2015年12月アーカイブ

若竹

若竹

若竹や 冬の風にも 負けるまじ

神社の一角に竹林があった。

神社の入口の手水舎に使う柄杓の為に育てているのであろうか、

すくすくと大きく育っている。

一本一本が青く太くまっすぐに伸びていて、

冬の冷たい風などものともしないように思えた。



カワセミ

カワセミ

青い鳥 飛び去りしあと 落葉かな

近くの公園を散歩していたら、

池の中の小さな島にまっさおな羽をした野鳥を見つけた。

その青い鳥は一瞬のうちにどこかに飛び去っていった。

飛び去ったあとに落葉が、パラパラとふっているのみだった。



白玉椿

白玉椿

手折たおりたる 白玉椿や 冬の道

朝散歩をしていると、白い椿が花を咲かせていた。

殆んど一重に近い花びらを持つこの花は、どうやら白玉椿らしい。

この頃は温暖化の影響で花に季節感が無くなってきたようで、

この白玉椿も五月頃の花ではなかったかと思った。

一輪枝ごと手で折り取って、家に飾ることにした。

部屋がはなやかにしっとり落着けばいいのだが。



ゆず

ゆず

とる人もなき ゆずの実は 朽ちはてり

隣の家のゆずがたくさん実をつけた。

このあたりの人は品がいいのか、いっこうにゆずの実が減らない。

このままにしていると実が朽ちてゆくばかりだ。

それくらいなら、どんどんとってゆず湯にでもすればよいだろうに。



冬陽

冬陽

絵の中の 猿に冬陽は あたりけり

版画展を見に行った。

動物園の中で猿が二匹、木に登って遊んでいる版画があった。

傾き始めた冬の陽が窓から差し込んで、絵の中の猿にもあたっているように見えた。

冬陽は絵の中なのか現実なのか。



デルフィニウム

デルフィニウム

ひそやかに かそけく生きる 青き花

花屋に立ち寄るとデルフィニウムが安く売られていた。

買って帰って花びんに飾っていたが、いつまでたってもしぼまない。

2週間後には短く切ってトイレに飾ったが、それでもなかなか枯れようとしない。

うす青き 花ひそやかに 生きにけり。



歌姫

歌姫

歌姫が 街をいろどる 師走かな

西野カナの巨大なポスターが街角に飾られた。

今、一番輝いている歌手は自信に満ちてポーズをとっている。

クリスマスシーズンを前にして、いよいよ年の暮の様相である。



夜の帳

夜の帳

秋寒や 夜のとばりが 下りにけり

秋の夜長とはよく言ったもので、夕方には暗くなりはじめ、

六時過ぎには夜の帳が下りてしまう。

昼間の明るい気持も、夜の闇に溶けてしまい、

お酒や娯楽でごまかしながら、夜が明けるのを待つしかない。

秋の夜は寒さへの準備が出来ていない分、寒く感じられる。



銀杏の葉

銀杏の葉

国道に 舞い降り消ゆる 銀杏の葉

黄金色の銀杏の葉が、国道に車が通るたびに、冬の風が吹くたびに、

吹きあげられ舞い落ちる。

電灯の光にキラキラ輝いては暗闇に消えてゆく。冬。



冬陽(2015年)

冬陽

白ちゃけた 冬陽が覆う 曠野かな

いよいよ冬の季節がおとずれてきた。

太陽が一面に差し込んでいても、寒々しい気分が抜けない。

木枯らしのような冷たい風が吹いて、心までが冷たくなるようだ。



都忘れ

都忘れ

奥山に 都忘れは 咲きにけり

東京を遠く離れ、山道を歩いていたら、都忘れが群生していた。

この花は今頃咲く花だったのだろうか。

それとも気候変動の影響で季節外れに咲いているのか。

どちらにしても都を忘れるほど可憐な花であったに違いない。