クラウドストレージのセキュリティに関する課題や問題と解決方法について
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企業や組織においてもクラウドストレージがごくごく当たり前に利用されるようになりました。
しかし、簡単で便利な技術だからこそ、セキュリティに関する不安や心配も尽きません。クラウドストレージを安心・安全に利用するためにも、どのように課題や問題を解決すべきか知っておく必要があるということです。
今回はクラウドストレージのセキュリティに関する課題や問題、そしてクラウドストレージにおけるセキュリティ面の課題や問題を解決する方法についてお話します。
クラウドストレージのセキュリティに関する課題や問題
はじめにクラウドストレージのセキュリティに関する課題や問題について解説します。
クラウドストレージの利便性が良いことによるリスク・脅威
クラウドストレージはマルチデバイスかつクロスプラットフォーム、アプリやブラウザからファイルアクセス可能など、非常に利便性が高い仕組み・機能を備えています。そのため、いつでも、どこからでもアクセスできるという点が裏を返せばリスク、脅威になってしまいます。
実際にDXの推進とともに働き方改革が進む中において、リモートワークやテレワークでもクラウドストレージの活用が進んでおり、セキュリティが甘いタイミングや場所を作り出してしまうことが考えられます。
サービス提供元でのセキュリティインシデントの発生
社内や組織内でクラウドストレージを構築して利用するのではなく、外部オンラインサービスのクラウドストレージを利用している場合、サービス提供元のセキュリティインシデントが発生することもリスク・脅威と言えます。
一時的にエラーや不具合が起こる可能性があり、その都度、業務や作業が停滞および遅延することを考えると、外部のクラウドストレージに過度に依存しすぎるのはリスクを伴うことがわかります。また、場合によっては外部のクラウドストレージに預けたデータが何らかの形で情報漏えいすることも、決してゼロであるとはいえません。
従業員間におけるIDやパスワードの共有・貸出
業界や業種、または現場ごとによる部分でもありますが、ファイルへのアクセス権やID・パスワードを持っている人が作業効率化と称してIDやパスワードの共有・貸出を行うのもリスクであり脅威です。
特にファイルごとに暗号化・パスワード設定を行っているのではなく、クラウドストレージやサーバーへのログイン情報を共有・貸出している場合ですと、必要とするファイル以外のファイルも閲覧や編集が可能となる場合があり、内部不正が起こる要因になりかねない非常に危険な状態と言えるでしょう。
共有したURLの流出およびデータの追跡がしにくい点
クラウドストレージによっては、URLを共有することで、特定の人のみにファイルの閲覧や編集をさせることができます。従業員間だけでなく、顧客やユーザーとのやりとりでも非常に便利な機能と言えるでしょう。
しかし、共有や公開の設定によっては、URLさえ知って入れば誰でもアクセスできてしまうことがあります。そのため、共有したURLが流出してしまうとデータの追跡がしにくく、データ改ざんや情報漏えいが起きても原因が特定できなくなってしまいます。もちろん、実ファイルが流出した場合も同様ですが、URLという文字列のみである場合はURL自体のコピーは簡単なため、どこで、誰が悪用するかは判明しにくいということです。
データ管理が甘くなったり、疎かにしたりすることによる被害
クラウドストレージの利便性はファイル管理における手間や労力が少なくなるため、気軽にファイル操作をできるという利点を生み出します。逆に言えば、簡単に操作できてしまうことでデータ管理が甘くなったり、疎かにしたりする可能性があるということです。
同様にクラウド上であればデータはなくならないだろう、すぐに元に戻せるだろうと考えることもあり、安易に削除したり、誤って上書きしてしまったりするなど、余計な手間や労力が増えてしまうことも否めません。
クラウドストレージにおけるセキュリティ面の課題や問題を解決する方法
次にクラウドストレージにおけるセキュリティ面の課題や問題を解決する方法をご紹介します。
IT資産管理および情報資産管理が可能なツール・ソフトを導入
クラウドストレージを安心・安全に活用するためには、前提としてIT資産管理および情報資産管理の考え方や仕組みを導入する必要があります。なぜなら、実ファイルやデータそのものはクラウドストレージにあったとしても、IT資産管理や情報資産管理が運用されていれば、セキュリティ面の課題や問題を把握および管理できるようになるからです。
逆に言えば、通常の作業や業務においても、IT資産管理や情報資産管理が運用されていない場合、セキュリティ的に安心とは言えません。いつ、誰が、どのデバイスで、何をしたのか把握できない状況では、クラウドストレージのセキュリティどころか、その他のサイバー攻撃への対策もできていない可能性が高く、非常に危険です。
外部クラウドストレージ・内部ファイルサーバーでアクセス制限や権限の割り当て
IT資産管理や情報資産管理を運用することで、外部のクラウドストレージ、または内部のストレージやファイルサーバーにおいてもアクセス制限や権限の割り当てがしやすくなります。ブラウザからアクセスするタイプの外部クラウドストレージへのアクセスそのものを制限する(Webフィルタリング)ことも可能ですし、内部のファイルサーバー上にあるファイルへのアクセス権の設定、ログインやアカウント管理なども明確にできます。
これらの考え方が甘い場合、誰でも好きなようにファイルにアクセスできてしまったり、誤操作でファイルを削除、または悪意ではないにせよデータ改ざんにつながる恐れがあります。同様にパソコンの乗っ取りやID・パスワードの流出が起きた場合、情報漏えいやデータ改ざんによる被害を受ける可能性も高くなるでしょう。
PC操作ログの取得・監視・管理が可能な体制を構築する
PC操作ログとは、従業員の作業や業務で行うマウスやキーボードの操作や各種項目による操作を取得し、記録し、監視する仕組みを指します。PC操作ログの取得や監視ができるようになれば、いつ、どこで、誰が、どのデバイスで、何をしたのか明確になるため、内部不正やパソコンの乗っ取りによる被害へを防ぐことにつながります。
クラウドストレージを利用する場合においても、どのファイルを操作しようとしたのか把握できるため、事前に忠告やアラートを出したり、操作を確認した時点でセキュリティ担当者に通知がいくような仕組みを構築したりすることも可能です。
クラウドストレージも含めてファイルを暗号化できる仕組みもおすすめ
クラウドストレージも含めて、ファイルが暗号化されていれば情報が流出してもすぐに被害につながる可能性は少なくなります。その都度、暗号化をするような手間がないよう暗号化そのものを自動化する仕組みを導入するのがおすすめです。
暗号化されたファイルであれば、社内や組織内だけでなく、外部・顧客・ユーザーとのやりとりも安心・安全になりますし、情報漏えい以外にもデータ改ざんによる被害も防ぐことができるのも利点です。
データを取り扱うための権限・立場・担当など再確認することも大事
業界や業種、または企業や組織としての規模によっては、データの取扱い自体が杜撰な状態であることも考えられます。極端なことを言えば、情報の質や機密性に限らず、パソコンを使える人が管理しているだけで、立場や担当など、権限による割り当てがなされていないような状況を指します。
このような状況は非常に危険であり、何らかの形でサイバー攻撃を受ければ、すぐに情報漏えい、データ改ざん、場合によってはランサムウェアによる被害を受ける可能性も高まります。
誰でも、すべてのデータやファイルにアクセスできるようにするのではなく、立場や担当、部門や部署に必要な部分だけアクセスできるようになっているか、またはアクセスするためにIDやパスワードによるログインが徹底されているかなど、今一度、再確認し、必要に応じて再構築することをおすすめします。
まとめ:監視や把握できないまま外部クラウドストレージを使わないこと!
今回はクラウドストレージのセキュリティに関する課題や問題、そしてクラウドストレージにおけるセキュリティ面の課題や問題を解決する方法についてお話しました。クラウドストレージ自体のセキュリティ性を疑うよりも、通常のファイルやデータサーバと同じようにセキュリティ意識を持って利用することが重要と言えます。言い換えれば、クラウドストレージもローカルによる保存も垣根なく、セキュリティを強化すべきということです。
当社が提供するIT資産管理ツール・情報資産管理ソフト「AssetView」シリーズを組み合わせることで、クラウドストレージにおいてもファイルの暗号化が可能となり、その他にもPC操作ログの取得によって監視や管理もしやすくなりますので、ぜひともこの機会にご相談、お問い合わせください。