従業員エンゲージメントとは? 従業員のモチベーションと生産性を向上させる方法について
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今回は従業員エンゲージメントに関する基礎知識、従業員満足度やモチベーション、やりがいとの違い、そして従業員エンゲージメントとモチベーション、生産性を向上させる方法についてお話します。
従業員エンゲージメントに関する基礎知識
はじめに従業員エンゲージメントに関する基礎知識について簡単に説明します。従業員エンゲージメントとは
従業員エンゲージメントとは、従業員が企業や組織の一員であるという意識や姿勢を意味します。例えば、従業員エンゲージメントが低ければ、企業や組織の一員であり、顔であり、かつプロフェッショナルであり、そして責任を持って働くことはできません。逆に従業員エンゲージメントが高ければ、企業や組織の一員として、しっかりと責任を持ち、プロフェッショナルとして、真剣かつポジティブな気持ちで業務や作業に取り組んでくれる可能性が高まります。
従業員エンゲージメントは従業員満足度やモチベーション、やりがいに似た性質ではあるものの、一方的に押し付けるような形ではなく、従業員自身が能動的かつポジティブに働いてくれる指標として、職場環境の改善に役立てることができます。
従業員エンゲージメントを重視するメリット
従業員エンゲージメントを重視するメリットは、長く継続的に勤めてくれること、離職したいという気持ちを持って働かないこと、従業員自ら積極的に良くしていこうという気持ちで働いてくれることが挙げられます。結果的に雇用や採用、育成・教育・学習などのコストが削減され、かつ生産性の向上が見込まれることから企業や組織全体の利益や売上がアップする可能性が高いです。同時に削減したコストを従業員に還元や職場環境の改善に投資したり、新しい商品やサービスの開発に割り当てることもできます。企業や組織としての成長力をあげつつ、同時に地力や底力となる基盤を強固にできることもメリットです。
従業員エンゲージメントを軽視するデメリット
従業員エンゲージメントを軽視するデメリットは、常に人員不足、ギスギスとした雰囲気、教わる方も教える方も不機嫌、引き継ぎが終わる前に前任者が離職してしまうような最悪な職場環境になることです。具体的には離職率が上昇し、定着率が低下、かつ教育や学習の機会がないためノウハウが蓄積されず、作業効率が下がり、生産性も低下します。「満足できる給与が貰えれば良い」という形で働けるという人もいるかもしれません。しかし、人員不足で生産性が低ければ、利益や売上を生み出せないため、給与も悪いままです。納得できる給与をもらえず、かつ職場環境や雰囲気が悪ければ人材が定着せず、離職しても当然と言えます。
従業員満足度やモチベーション、やりがいとの違い
次に従業員満足度やモチベーション、やりがいとの違いについて解説します。従業員エンゲージメントと従業員満足度との違い
従業員満足度は企業や組織が提示した条件に対し、いくつかの項目を設けてアンケートを取り、従業員が雇用や職場環境にどれだけ満足しているかを示す指標です。従業員満足度の項目にも働きがい・やりがいのような項目も含まれるため、一概に「違う」とは言えないかもしれません。ただし、従業員満足度の場合は「心では納得していないが、他に良い条件を出すところがない」場合でも数値が高くなる可能性があります。従業員エンゲージメントの場合は「他と比べても条件が良く、この会社で働きたい」と心でも納得しているかという違いはあります。
従業員エンゲージメントとモチベーションの違い
モチベーションとは行動する際の目的や動機です。例えば、お金が目的だとすれば、多少のことには目を瞑っても、心や感情を無視しても働くといった形です。従業員エンゲージメントは心や感情を無視せず、逆に心から働きたいと思ってもらえるように企業や組織を構築する指標でもあります。もちろん、お金も大切ですが、お金もしっかりと払いつつ、かつ心から働きたいと考えてもらいたいという部分に違いがあると言えるでしょう。
従業員エンゲージメントとやりがいの違い
やりがいとは行動した際に心や感情、気持ちがポジティブな方向性、状態になることを指します。例えば、給与は安くても、職場環境が悪くても、誰かの役に立っているという気持ちになることで働くという形です。従業員エンゲージメントとやりがいは非常に似ていますが、従業員エンゲージメントの場合は「給与や職場環境も良くすること」が前提となります。いわゆる、やりがい搾取と呼ばれる形ではなく、納得できる給与で、働きやすい職場環境で働いてもらうということです。
これらをまとめると、従業員エンゲージメントを向上することができれば、結果的に従業員満足度、モチベーション、やりがいのすべてにポジティブな影響を与えることがわかります。
従業員エンゲージメントとモチベーション、生産性を向上させる方法
次に従業員エンゲージメントとモチベーション、生産性を向上させる方法について解説します。従業員の声をしっかりと受け止めて、状況を把握、精査し、数値化すること
従業員エンゲージメントの考え方を導入し、実践するためにも、無記名のアンケートなどで調査して状況を把握しましょう。なるべく個人が識別できないよう配慮した方が本音を知ることにつながります。・給与に満足しているか
・同僚および上司など人間関係に不満はないか
・ブランドやメーカーとして純粋に好きか
・企業理念に共感して働けているか
・自分への評価が正当で納得しているか
・困った時のサポートや満足できる教育があるか
・自身や企業の成長を実感できているか
・やりがいやモチベーションを持って働けているか
・残業や休暇について納得できているか
・今すぐにでも退職したいと考えることはあるか
・周囲の人材は不足していないか
・過度な作業量や広すぎる業務範囲を任されていないか
・心身の健康において不安や心配はないか
例えば、上記は一例ですが、これらに基づいて細かな項目を作ったり、それぞれに数字を割り振って数値化したりすることで、状況を把握しましょう。数字や数値は1から10、もしくは100までのパーセンテージなどでも良いでしょう。まずは「従業員エンゲージメントの初期値を知る」ことを重視してください。
職場環境を改善して離職率の低下と定着率の向上を目指すこと
現時点における従業員エンゲージメントの指標となる初期値を知ることができたら、数値に基づいて離職率の低下と定着率の向上となる職場環境の改善を進めます。ただし、職場環境が悪い場合、職場環境を改善する余裕すらないことがほとんどですので、まずは改善する余裕を作ることから始めると良いでしょう。人員不足で忙しすぎる、残業が多い、休みたくても休めない、教わる余裕も教える余裕もないなど、人的かつ時間的なリソースが不足しているなら、バックオフィス系業務や事務系の作業のIT化、もしくはアウトソーシングで余力を作ることをおすすめします。
従業員=人材が企業や組織を継続可能とする基盤であると理解し、投資すること
従業エンゲージメントが向上すれば、モチベーション・やりがい・生産性も向上していきます。そのため、従業員が企業や組織を継続可能とする基盤であると理解し、しっかりと投資しましょう。特に古く、アナログで非効率的なやり方を続けている場合、前述したようにIT化、そしてDXの推進によって従業員の労力や負担を大幅に軽減できます。労力や負担が軽減できるということは、人的かつ時間的なリソースが確保できるということです。リソースが確保できるということは、生産性のある仕事に集中できるようになり、利益や売上もアップします。企業や組織として成長力を高めながら、持続的・継続的に事業活動を行えるよう努めてみてください。
まとめ:従業員を大切にすることが企業や組織の未来を作る
今回は従業員エンゲージメントに関する基礎知識、従業員満足度やモチベーション、やりがいとの違い、そして従業員エンゲージメントとモチベーション、生産性を向上させる方法についてお話しました。現場で働く人間が、気持ち良く、かつ納得できる給与をもらうためには、モチベーションおよび従業員エンゲージメントの向上が必要不可欠です。本質的な意味での生産性の向上を実現するためにも、時間や人員に関する課題や問題を解決すること、従業員を大切にすることに注力してください。
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