化するための技術やサービスの選定
ペーパーレス化の対象となる帳票の把握と精査を行ったら、次はデジタル化するための技術やサービスを選定します。完全なペーパーレス化は別として、まずは段階的にペーパーレス化するために何が必要か、どの部分を優先すべきかを加味した上で選定することが大切です。
同時に「ペーパーレス化するための余裕がない」という状況であれば、前述したようにひとまずバックオフィス系の業務をアウトソーシングしてしまうのも効果的です。余力を作り出した上でOCRやFAXの電子化を導入、起動に乗ったらペーパーレス化の範囲を広げつつ、ペーパーレス化に伴う新しい作業配分、人員配置を行いましょう。
導入前のテストや導入後の効果測定
ペーパーレス化の際にありがちなのが、ペーパーレス化の技術やサービスを使いこなせない、または相性が合わないことで「アナログなやり方の方が簡単でやりやすかった」という誤解が生じることです。
現実的にもそれなりに処理する帳票の量が多ければ、ペーパーレス化の効果は高いですが、業務に支障のない程度の量であれば、ペーパーレス化することで手間が増えてしまうことはあるかもしれません。
そのため、導入前にしっかりとテスト・試算しておくこと、導入後も時間や労力の負担を効果測定し、指標を定めた上で改善できるか、さらに効率化や最適化ができるかを模索することが大切です。
まとめ:ペーパーレス化を難しく考え過ぎないことが大事
今回はペーパーレス化に必要なこと、環境や状況に応じて選べるペーパーレス化できる3つの方法、そしてざっくりとしたペーパーレス化までのステップについてお話しました。
ペーパーレスは決して難しい技術ではありません。他のITやデジタルに関する技術と同様に「誰もが当たり前に扱えること」を前提に作られています。実際に利用してみることで、利便性や労力の負担を軽減できることを実感してみてください。
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