PPAPはもう古い!今すぐ廃止すべき理由と最新のファイル送信方法
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PPAPは、かつて企業のセキュリティ対策として広く採用されていました。しかし、現在ではその脆弱性が指摘され、情報漏洩のリスクを高める要因になっています。PPAPの使用を続けることで、企業はパスワード管理の問題やフィッシング攻撃のリスクにさらされる可能性があります。さらに、業務の効率低下や法規制の強化により、PPAPの運用を見直す企業も増えています。
本記事では、PPAPが抱えるセキュリティリスクを詳しく解説し、安全で効率的な代替手段について紹介します。今こそPPAPの廃止を検討し、より強固なデータ管理体制を構築しましょう。
PPAPとは?
PPAP(パスワード付きZIPファイル)とは、主に企業が機密情報をメールで送信する際に使うセキュリティ手段の一つです。具体的には、ZIP形式の圧縮ファイルにパスワードをかけ、ファイル自体を暗号化して安全性を高め、相手に送信する方法です。送信者は、パスワードを別の手段で(通常は電話や別のメールで)相手に伝え、受け取り手はそのパスワードを使用してファイルを解凍する仕組みです。PPAPは、企業間で機密情報をやり取りする際に、ファイルが他人の手に渡ることを防ぐ手段として長らく利用されてきました。特に、社内外でのデータ交換が頻繁な企業においては、簡便かつ比較的手軽に利用できる手段として広く浸透していました。しかし、現代のサイバーセキュリティの観点からは、PPAPの使用には重大な問題点があることが明らかになり、廃止が推奨されるようになっています。
PPAPを廃止すべき理由とは?
セキュリティリスクの高まり
PPAPの最大の問題は、セキュリティ面での脆弱性です。最も基本的な問題点は、パスワード付きZIPファイルが依然として簡単に解読可能であることです。特に、パスワードを別の手段で伝えるという方法は、そのやり取りの過程でセキュリティリスクが高まります。パスワードが他の通信手段で送信されることが多いため、例えば電話やSMSでパスワードを伝えた場合、その通信経路が攻撃者によって傍受される可能性があります。また、ZIPファイル自体の暗号化方式が必ずしも強固ではなく、技術が進歩する中で簡単に解読できる場合もあります。これにより、機密性の高い情報が漏洩するリスクが増大しています。
パスワード管理の脆弱性
さらに、パスワード管理の問題もPPAPのセキュリティリスクを深刻化させています。パスワードを適切に管理し、強力なパスワードを設定することはセキュリティにおいて重要ですが、実際には多くの企業でパスワード管理が甘く、同じパスワードが使い回されることがあります。これにより、パスワードが流出した際に被害が拡大する恐れがあります。フィッシング攻撃のリスク
PPAPのもう一つの重大な問題は、フィッシング攻撃に対して脆弱であることです。攻撃者は、正規の送信者を装ってパスワード付きZIPファイルを送信し、受信者がファイルを開く前にそのパスワードを提供するよう促す手口を使います。もし受信者が不審な点に気づかず、パスワードを送信してしまうと、攻撃者がファイルを不正に解読することができます。これにより、機密情報が漏洩するリスクが高まります。メール誤送信による情報漏洩
また、PPAPの運用ではメール誤送信のリスクも無視できません。メールでファイルを送信する際、送信先の誤りや誤解によって、意図しない相手に機密情報が送られてしまうことがあります。特に、メールシステムのセキュリティが万全でない場合、送信されたZIPファイルが正しく届かない、もしくは受信者がファイルを開けないケースも発生します。このような誤送信が発生した場合、情報漏洩のリスクが増大します。法規制の厳格化
さらに、個人情報保護に関する法規制の強化もPPAP廃止を後押ししています。そうした法律では、企業が個人情報を適切に管理し、保護することを強く求めています。PPAPのような不十分なセキュリティ手段では、これらの法規制に適合しきれない場合があります。データ保護法を遵守するためには、より強固で信頼性の高いデータ送信手段の導入が求められています。PPAP廃止によるメリット
PPAPを廃止することで、企業には多くのメリットがあります。これらのメリットは主にセキュリティの強化と業務効率化に分けることができ、それぞれが企業の運営にとって重要な要素です。セキュリティ強化
PPAP廃止により、最も顕著なメリットの一つはセキュリティの大幅な強化です。企業の機密情報を守るためには、データの送信時に強固な暗号化が求められますが、PPAPではその暗号化方法が十分ではありません。代わりに、現代的な暗号化技術を導入することで、情報漏洩のリスクを大幅に軽減できます。例えば、TLS(Transport Layer Security)を用いることで、データ送信中の傍受を防ぎ、より強力なセキュリティを実現できます。最新の暗号化技術の活用
PPAP廃止後、最新の暗号化技術を使用することで、情報の保護が格段に強化されます。暗号化方式としては、AES(Advanced Encryption Standard)などの強力なアルゴリズムを用いることで、機密情報が外部に漏れるリスクを最小限に抑えることができます。これにより、外部からの攻撃や不正アクセスに対してより耐性のあるデータ送信が可能となります。認証とアクセス管理の向上
さらに、PPAP廃止に伴い、認証やアクセス管理の向上も図ることができます。例えば、ファイル送信にあたっては、ユーザー認証を強化し、アクセス制限を設けることで、機密情報を許可された者だけがアクセスできるようにすることができます。これにより、不正アクセスや内部からの情報漏洩を防ぐことができ、セキュリティ体制が大幅に改善されます。業務効率化
PPAP廃止によって、業務の効率化も期待できます。従来のPPAPを使用した手順では、ファイルの圧縮からパスワード設定、そしてその送信まで、多くの手間がかかっていました。これに対して、より効率的なデータ送信手段を導入することで、作業が迅速に行えるようになります。メール送信手続きの簡略化
PPAPを使用する際は、ファイルをZIP形式で圧縮し、パスワードを別途送信する必要がありますが、この手順は手間がかかる上、誤送信のリスクも高まります。PPAP廃止後は、これらの手続きが簡素化され、ユーザーはより直感的に、かつ迅速にファイルを送信できるようになります。暗号化されたファイルやセキュアなクラウドサービスを使用することで、手順が一元化され、業務の効率が向上します。システム統合による業務の一元化
PPAP廃止後、企業内で使用するシステムを統合することが可能になります。これにより、データの共有やファイル転送が一元化され、複数のツールや手法を使う煩雑さが解消されます。例えば、クラウドストレージやSFTP(Secure File Transfer Protocol)などの安全な手段を用いることで、複数のシステムを管理する手間が省け、データ送信の手順もシンプルになります。システムが統合されることで、情報管理の効率化が進み、企業全体の業務のスピードが向上します。このように、PPAP廃止はセキュリティ強化だけでなく、業務効率化にも大きな影響を与えます。企業にとっては、両方の側面での改善が、競争力を高める重要な要素となります。

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PPAP廃止後の代替手段
PPAPの廃止に向けて、企業はよりセキュアで効率的な代替手段を採用する必要があります。PPAPを廃止した後も、機密情報の送信は避けられないため、適切な代替手段を導入することが重要です。以下では、PPAPに代わる安全なファイル転送方法をいくつか紹介します。安全なファイル転送方法
PPAPの代替として、データ送信時のセキュリティを強化する手段がいくつかあります。これらの方法は、データの暗号化、アクセス制御、認証機能などを備えており、機密情報を安全に送信するために設計されています。SFTP(Secure File Transfer Protocol)
SFTPは、安全なファイル転送を提供するプロトコルであり、データが転送される際に暗号化が施されます。PPAPの代替手段として、SFTPは非常に有効です。SFTPを使用することで、ファイル送信時にデータが傍受されるリスクを大幅に減らし、機密情報を安全に転送することができます。SFTPでは、暗号化された通信経路を通じてファイルを送受信するため、情報漏洩や不正アクセスのリスクを最小限に抑えられます。クラウドストレージとファイル共有ツール
クラウドストレージサービスやファイル共有ツールも、PPAP廃止後の代替手段として利用できます。これらのサービスでは、ファイルの暗号化やアクセス制御機能が備わっており、ユーザーはインターネット経由で安全にファイルを送信・受信できます。例えば、Google DriveやOneDrive、Dropboxなどのクラウドストレージでは、ファイルを共有する際にアクセス権限を設定し、特定のユーザーのみがファイルにアクセスできるようにすることができます。これにより、誤送信や無許可のアクセスを防止することができます。暗号化通信の導入
暗号化通信の導入は、PPAP廃止後の重要な代替策です。暗号化通信を利用することで、ファイルがインターネット上で転送される際に、第三者による傍受や解読を防ぐことができます。通信の暗号化は、ファイルの転送に限らず、企業内のネットワーク全体において強化することが推奨されます。例えば、HTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secure)やVPN(Virtual Private Network)を使用することで、通信経路を安全に保つことができます。TLS(Transport Layer Security)とその導入方法
TLS(Transport Layer Security)は、インターネット上でデータを安全に送受信するための標準的な暗号化プロトコルです。TLSは、ファイルの送信に限らず、ウェブサイトやメールの通信など、あらゆるインターネット通信においてセキュリティを提供します。TLSを導入することで、データが転送される際の暗号化と認証が行われ、情報が第三者に漏れるリスクを減少させることができます。TLSの導入方法としては、まずウェブサーバーやメールサーバーにTLSを組み込む必要があります。これは、サーバー側の設定やSSL/TLS証明書の取得によって実現します。TLSの導入により、通信経路全体が暗号化され、機密情報の漏洩を防ぐことができます。
PPAP廃止の実行手順
PPAPを廃止するためには、企業全体での対応が必要です。単に新しいセキュリティ手段を導入するだけでなく、社内の運用体制を見直し、従業員が新しいルールに従って行動できるようにすることが重要です。以下では、PPAP廃止に向けた実行手順について解説します。社内ガイドラインの見直しと改訂
PPAP廃止の第一歩は、社内ガイドラインの見直しです。企業内で使用されるファイル転送方法に関するルールやポリシーを再検討し、PPAPを使用しない新しい方法を明確に規定する必要があります。ガイドラインは、従業員が守るべき基準や手順を示す重要な文書となるため、全社員に共有し、理解を促進することが求められます。PPAPの使用禁止ポリシー策定
PPAPを使用しないためには、明確なポリシーを策定することが必要です。このポリシーには、PPAPの禁止を明示し、代替手段として採用するべき安全なファイル転送方法を示すことが含まれます。ポリシーは、社内のセキュリティ方針の一部として定期的に見直し、更新することが重要です。新しいセキュリティポリシーの導入
新しいセキュリティポリシーには、PPAP廃止に伴う代替手段の導入、セキュリティツールの使用方法、データ保護に関する具体的なルールが含まれるべきです。これにより、社員全員が新しいポリシーに基づいて業務を行うことができ、セキュリティ意識が高まります。社員教育と意識改革
新しいセキュリティポリシーを導入するだけではなく、社員教育も重要なステップです。社員に対して、PPAP廃止の背景や新しいセキュリティ手段の利点を理解してもらうことが必要です。また、セキュリティ意識を高め、日々の業務において適切な行動をとるように促すため、定期的なトレーニングを実施することが有効です。新しいセキュリティツールの使用方法を教える
新しいセキュリティツール(例えば、SFTPやクラウドストレージ)の使用方法を社員にしっかりと教えることが重要です。ツールの使い方を理解し、実際の業務で効果的に利用できるように、ハンズオンのトレーニングを行うことが推奨されます。定期的なセキュリティトレーニングの実施
定期的なセキュリティトレーニングを実施することで、社員のセキュリティ意識を維持し、最新の脅威や対応方法について教育することができます。セキュリティの課題は日々進化しているため、定期的な更新を行い、全社員に新しい情報を提供することが重要です。まとめ
PPAPの廃止と代替手段の導入は、企業のセキュリティ強化と業務効率化において重要なステップです。この移行を円滑に進めるためには、適切なツールの選定が不可欠です。ハンモック社が提供する統合型IT運用管理ソフトウェア『AssetView』は、情報漏洩対策やIT資産管理、ログ管理など、多岐にわたる機能を備えており、PPAP廃止後の新しいセキュリティ対策として有効です。例えば、『AssetView』のデバイス制御機能を利用することで、USBデバイスの使用を管理・制御し、情報漏洩リスクを低減できます。 また、個人情報検索機能を活用すれば、クライアントPC内の個人情報を検出し、適切な管理が可能となります。 さらに、アプリケーション配布機能により、ソフトウェアの自動インストールや環境設定の変更を効率的に行うことができます。
これらの機能を活用することで、PPAP廃止後の安全なファイル転送やデータ管理が実現し、企業全体のセキュリティレベルを向上させることができます。詳細については、公式HPから『AssetView』の機能一覧をご確認ください。

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