Windows 10のバージョンごとのサポート終了を意識した環境の整備や管理について
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Windows 10のお使いのバージョンによっては、サポート終了もそう遠くない将来のことであり、どうすれば良いのかとお悩みではないでしょうか。
今回は、Windows 10のバージョンごとのサポート終了に関する基本的な情報や課題、そしてWindows 10のバージョンごとのサポート終了を意識した環境の整備や管理についてご紹介します。
Windows 10のバージョンごとのサポート終了とは
はじめにWindows 10のバージョンごとのサポート終了に関する基本的な情報をチェックしましょう。
Windows 10ではバージョンごとにサポートの終了がある
従来のWindowsモデルはXPや7などバージョンでそれぞれサポートの終了や延長サポートの終了がありました。現在のWindows 10では定期的なアップデートをしている限り、自動的にサポートが延長される仕組みになっています。しかし、特定の企業においては定期的なバージョンアップに対応できず、古いバージョンを利用しなければならないことがあるのも事実です。
古いバージョンはサポートが順次終了していくため、同じWindows 10だとしてもサポートを受けられない事態が出てきます。場合によってはセキュリティ性を保つためのパッチや修正も適用していない状況のため、セキュリティ的に危ういまま業務や作業をし続けていることになりかねません。
未だにWindows XPを利用している問題を笑えない状況に
実際問題として未だにWindows XPを利用せざるを得ない状況も全く同じであり、決して笑えない状況が待っていると言えます。例えば、基幹システムや業務システムを作ったのはいいけれど、Windows 10をアップデートすると不具合やエラーが起きてしまうなど深刻な状況であれば、改善しなければいつかは致命的なインシデントを起こしてしまう事態に遭遇することになります。
特に社内や組織内のネットワークのみで構成しているから大丈夫、外部からのアクセスがあるわけではないし、1、2年使っているけれど不具合もないという状況下では、改善しようという声すら上がらない可能性もあります。利用している従業員もまさかアップデートしていないWindowsを使っているとは思ってもいない場合もあるでしょう。今は大丈夫でもそれが将来的にも大丈夫とは限らないことをまずは理解すべきと言えます。
2025年の崖という企業や組織として無視できない問題も
2025年の崖問題をご存知でしょうか。2025年までにDXの推進が適切に行われない場合、様々なサポートの終了や技術やノウハウを持つ人材の引退、そしてさらなる最新技術が導入されないことで既存の企業や組織が淘汰される可能性があることを意味します。
企業や組織として決して無視できる問題ではなく、官民一体となって取り組んでいる問題であり、官公庁においてもペーパーレス化や横断的なデータの活用、またはデータの可視化や再利用など多方面においてDXの推進を始めています。
もし、2025年の崖問題を意識せずに現状維持をした場合、後述するレガシーシステムの問題を抱えたまま、企業や組織としての存続が厳しくなることを覚悟しなくてはなりません。
Windows 10のバージョンごとのサポート終了で想定される課題や問題
次にWindows 10のバージョンごとのサポート終了で想定される課題や問題についてご紹介します。
最終的に残る脆弱性を悪用したサイバー攻撃による被害
もし、何らかの理由でサポートの終わったWindows 10のバージョンを利用している場合、最終的に残る脆弱性を悪用したサイバー攻撃による被害を受ける可能性が高まります。
顧客やユーザーから預かった個人情報、企業や組織としての機密情報など、様々なデータが情報漏洩、データの改ざん、それに伴う悪用によって社会的信頼の失墜は避けられないでしょう。
物理的なデバイス面の修理、維持や互換性の保持が困難に
また、バージョンアップしないことでサポートが受けられないということだけでなく、物理的なデバイス面の修理や維持及び互換性の保持が困難となる可能性も考えられます。
もちろん、現時点から2、3年程度であれば問題ないかもしれません。しかし、各メーカーやブランドが必ずしも2025年の崖に対応できるとは限らないと考えたことはありませんか。最悪の場合、2025年を待たずに必要となる部品を作っていたメーカーが倒産等で生産を断念し、必要な周辺機器が手に入らないことも予め想定しておかなくてはなりません。
システム面ではレガシーシステム化の懸念や維持コストの問題
システム面では「今」動いているから問題ないと先延ばしすることで、レガシーシステム化の懸念やそれに伴うコストの問題も意識しなくてはなりません。現実問題として先延ばしがレガシーシステム化の原因であり、時間の経過によってさらなるブラックボックス化や属人化問題が顕著になるのも事実だからです。
特にIT知識に疎い年齢層や経営層の場合、コスト面のみを見て現実的でなければ、自分が引退した後に丸投げしてしまう可能性もあります。同じくコスト面を許容できず、何もできないままであればレガシーコストの維持や運用のためのコストに耐えきれず、結局は破綻するということも意識しておく必要があるのです。
Windows 10のバージョンごとのサポート終了を意識した環境の整備や管理とは
最後にWindows 10のバージョンごとのサポート終了を意識した環境の整備や管理についてご説明します。
システムとデバイスの両方をアップグレードする準備を
Windows 10はアップデートすることでサポートを受けられるということ、同時に物理的なデバイス面の修理や維持、互換性を保持できること、そして何よりもセキュリティ性の確保につながることを考えれば、アップデートし続けるのが最適解なのは明らかです。
もちろん今すぐには難しいとしても、まずはアップデートを前提とした業務体制の見直しを検討しましょう。その上でどうしてもコストが合わない、または別の理由で無理だというのであれば、全く別のアプローチを考えるか、ギリギリになるまで耐えしのぐしか方法はありません。
最悪の事態を避けるためにも、前もってWindows 10のアップデートを前提とすること、同時にデバイスを柔軟に入れ替えられるような体制、環境整備を意識しておきましょう。
予めIT資産管理を導入しておくと管理がスムーズに
すぐにすべての問題に対応できないとしても、少なくともIT資産管理ソフトによってバージョンやアップグレード、デバイスの管理を行うことから始めてはいかがでしょう。例えば当社が提供するIT資産管理ソフト「AssetView」であれば、デバイスごとにリモートでアップデートを行う設定が可能であり、特定のデバイスで業務システムや基幹システムに不具合がないかチェックしたり、修正やメンテナンスのための時間を稼いだりすることができます。
いきなり業務システムや基幹システムを入れ替えるのは無理でも、Windows 10のアップデートを管理することで物理的なリソースを確保することにつながれば、何もしないまま2025年の崖に直撃することは最低限避けられるでしょう。
Windows10のサポートやアップグレード等について不安や分からないことがあれば、お気軽にご相談、お問い合わせください。コストパフォーマンスにすぐれ、御社の状況に合わせて自由にカスタマイズ可能な「AssetView」によって課題解決のお手伝いをさせていただきます。
まとめ:企業や組織の負債とならないように事前準備が必須
今回はWindows 10のバージョンごとのサポート終了に関する基本的な情報や課題、Windows 10のバージョンごとのサポート終了を意識した環境の整備や管理についてご紹介しました。
Windows 10のアップデートを前提とすることで、サポートを延長しながら、最新の機能や周辺機器を使い続けることができるようになります。しかし、アップデートしないことが前提であれば、企業や組織としてそれに対応するための無駄なコストを生み続け、生産性のある仕事ができなくなる可能性があることを理解しておく必要があります。
最新の技術を取り入れることが難しい業種・業態はあるにせよ、新しい技術を積極的に受け入れる姿勢が不可欠となる時代がもうすぐそこまで迫っています。IT資産管理を意識しながら、情報資産を守ること、企業や組織としての技術やノウハウを継承するためにも、事前準備を行い、Windows 10のサポートを受けられる体制を作っておくことをおすすめします。