2016年2月アーカイブ

春雷

春雷

春雷は 遠くに去りぬ 天主堂

その教会に入ったとたん、春の嵐が強くなって、雷鳴が轟き始めた。

ステンドグラスに雨が吹きつけ、話し声も聞こえない程だった。

暫くすると雨は弱くなり、雷も遠のいた。

ステンドグラスから春の光が差し込んで、キリストが輝き始めた。



菜の花

菜の花

菜の花や 花を飾れば 春気分

隣家からの到来物の菜の花には、もう花がたくさんついていた。

葉と茎をゆがいておひたしにすれば十分春らしさを感じられるが、

花を飾ればもう春はすぐそこに来ている。



鮨

春の宵 酒がいざなう 鮨暖簾

夕方近くに知らない街を歩いていると、

ふとおいしそうな鮨屋にめぐりあうことがある。

そんな日は春風に誘われてつい暖簾をくぐってしまいたくなる。

いよいよ春が近づいてきた。



春日部宿

春日部宿

振り分けし 荷物をおろす 草の宿

芭蕉は千住を出て日光街道を北上し、途中草加で休んだあと、

春日部で一日目の宿をとった。

別離の寂しさと、これからの道のりの不安、

荷物の重さと旅の疲れをようやくおろして、ほっと一息ついたことだろう。



旅立ち

旅立ち

旅立ちは 潮の香まじる 春の河

「奥の細道」一日目は深川を出発し、隅田川を千住まで下り、

千住から日光街道を奥州に向って旅立っていった。

行春ゆくはるや 鳥啼魚とりなきうおの 目はなみだ



海辺橋

海辺橋

梅の香や 旅人捜す 海辺橋

海辺橋は、松尾芭蕉が住んでいた深川の仙台堀川にかかる橋であり、

そのたもとには芭蕉が奥の細道に旅立った姿が銅像として残されている。

梅の香が漂う中、芭蕉の心境に想いを馳せて、その足跡をたどるとしよう。


「草の戸も住み替る代ぞひなの家」



赤信号

赤信号

何度目の 春を待ちつつ 赤信号

新青梅街道は好きな道路の一つだ。

交通量もあまり多くなく、桜やすずかけの並木が連なる。

赤信号で停車している間も、春になればどんなに気持が良いことだろうと、

思いを馳せていた。



雪雲

雪雲

雪雲や 青い獣が 空駆ける

雪雲が空一面をおおいはじめた。

天気予報によると夜半すぎに雪になるらしい。

まるで青い獣のように空をおおい、蹂躙しつくす。

人間には抵抗のすべがない。



紅梅

紅梅

紅梅や 雪のあとにぞ 匂いける

雪が降って、一面白の世界になった。

その雪の中に紅梅がすでに花をつけていた。

濃いピンクの梅の花が、白い雪の世界に悠然とあらわれ、

梅の香を強く意識させた。

雪の中では梅はより強く匂うものであろうか、

それとも視覚が嗅覚を刺激したのであろうか。



鶺鴒

鶺鴒

冬の街 野鳥のくらし いかばかり

買物に立ち寄ったスーパーの駐車場に、

鶺鴒が人や車を怖がる様子もなく気軽に歩きまわっていた。

この鳥はこの寒い冬をいったいどんなくらしをしているのだろうか。

巣はどこにあって、食べ物は何を食べているのか。

都会に住む野鳥の生活に想いを馳せた。