営業×企画×開発による、ホットプロファイル 開発の裏側ぶっちゃけ座談会<後編>
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お客様の課題/要望に応えながら、製品はますます進化中
営業現場がやりたいことをもっと簡単にスピーディーにできるように......と目的重視で生まれたホットプロファイルは、さらにお客様に寄り添って、実現したいことを実現できるよう、日々、機能を追加しています。
どんなリクエストに応えてきたのか、要望を伝えた営業や企画、それに応えた開発の三者がいま、開発裏話を明かします。
お客様のリクエストに応えて、機能をどんどん追加しています。
顧客からのリクエストでホットプロファイルに追加された機能はありますか?
池上:アカウントセールスの機能ですね。自社のWebサイトにアクセスした未知の企業を特定して社名、業種、従業員数などの企業情報を付与する機能です。既にアプローチしている企業である場合は、所有している名刺データや営業活動情報、メール開封履歴、Webアクセス履歴など と紐づけられます。
ホットプロファイルの機能をフルに使い、メールも送ってトラッキングしていたお客様が、さらに「Webサイトにアクセスしている企業を把握して、営業活動を加速させたい」とお話 をいただき 、「じゃあ、うちで作っちゃおう」という話になって、このアカウントセールスの機能を作りました。
新規開拓をやっていきたいと言うお客様にも、すごく向いている機能だと思います。
樋口:Webサイトの訪問履歴に関しては、こちらからメールを送って、そのメール内のリンクをクリックして訪問した場合と、検索エンジンなどからWebサイトを訪問した場合で分かり方 が異なります。
こちらが出したメール内のリンクはそれぞれお客様ごとに異なるパラメータをつけたURLなので、どのお客様がクリックしてWebサイトに訪問したか、パラメータによって、わかります。
検索エンジンなどから、Webサイトを訪問した場合は、個人名などまではわかりませんが、アクセスしてきたドメイン名により、どこの企業の方が訪問したかはわかります。
中川:他にも細かく、要望に応じて、さまざまな機能を追加しています。たとえば名刺管理の画面の中から、関連する営業の報告が見たいので、1クリック で行けるボタンをつけてほしいなんて要望にも応えました。
また、ターゲットリストを管理するための新しい箱がほしいというリクエストもあって、作りました。営業は展示会で名刺交換したお客様にアプローチしたリストとか、たとえば東京都の製造業で上場している企業だけを絞り込んだリストとか、いろんなリストを作って営業活動しています。それをホットプロファイルのデータソースを使って、Excel感覚で、自分で項目を作ったり、管理するための箱がほしいという要望で、それにも応えました。
お客様に寄り添ったサポートをするから、機能もお客様の声で増えています。
機能が多いと、お客様が使いこなせなくなったりしませんか?
池上:お客様の必要に応じて、機能の開発はもちろんですが、運用面でのお客様サポートも行っています。
たとえば、カスタムレポートと言う機能があり、レポートを出すための設計などを支援するサポートメニューがあります。商談管理のデータから、自社のフォーマットで、Excelベースでレポートを出せる機能です。今まで自分たちが使っていたフォーマットを変えずに、毎月のレポートが見られるので好評です。ただ、最初にそれを作るのが大変という声をいただき、レポートを出すための項目の設計や雛形を作るところなどを支援しています。
樋口:うちは「AssetView」というオンプレミスのサーバーを設置するタイプの製品がメイン商品で、クラウド製品は「ホットプロファイル」が初めてでした。うちの営業体制やサポート体制はオンプレミスの製品の体制を踏襲しているので、「ホットプロファイル」の営業やサポートも、他社のクラウドのサービスよりも手厚いんですよね。営業段階でも、何回も足を運んで、お客様の要望を細かく聞き取っています。
カスタムレポート機能の支援も、お客様の業務に深く入らないと作ることができませんが、そういうじっくりと行う必要があるサポートも行っています。
池上:また、他社さんから乗り換えたいというお客様が多いのですが、移行が大変と言われるので、データ移行を支援するメニューも作りました。
細かい話で言えば、ホットプロファイル内でアドレスをクリックすると、メーラーが立ち上がって、相手の会社名や名前が入りますが、さらに「署名を入れたい」などの細かい要望をいただくこともあります。お客様がお使いのメーラーに対応して、そういう設定をするサービスなども行っています。
お客様のリクエストを共有して、どんどん要望を製品に反映しています。
多くのリクエストを、どのように共有、処理しているのですか?
中川 :お客様の要望は、社内で管理している場所があって、そこでリアルタイムで共有しています。営業でもサポートでも、お客様から受けたリクエストはそこにあげます。それでリアルタイムに全員に伝わります。
後は開発がスケジューリングしていくという流れです。
池上:営業は同じようなニーズがあったら、そこにどんどん継ぎ足していきます。ニーズが高いものから対応していくので、どれの熱が高いかが、見えるようになっています。
樋口 :だいたい3ヶ月、6ヶ月くらいでリリースしていて、次のリリースに入るか、入らないか、入らなければ次は......という感じでスケジュールを決めています。
うちのコンセプトとして、SFAをやりたくても、アカウントセールスをやりたくても、名刺管理から入るという流れでご提案しています。2014年から2年ぐらいは名刺管理の機能のニーズばっかりでした。しかし、お客様の利用状況が、だんだん名刺管理から、SFAのほうへ行ったからか、ここ一年ぐらいはSFAに関するニーズが多くなりました。名刺管理のニーズはもう吸収しきったのかなと感じます。
より使いやすく、見せ方もわかりやすく......
と、リリース前に社内で徹底的に使ってUI検証。APIもオープンに。
機能が増えると、情報が見づらくなったり、操作が難しくなりませんか?
樋口:機能が増えると、画面が増えるので、複数の画面を一画面にまとめようという発想が出て、「一画面で全ての状態が見られる状態に」と成長してきました。
また使い勝手などを検証するため、リリース前に、開発と営業と企画のメンバーがチェックする期間を設けています。そこで「ボタンを押したときの反応が悪い」とか、「こういう遷移の方がいい」とか、「ラベルの名前が分かりづらい」などの声を受けて、開発期間中に直せるところは全部直しています。
ホットプロファイルと他社のシステムの連携もしやすいようにしています。外部のシステムと接続できる口(API)を作ってオープンにしています。これがあるので、いろいろな会社からお声がけしていただきます。それによって、お客様が「使っているシステムと連携したい」という時にスピーディーに動ける状態になっています。
池上: APIは2017年12月にオープン化しました。そのリリースを見た各メーカーさんからお声掛けいただいて、「一緒に連携していきましょう」というお話も増えています
樋口:たとえばCTI(コンピュータと電話やFAXを統合するシステム)を提供されているメーカーさんは、名刺データとの連携で、電話をとったときに相手の会社に関する情報が表示されるようにしました。Googleカレンダーのアドインのアプリでは、名刺の住所を活用して、スケジュールを入れると、最初の訪問先から、次の訪問先までの乗り換え案内が出て、次のスケジュールに間に合わせるために、最初の訪問先を何時に出なければいけないかがわかるといった仕組みを作られました。
機能が豊富なだけに、導入で失敗しないよう、
顧客に導入の最適な手順、スケジュールを伝えるようになりました。
機能に関して、いま過不足はありませんか?
池上:昔は機能が全然足りなくて、色々大変でした。機能が足りないから、なかなか売れないということもありました。でも今は機能豊富なので、お客様が求める機能がないということは、ほぼ無いくらいになりました。
樋口:営業の提案を見ていると、お客さまからの要求があって、それを実現しようとするときに、実現するためのアプローチが3種類ぐらいあったりして、そのお客様にとって、どれが最適かに悩んだりすることはあるようですね。
中川:「名刺管理を検討しています」という問い合わせをもらってお客様のところにうかがうと、まず「何のために、これをしますか?」とお聞きします。そして、先々の展開を視野に入れて、検討していただきます。
最近は、お客様に成功のモデルを最初にお伝えするようにしています。お客様がやりたいことをうかがったら、「こういう風に進めていきましょう」ということを、提案に盛り込むようになりました。
たとえば「最初は名刺を入力しましょう。これくらい経ったら、メール配信をしましょう」という感じです。「皆さん名刺をもらった、名刺は必ず一箇所に入れましょうね。なぜ入れるかと言うと、こういうメリット があるからです」というのを理解していただいて、営業の方が全員入れ始めるのが、だいたい1か月ぐらいです。 3か月程度で、みなさん、入れるだけはできるようになります。すると、今度は事業部ごとに必要なヒアリングシートなど を入れておいて、「2回目以降に会ったお客様とどんな話をしたかというのを入力していきましょう」。そうすると別の営業が見た時にも、「この営業が、このあの人に会いに行って、こういう話したんだな」と分かるようになり、そこまでくると、営業が情報を見ることを当てにするようになり、「ここに情報を入れないと......」となります。
こういったベースができるようになったら、プラスアルファ、情報管理だとか、見込みのレポートを出すとかもやっていきましょうと勧めています。
こういった、おおよそのステップをお伝えして、そこでイメージが合うお客様はやはりその後が早いですね。
これからの時代に求められるインサイドセールスの仕組みを製品化。
情報共有、評価のための仕組みなど、さまざまな形で支援する機能ができました。
最新の機能、今後の新たな機能はありますか?
樋口:9月21日にインサイドセールスの機能をリリースしました。内勤営業のための機能です。インサイドセールスは働き方改革やテレワークなどの観点から、いま注目を浴びています。
中川:2017年の下期に、社内にインサイドセールスセンターを作りました。最初は、既存機能でやってみましたが、専門チームを作って業務を回そうとすると、ほしい機能がいろいろ出てきました。
弊社のインサイドセールスは基本的に架電なので、電話番号などの基本的な情報が必要なことは想像つくと思います。しかし、インサイドセールスはテレアポと違い、継続的な関係なので、営業訪問や見積もり、同時に動いているマーケティング部のアプローチなど、そのお客様に対する架電以外の動きも、全部1画面の中で見られることが大切です。
さらに、お客様に継続的にアプローチしますが、同じお客様を複数のインサイドセールス担当でフォロー することも多いので、情報共有は不可欠です。
池上:そういった他の動きも見えていないと、架電でバッティングすることがありますよね。
樋口:テレアポとはゴール設定が異なり、テレアポではアポイント件数を見るので、バッティングもあまり気にしません。
でもインサイドセールスは商談化がゴールなので、バッティングが問題になります。そして、活動の計画や個々人の進捗などもシビアに見え、お客様に対して気の利いた一言が言えるような、詳しいお客様カルテも必要です。
インサイドセールスでは、一定の温度感になったお客様を 、営業にタスクとして割り振ります。この機能の特徴のひとつが、営業に割り振ったタスクの進捗も見える点です。そこがテレアポのツールとの一番の違いですね。
樋口:インサイドセールスは内勤の営業で、外勤の営業と違い、評価が非常にしづらいので、そこの評価がしやすい仕組みも作りました。
担当ごとにグループウェアを埋め込み、隣の人と競争させるなど、日々努力させる仕組みもあります。
現場の方の使いやすさと共に、管理する上司がそれぞれの人の仕事ぶりを把握しやすく、かつ評価するための質的なものまで見られるように考えました。
架電でサクサク作業できるように、ユーザーインタフェースは特に力を入れました。朝来たら、リストから未着手の仕事を見つけて、さっと仕事に入れます。1人のターゲットに対する業務が終わったら、次へボタンを押して、先へ進めます。
池上:インサイドセールスに求める機能が、今回のこのツールを含め、ホットプロファイルですべて解決できるようになった感があります。
お客様からのリクエストに応えて、ホットプロファイルが成長してきた話をお届けしました。この開発裏話を読んでいただくと、ホットプロファイルの使い勝手、上手な使いこなしに関しても、少しイメージいただけるのではないでしょうか。