2015年6月アーカイブ

裏通り

梅の実

かげりゆく ゆかしき裏の 通りかな

夕陽が足を伸ばし、都会の片隅の裏通りに、夕闇が迫ってきた。

新宿からほど近い、しかし都会の喧騒からのがれた

住宅街の一角にあるクリーニング店は人の出入も少なく、

寂しいような懐かしいようなたたずまいをみせていた。



梅の実

梅の実

梅雨空や とる人もなき 梅たわわ

郊外の公園には梅の木がたくさん植えてある。

梅の実がまるまると太ってたわわについている。

この公園には梅の実をとる人もいないためか、

木の下には落ちた梅の実が腐り始めている。

来年は朝早くとりに来よう。



霰

藁葺きの 屋根に落ちくる 霰かな

郊外の公園に散歩に出かけた。

その公園には江戸時代から残っている藁葺きの家が移設されて、

昔懐かしい趣を漂わせていた。

突然、空が暗くなり、梅雨の季節とは思えない霰が降ってきた。

藁葺きの家には似つかわしい霰ではあるが、

この季節感のなさはどうしたものだろう。



梅雨空(2015年)

梅雨空

梅雨空や ただ鶯の 鳴きにけり

梅雨に入ってぐずついた天気が続いている。

都会から少し田舎に遠出すると何と鶯が

「ホーホケキョ、ケキョ、ケキョ」と澄んだ声で鳴いていた。

梅雨空にただ鶯の鳴き声だけが、こだましていた。



白樺

白樺

白樺や 一塊の風 雲運ぶ

北の大地では春がようやく終わろうとしていた。

桜や桃が散り、アカシアやライラックが花をつけ、

さわやかな風が吹きわたっていた。

その風は白樺並木の向こうの雲を次から次に運んでいた。



鯉

梅雨空や 鯉は虚しく 口開く

池の端に立つと、手を叩きもしないのに大きな鯉が集まってきた。

餌をもらいなれているせいか、水面に顔をつき出して口を開けて餌を待っている。

今日は誰も餌をあげないのか、鯉は口を開いたまま、残念そうにあえいでいた。



剪定

剪定

夏近し 剪定のあと 生々し

中央高速の三鷹付近に大きな木が何本も密集してはえている所がある。

ある日、高速道路側の枝が何本も切られて、

まるで手足を切られたかのように生々しい切り口を見せていた。

夏が近いせいなのか、何故今剪定したのか、不思議に思わせる光景だった。



北斎色

北斎色

北斎色 命が燃える 夏祭

葛飾北斎の祭り舞台天井絵を見た。

極彩色の天井絵に龍がからみつき、命の燃焼を感じた。

まさに北斎色(極彩色)の躍動そのものではないか。



あじさい

あじさい

あじさいや 谷渡る風 いざ生きん

今年もあじさいの季節が訪れた。

この公園はまさにあじさい公園と呼べる程、あじさいがたくさん咲いていて、

公園の北側から風が吹いてくると、花々が揺れて、

水色の風となって公園を通り抜けてゆく。

まるで、生きる喜びをあらわすかのように吹き抜けていった。



ハルジオン

ハルジオン

分離帯 つつじ囲んで ハルジオン

新目白通りのまん中に左右の車線を分ける分離帯が設けられている。

その分離帯には季節を彩る花々が植えられており、

今の時季にはつつじが目を楽しませている。

しかし、いつのまにかハルジオンがそこら中に白い花をつけ、

どちらが主役なのか分からなくなってしまった。