FAXをOCRで電子化する際の帳票設計や段階的にペーパーレス化する方法
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FAXをOCRで電子化したいとお悩みではありませんか。最終的には完全なペーパーレス化を検討されている場合でも、現時点ですぐにFAXの廃止は無理とお考えの場合もあるでしょう。
今回は、FAXをOCRで電子化する際の帳票設計や段階的にペーパーレス化する方法をご紹介します。
FAXをOCRで電子化するメリット
はじめにFAXをOCRで電子化するメリットを見ておきましょう。
データ入力業務が削減される
FAXをOCRで電子化することで、データ入力業務の削減につながります。同時に人的リソースの確保も可能になりますし、適切な人員配置による業務の効率化や最適化も期待できるでしょう。特にデータ入力業務においては、作業する従業員側のストレスになりやすいこともあり、同じ作業の繰り返しによって「自分は何をやっているのだろう」という気持ちになってしまいがちです。必然的に離職率に影響することを考えると、なるべく単調かつ膨大な量のデータ入力業務は削減しなくてはなりません。
FAXをOCRで電子化するとともに、その他の帳票もOCRで電子化することができれば、データ入力業務から解放され、生産性のある仕事、やりがいのある仕事に従事してもらうことも可能になります。
顧客や取引先に負担を掛けにくい
FAXをOCRで電子化するということは、顧客や取引先に負担を掛けにくいというメリットにもつながります。顧客や取引先によってはITに疎い、ITが苦手ということもあるでしょう。もしくは、使えなくはないけれどFAXの方が安心できるという顧客や取引先もいるかもしれません。FAXを送る側に負担を掛けず、受け取る側がFAXをOCRで電子化するという方法にしておくことが、段階的にペーパーレス化するために必要なことだと覚えておきましょう。
いきなり顧客や取引先、売上や利益を失わずに済む
前項とも関連する内容ではありますが、FAXを廃止するとなれば取引をしない、商品を買わない、サービスを利用しないという取引先や顧客もいるかもしれません。もちろん、強引に進めるのはタブーですが、ある程度の期間を設けてもITに対応できない場合もあるでしょう。また、本来はFAXの廃止によるペーパーレス化を目標としているとしても、顧客や取引先に不利益となったり、不便となることがわかっているのであれば、いきなりFAXを廃止というのも、企業や組織としての在り方として優しいとは言えないのも事実です。
将来的にFAXを廃止するとしても、現段階においてはFAXをOCRで電子化するほうが利益を失いにくく、顧客や取引先にも優しい対応だと言えるでしょう。
FAXをOCRで電子化する際の帳票設計
次にFAXをOCRで電子化する際の帳票設計に関する基礎的な部分をご説明します。
手書きの要素を限りなくゼロにする
段階的にFAXや帳票をペーパーレス化するための帳票設計としては、第一に手書きの要素を限りなくゼロにすることが挙げられます。もちろん、最初の段階では手書きもOK、印刷できなくてもOKという形にすべきではありますが、早い段階で手書きそのものをゼロにしたほうが電子化やペーパーレス化しやすくなります。顧客や取引先としても手書きしない方が楽だということが伝われば受け入れてもらえるでしょう。手書きの文字列がゼロに近くなればなるほどOCRによる電子化がしやすい帳票に一歩近づくことになります。
顧客や取引先に合わせたフォーマットを用意する
顧客や取引先に合わせたフォーマットやデータを用意することもFAXをOCRで電子化する際に役立ちます。例えば、必要な項目はすべて入力されている状態にしておく、決まった注文や取引の内容についても入力しておくことで、顧客や取引先が入力する項目が少なくなります。可能であればワードやエクセルなど、基本となるフォーマットやデータを作成し、あとは簡単な入力のみで印刷するだけでFAXできるような形にしておくと良いでしょう。
後述しますが、段階的にペーパーレス化するためにも必要なことであり、印刷してFAXしなければならないという手間を省くこと=FAXではなくデータによるやり取りへの移行の下準備であることも留意しておいてください。
データベースに必要な項目を精査する
FAXをOCRで電子化する段階でデータベースに必要な項目を精査することも大切です。例えば、FAXを受け取ってOCRで電子化した後、目視によるチェックと手動によるデータ入力が発生しないように帳票設計とデータ項目の精査を行いましょう。読み込んだ後、どこからのFAXなのか、何の注文なのか、いつまでに必要なのかなど、一度のFAXで注文や取引の内容が完結するイメージです。
この段階で可能であれば社内や組織内においてはペーパーレス化を進めておくべきとも言えます。受け取ったFAXをいろいろな部署や部門を行ったり来たりさせないこと、電子化したデータの流れや作業手順の中で必要な項目を網羅していることも意識しておくと良いでしょう。
FAXを段階的にペーパーレス化する方法
次にFAXを段階的にペーパーレス化する方法をご紹介します。
読み取り精度の高いOCRの導入、もしくは乗り換え
FAXを段階的にペーパーレス化するためには、読み取り精度の高いOCRの導入、またはOCRの乗り換えを検討しましょう。もし、古いOCRソフトウエアを利用している場合はFAXは読み込めないものと諦めてしまい、目視によるチェックと手動によるデータ入力作業の削減は難しいからです。
当社の提供する「AnyForm OCR」であれば読み取り精度も高く、FAXも含めた帳票の電子化に役立ちます。OCRをまだ導入していない、または乗り換えを検討している場合など、ぜひともこの機会にご相談、お問い合わせください。
メールやチャットなどFAX以外の方法を徐々に提案
FAXするために作成したエクセルやワードのフォーマットをメールやチャットなど、FAX以外の方法で送受信できる仕組みを徐々に提案しましょう。顧客や取引先としても、必要な項目を入力し、印刷する手間、FAXする手間が省けます。同時に紙のコスト削減にもつながりますので、双方にメリットがあるということをゆっくりと伝えていきましょう。
大切なのはいきなりFAXの廃止、データによるやり取りのみと限定しないことです。売上や利益の差に関わらず、すべての顧客や取引先を大切にすることを前提に、少しずつ進めていくことを忘れないようにしましょう。売上や利益に影響しないからと、FAX以外の方法でなければ取引しないというような強引な手法を間違ってもとらないようにしましょう。
オンラインで注文や取引できる仕組みの導入
FAXも残しつつ、メールやチャットなどを用いたデータでのやり取りを増やしたら、次はオンラインで注文や取引できる仕組みを導入しましょう。例えば、顧客や取引先がユーザー名とパスワードを入力してログイン、専用のフォームに入力するだけで注文や取引、支払いが完了する仕組みが挙げられます。
もちろん、支払いの部分は今まで通りが良い場合もありますから、相手に合わせて柔軟に対応できるような仕組みを備えておくことをおすすめします。この場合FAXでも、メールやチャットでも、オンラインシステムでも注文も取引も可能なままにしておき、段階的に廃止するような形で進めることで、取引先や顧客を失わずに済むでしょう。
まとめ:FAXはすぐになくせないからこそ、まずはOCRで電子化する仕組みを!
今回はFAXをOCRで電子化する際の帳票設計や段階的にペーパーレス化する方法をご紹介しました。
実際にDXの推進を行ったとしても、顧客や取引先すべてがFAXをなくせるとは限りません。なぜなら、企業や組織としての規模が大きいということは、それなりの営業年数のある可能性が高く、DXの推進が進まない可能性が高いためです。同時にそれなりの規模の取引先や顧客であれば、強引にFAXの廃止をしてしまうと売上や利益に影響してしまうことも考えられます。
まずはOCRを導入してFAXを電子化しましょう。そして段階的に、FAXを含めたその他の帳票のペーパーレス化やオンライン化を検討することをおすすめします。