ワンタイムパスワードとは?仕組み・メリット・デメリットを徹底解説
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ワンタイムパスワード(OTP)は、現代のセキュリティ対策に欠かせない技術の一つです。固定パスワードの脆弱性を補い、フィッシング攻撃や不正アクセスを防ぐため、多くの企業やサービスでワンタイムパスワードが採用されています。
本記事では、ワンタイムパスワードの基本概念や仕組み、メリット・デメリットを詳しく解説します。さらに、企業が導入する際のポイントや、最新のセキュリティトレンドとの関係についても触れていきます。
ワンタイムパスワード(OTP)とは?
ワンタイムパスワードの基本概念
ワンタイムパスワード(OTP:One-Time Password)とは、一度限り使用できる使い捨てのパスワードです。ログインや認証のたびに異なるパスワードが生成されるため、パスワードの盗用やリスト型攻撃を防ぐ有効な手段として利用されています。ワンタイムパスワードは一定時間経過後や、使用後に無効化されるため、従来の固定パスワードと比べてセキュリティ面で優れています。従来のパスワードとの違い
従来のパスワードは、ユーザーが設定し、繰り返し使用するものですが、ワンタイムパスワードはその都度新しく生成されるため、次のような利点があります。企業の情報システムにおける重要性
企業では、社内システムへの不正アクセスを防ぐために、ワンタイムパスワードの活用が増えています。特に、リモートワークの普及やクラウドサービスの利用増加に伴い、固定パスワードのみでは不十分なケースが多くなっています。ワンタイムパスワードを導入することで、機密情報への不正アクセスを防ぎ、企業全体のセキュリティレベルを向上させることが可能です。ワンタイムパスワードの仕組みと種類
時間ベースとイベントベースの違い
ワンタイムパスワードには主に以下の2つの方式があります。時間ベースのワンタイムパスワード
時間に基づいてパスワードが生成され、一定の時間間隔(例:30秒ごと)で新しいワンタイムパスワードが発行される。Google Authenticatorなどのアプリでよく使用される。イベントベースのワンタイムパスワード
事前に決められたカウンター値に基づいてパスワードを生成し、ユーザーが認証を試みるたびにカウンターが増加する。トークンデバイスなどで使用される。時間ベースのワンタイムパスワードは時間制限があるためセキュリティが高く、イベントベースのワンタイムパスワードはオフライン環境でも利用可能な点が特徴です。
SMS・メール・アプリ型ワンタイムパスワードの違いと選び方
ワンタイムパスワードは配信手段によっても分類されます。ハードウェアトークン vs. ソフトウェアワンタイムパスワード
企業でのワンタイムパスワード導入のメリット
不正アクセス防止とセキュリティ向上
ワンタイムパスワードは、パスワードリスト攻撃やフィッシング攻撃のリスクを低減し、企業の機密情報を保護する有効な手段です。特に、金融機関や医療機関など、高度なセキュリティが求められる業界での採用が進んでいます。従業員のパスワード管理負担の軽減
従来のパスワード管理では、定期的な変更や複雑なパスワードの記憶が求められ、従業員の負担が大きくなります。ワンタイムパスワードを導入することで、固定パスワードの管理負担を軽減し、ユーザーエクスペリエンスを向上させることが可能です。多要素認証との組み合わせによる安全性強化
ワンタイムパスワードは単独でもセキュリティ向上に寄与しますが、パスワードや生体認証と組み合わせた多要素認証を採用することで、さらに安全性を高めることができます。多要素認証では、「知識(パスワード)」「所有(ワンタイムパスワードトークン)」「生体(指紋認証など)」の3要素を組み合わせることで、より強固な認証を実現します。ワンタイムパスワード導入のポイントと注意点
システムとの統合・API連携の考え方
ワンタイムパスワードを導入する際には、既存の認証システムとの統合が重要になります。企業システムとワンタイムパスワード認証をスムーズに連携させるためには、ワンタイムパスワードを提供するAPI(Application Programming Interface)の利用が不可欠です。運用コストとユーザーの利便性のバランス
ワンタイムパスワードの導入には、ハードウェアトークンの配布やソフトウェアの設定など、一定のコストがかかります。そのため、セキュリティと利便性のバランスを考慮し、最適な認証方式を選定することが求められます。
総務省『テレワークセキュリティガイドライン』 チェックリスト
総務省のテレワークセキュリティガイドラインの概要と対策方法、さらにテレワークセキュリティガイドラインのチェックリストもご紹介しております。

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ワンタイムパスワードの最新トレンドと今後の展望
ワンタイムパスワードの課題と限界
ワンタイムパスワードは従来の固定パスワードと比べてセキュリティが向上する一方で、以下のような課題も指摘されています。フィッシング攻撃のリスク
ワンタイムパスワードが一度限りの使い捨てであるとはいえ、ユーザーがフィッシングサイトに入力してしまうと、そのワンタイムパスワードが悪用される可能性があります。特に、リアルタイムで中継される中間者攻撃(MITM:Man-In-The-Middle Attack)には注意が必要です。利便性の課題
ワンタイムパスワードを毎回入力する手間が発生するため、ユーザー体験(UX)が損なわれることがあります。特に、スマートフォンを持たない従業員や、一部の高齢ユーザーにとっては負担になる場合もあります。デバイス依存の問題
ワンタイムパスワードを生成するスマートフォンやハードウェアトークンを紛失した場合、ログインができなくなるリスクがあります。そのため、バックアップ認証方法の用意が必要になります。パスワードレス認証との関係
近年、ワンタイムパスワードの代替として「パスワードレス認証」が注目されています。パスワードレス認証とは、従来のパスワードを使用せず、次のような技術を活用して本人認証を行う方法です。生体認証やゼロトラストとの統合の可能性
ワンタイムパスワードは、より高度なセキュリティモデルと組み合わせることで、さらなる安全性の向上が期待されています。生体認証との併用
生体認証(指紋・顔認証)とワンタイムパスワードを組み合わせた多要素認証の導入が進んでいます。これにより、ワンタイムパスワードのデバイス依存の課題を補完しつつ、セキュリティを強化できます。ゼロトラストとの統合
ゼロトラストセキュリティとは、「すべてのアクセスを信頼しない」という原則に基づき、常に本人認証を求めるセキュリティモデルです。ワンタイムパスワードはゼロトラストの一環として活用され、アクセスごとに動的に認証を求める仕組みが普及しています。これらの技術が進化することで、ワンタイムパスワードは単体での認証手段というよりも、より高度なセキュリティフレームワークの一部として統合されていくことが予想されます。
企業が取り組むべきワンタイムパスワード以外のセキュリティ対策
ワンタイムパスワードは強力なセキュリティ対策の一つですが、単独では完全な防御策とはなりません。企業は総合的なセキュリティ対策を講じることが求められます。ゼロトラストセキュリティの導入
従来の「境界防御モデル(ファイアウォール内のアクセスを信頼する)」では、クラウド環境やリモートワークへの対応が難しくなっています。ゼロトラストでは、以下のような施策を取り入れ、常にユーザーやデバイスの信頼性を確認します。エンドポイントセキュリティの強化
エンドポイント(PC、スマートフォン、タブレットなど)のセキュリティを確保するため、次のような対策が必要です。暗号化とデータ保護の徹底
認証だけではなく、データ自体の保護も重要です。企業は以下のようなデータ保護対策を講じる必要があります。フィッシング対策の強化
ワンタイムパスワードを狙ったフィッシング攻撃が増加しているため、従業員向けのトレーニングや技術的な対策が必要です。まとめ
近年、企業における情報漏洩リスクは高まり続けており、その要因は外部攻撃だけでなく、内部からの情報流出も含まれます。特に、従業員による不正なデータ持ち出しや、セキュリティ意識の低さが原因となるケースが少なくありません。これに対し、多くの企業がワンタイムパスワードやアクセス制限といった対策を講じていますが、それだけでは十分とは言えません。情報漏洩を防ぐためには、より包括的なセキュリティ対策が求められます。AssetViewで実現する情報漏洩対策
IT資産管理ツール『AssetView』を活用することで、企業はより強固なセキュリティ対策を実現できます。本ツールでは、以下のような機能を通じて、情報漏洩リスクの低減に貢献します。さらに詳しい情報や導入事例については、公式のHPをご参照ください。

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