書類や文書の保管期間と電子データに移行すべき理由や具体的な方法について
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紙に関するコストは物理的にも時間的にも膨大と言えます。DX推進が注目される今だからこそ、書類や文書の保管期間を把握し、徐々に紙から電子データへ移行することを検討してみてはいかがでしょうか。
今回は書類や文書の保管期間に関する基礎知識、紙の帳票から電子データに移行すべき理由、そして紙の帳票から電子データに移行する具体的な方法についてお話します。
書類や文書の保管期間に関する基礎知識
はじめに書類や文書の保管期間に関する基礎知識について簡単に説明します。
紙の書類や文書の保存期間は1年~30年、永久とさまざま
紙の書類や文書の保存期間は経理や人事、総務など取り扱う部門によって異なります。法的な根拠、法定保存文書として、どの法律に基づいているかによって保存期間が異なることもあり、しっかりと官公庁や公的機関の公式サイトで確認して理解を深めておく必要があります。短いもので1年、長いと30年から永久的に保管しなければならないこともあり、保管に関するコストも軽視できません。
・帳簿書類等の保存期間及び保存方法|国税庁
(https://www.nta.go.jp/about/introduction/torikumi/hozon_kikan/pdf/01.pdf)
・標準文書保存期間基準(保存期間表) 労働基準局 - 厚生労働省
(https://www.mhlw.go.jp/stf/shinsei_boshu/gyouseibunsho/roudoukijun.html)
・標準文書保存期間基準 - 法務省
(https://www.moj.go.jp/content/001289582.pdf)
・標準文書保存期間基準 - 金融庁
(https://www.fsa.go.jp/common/joho/hozon/04.pdf)
・標準文書保存期間基準(保存期間表) - 経済産業省
(https://www.meti.go.jp/intro/consult/disclosure/data/pdf/09.pdf)
上記は各省庁が明示している保存期間のURLの一例です。省庁ごとに明示されているため、関係する部門や部署に合わせて下調べを行い、把握しておきましょう。検索する際のコツは「site:go.jp 書類 文書 保管期間」という形で、ドメインを絞りこんで検索すると発見しやすいです。
法定保存文書以外の文書はどうすればいいのか?
企業や組織における事業活動において生じる書類や文書の中には、法定保存文書ではなく、法的には保管期間が明確に定まっていないものもあります。作業や業務の流れや情報の機密性や重要性によって、それぞれ社内や組織内で保管期間を定めましょう。
法的には定められていなくても、何かあった時の根拠や証拠となるような文書、書類はある程度保管していた方が良いです。逆に作業や業務で利用するためのみ、既にデータベースに存在している情報のみであれば、その場でシュレッダーで裁断するなども検討してみてください。
紙の文書や書類、帳票のコストについて再確認
紙の文書や書類、帳票のコストを再確認しておきましょう。
・印刷や紙自体のコスト
・文書や書類をダンボールなどに詰める労力
・文書や書類を移動する労力
・保管する場所や警備のコスト
・安全に廃棄するためのコスト
上記はコストとなるものの一例ですが、どれも金銭的にも時間的にも必須であるコストです。中でも保管する場所や警備のコスト、安全に廃棄するためのコストはそれなりの費用が発生するため、経営陣においても頭を悩ませる存在と言えます、一昔前であれば、どれも当たり前でしたが、現代においてはデジタル化によって削減できる部分のコストもあります。
紙の帳票から電子データに移行すべき理由
次に紙の帳票から電子データに移行すべき理由を解説します。
電子帳簿保存法やe-文書法に対応するため
電子帳簿保存法とは文書や書類の作成段階から、条件を満たすことで、電子的に作成、保存しても良いとする仕組みを指します。いわゆるペーパーレス化が可能となる仕組みでもあり、2022年に緩和されることから、普及が拡大すると見込まれています。最初から紙を利用しなくても良いため、紙の帳票上にある情報を、人間が目視によるチェックや手動で入力および転記しなくてよくなり、時間や労力が大幅に削減できる仕組みです。
e-文書法とは商法や税法で定められている文書を、条件を満たせばデジタルで保存しても良いとする仕組みです。紙の文書をスキャンし、画像化したものでも正規の文書と見なされるため、過去から蓄積された文書の電子化・デジタル化が進めやすくなります。
どちらの仕組みにおいても、ペーパーレス化による恩恵を受けやすくなることは明白であり、紙による作業で生じる時間や労力の負担が減るため、効率化や最適化の基盤としても役立ちます。
DX推進の基盤として大前提の技術であるため
紙の帳票から電子データへの移行はDX推進の大前提となる技術です。極端なことを言えば、紙のままではDXの推進はできないと言えます。ただし、日々蓄積されている紙の帳票を移行すること、過去の帳票の電子化することなど、ペーパーレス化自体が膨大な作業量を生んでしまうというジレンマもあります。
また、初めから電子データとして作成できるようになれば、RPAやAIによる自動化も視野に入ります。その他にもビックデータしての活用やデータマイニング・テキストマイニングなど、情報自体を資産として再利用・再活用できるのも大きな利点です。
ペーパーレス化で紙に関するコストを削減するため
紙ベースの作業や業務の流れが主流ですと、年単位で考えれば膨大な紙の文書や書類が作成されていきます。即時破棄できるものを除けば、最低でも数年は保管しておかなければならず、保管場所のコストや移動のコスト、廃棄するコストも非常に大変です。
ペーパーレス化が進めば、そもそも紙がないので紙に関するコストがほぼ削減できます。もちろん、すべての文書や書類を、すぐにペーパーレス化することは難しいですが、電子帳簿保存法やe-文書法に該当するものだけでもデジタル化できれば、大幅に負担は削減されるでしょう。
紙の帳票から電子データに移行する具体的な方法
次に紙の帳票から電子データに移行する具体的な方法を紹介します。
各省庁ごと、部門や部署ごとの保管に関するルールを把握する
紙の帳票から電子データに移行するためには、まずルールを把握することから始めましょう。該当する条件を満たせる文書や書類は何か、社内や組織内で精査し、明確にするということです。
経理や総務、人事などのバックオフィス系の部門や部署から精査を行い、徐々にすべての部門や部署に広げていくと効率的かもしれません。また、文書や書類が多い部門・部署・担当から精査することで、重点的に時間や労力の負担を減らすことにもつながります。残業時間や総労働時間、有給休暇の取得率、離職率や定着率も加味した上で、職場環境の改善も並行すると良いでしょう。
OCRやFAXの電子化など、紙を電子データにする技術を導入する
文書や書類の作成段階から電子的な作成が難しい場合、今までのやり方をあまり変えずに、OCRやFAXの電子化によって紙を電子データにする技術を導入した方がスムーズです。徐々に作成段階から電子的に作成するにせよ、過去の文書や書類を電子データに変換する必要もあるため、どちらにしてもOCRのような仕組みは必ず導入しておきましょう。
ペーパーレス化や電子化・デジタル化は導入の段階が一番作業量が多いです。言い換えれば、可能な範囲の文書・書類のデジタル化が済んでしまえば、以降は時間も労力も不要になります。導入の段階でつまずかないようにして、着実に運用段階に移行できるよう計画することをおすすめします。
各省庁や公的機関のオンラインやデータでの申請などを把握し活用する
社内や組織内でのペーパーレス化・デジタル化が済んだら、次はオンラインやデータで申請する仕組みを把握し、活用する段階です。最終的に印刷して提出してしまっては不完全なペーパーレスだと理解し、仕組みやルールの中でデジタルによる作業で済ませられるよう注力しましょう。
また、必要に応じて企業や組織としてのオンライン化も検討しましょう。オンラインサイトやアプリなど顧客への利便性を高めること、その他にも社内や組織内のコミュニケーションやデータ共有を円滑かつオンラインで済むようにすることなど、さらなる最適化・効率化を目指すことが大切です。
まとめ:セキュリティ性を確保しつつ物理的な紙の帳票から脱却しよう!
今回は書類や文書の保管期間に関する基礎知識、紙の帳票から電子データに移行すべき理由、そして紙の帳票から電子データに移行する具体的な方法についてお話しました。
e-文書法や電子帳簿保存法など、ペーパーレス化に関する法令を熟読し、可能な範囲でペーパーレス化を行うことで、紙の文化から脱却することができます。最低でも年ごと、月ごと、日ごとに生じる書類や文書を電子データに移行することを目標にして、少しずつ電子やデジタルに慣れていくことをおすすめします。
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