春宵一刻

春宵一刻

春の宵 一刻だけの 梅の花

夕方六時過ぎに公園のそばを歩いていると、かすかに梅の香が漂ってきた。

もう暗くなってしまった春の宵に、存在を気づかせるように、

ほんのかすかな香りだった。

どこにあるのだろうと、公園の中に入ってみた。

そこには終わりまぎわの紅梅が、闇に紛れて、精一杯、花を咲かせていた。

春の宵は寒くなるまでのひとときがほんとうに気持がいい。

その貴重なひとときを梅の花がひときわ、きわだたせていた。