蝉

故郷や 蝉ワシワシと 鳴きにけり

久しぶりに訪れた故郷にはもう知りあいもいなくなっていた。

住んでいた住宅地の真中には、新しい大きな道路がつくられていた。

ただ通っていた幼稚園だけは昔のままのたたずまいを残していた。

幼稚園を囲んだ背の高い樹々から蝉の音が聞こえてきた。

故郷の蝉はクマゼミが多く東京と違って「ワシワシワシ」と鳴いていた。